表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/17

第10話「初陣の証明と、再会の影」2

6. ピッチ上での冷静な判断と“初ゴール”


前半の終盤、1対1の同点。


敵チームのパスワークは正確で、何度も危険なシーンを作られたが、GKとDF陣の奮闘でなんとか凌いでいた。


俺は呼吸を整え、ポジションを微調整しながらゲームを俯瞰していた。

相手のボランチがボールを持つと、1秒後には右サイドへ展開する癖がある。

気づいた瞬間、そのパスを狙ってインターセプト。


「ナイス、陽翔!」


声が飛ぶ。俺はそのまま左へ展開し、山本とパス交換。

ゴール前でフリーになった武田に完璧なスルーパスを通した。


「もらったぁぁあっ!」


武田の一撃がゴール左に突き刺さる。


2対1。逆転。


自分が奪って、自分が展開して、自分が決めたわけではない。

でも、確かに俺が「この得点の起点」になった。


──影から動かす力。


前世で一度も味わえなかった「チームを動かす快感」に、心が震えた。



7. 相手ベンチにいた懐かしい人物の存在(ライバルの伏線)


後半20分、選手交代でピッチを出た俺は、ベンチに座りながら相手ベンチを何気なく見た。


そこに、見覚えのある横顔があった。


(……まさか)


少し長めの前髪、鋭い目つき。

それは、前世でずっとAチームにいた“あいつ”によく似ていた。


「おい、陽翔。アイツ、誰か知ってるのか?」


武田が横から声をかけた。


「……いや、気のせいかも」


でも心の奥では確信していた。

あれは、間違いなく──桐谷瑛人。前世で俺の前に立ちふさがり続けた、天才。


彼はベンチで黙ったまま、こちらを見つめていた。

何を思っているのかはわからない。だが、次は“彼”がピッチに立ってくる。


再会の影が、俺の背中に落ちた。



8. 試合後、仲間たちとの初めての円陣


試合終了の笛が鳴った。

2対1で勝利。


選手たちは歓喜に沸き、ベンチを飛び出して抱き合った。

俺も武田や山本に肩を叩かれ、笑顔がこぼれる。


「お前、ヤバすぎだって!」

「次のキャプテン候補じゃん!」


そんな言葉が飛び交う中、コーチが手を挙げた。


「全員、中央に集まれ!」


円陣を組んだ中で、俺は輪の中にいた。

Bチームだった前世では、何度も外からこの景色を見ていた。

でも今は違う。


「この勝利は全員のものだ!──声出せ、いくぞ!」


「1、2、3──勝つぞー!!」


その声の中、ようやく本当の意味で俺は「仲間」になれた気がした。



9. エンディング(影から中心へという決意)


帰りのバスの中。窓の外を見つめながら、俺は一つだけ思っていた。


(次は──“桐谷”と戦うときだ)


前世では一度も勝てなかった相手。

そして今生でも、再び彼は俺の前に現れようとしている。


でも、今回は違う。


影から始まった俺のサッカー人生。

だが今、確かに中心へと歩き出している。


どれだけの才能がいようと、

どれだけの挫折が待っていようと──


俺はもう、逃げない。


「影の実力者」は、次なる章へと進む。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ