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女神の計らい

掲載日:2022/01/04

女神の計らい


 この世はままならないことばかりだ。

 内装も豪奢な箱馬車に揺られながら、エメラインは胸中の愁いそのままに溜め息を零した。

 見遣る車窓の向こうでは、見慣れた街の眺めが流れていく。蔦を這わせた鉄柵に、茂る木々の合間に見える石造りの屋敷、礼拝堂の尖塔。いつ見ても代わり映えのしないそれらは、エメラインの心をいっそう憂鬱にさせた。

 これほどまでに心が塞ぐ思いをするのは、向かう先に婚約者が待っているからだ。

 エメラインの婚約者は、名をフィリップ・ラムゼイという。黄金色の巻毛に琥珀色の瞳の美丈夫で、二代前の王弟を祖父に持つ傍系王族の次男だ。尊き血の末裔(すえ)だが獣としての二形を持たず、それが故に(、、、、、)エメラインの婚約者として選ばれた。エメラインが生まれてすぐ、十七年前のことだった。

 当時のフィリップは四つを迎えたばかりで、つまりこの婚約に当人たちの意思は一切介在していない。これは王によって命じられた婚姻、絵に描いたような政略結婚だった。

(もっとも――)

 そう苦く胸中で呟きながら、エメラインは唇に軽く歯を立てた。

 フィリップとエメラインの婚約は、普遍的な政略のそれとは大きく異なっている。すべては次代のため、エメラインがいずれ産むだろう子のために整えられたものだった。政略と言うよりも、むしろ馬や動物を掛け合わせるのに近いだろう。

 美しい毛並みや姿形、速く駆ける脚や血筋のために、雄と雌とを選んで番わせる。果たしてエメラインに求められたのは、獅子の子を産むことだった。

 政治的な意図が絡んでいた方が、よほど人道的と言えるだろう。まるで家畜に対する処遇であるが、これが王命によって下されたものだと言うのだからお笑いである。しかも本気で獅子の子を期待しているのだから、愚かすぎてもはや呆れるばかりだ。

 このような経緯で結ばれた婚約に、心を通わすような温かな関係が築けるはずもない。特にフィリップの反発と抵抗は、凄まじいものだった。

 年嵩の分だけ、婚約に絡む事情を理解するのが早かったせいもあるだろう。傍系王族としての矜持もあったかもしれない。かくてエメラインが物心がついた頃には、すでに埋めようのない距離と溝とが出来あがっていた。

 エメラインとて淑女たれと教育を受けた貴族の娘だから、彼女なりに歩み寄ろうとしたこともある。だがフィリップはそれを手ひどく拒絶して、まだ幼かったエメラインに暴言を投げつけたのだ。あの時に感じた心の痛みは、エメラインの深いところに傷を残している。これで婚約者に好意など抱けるはずがない。

 今のフィリップとエメラインとの間にあるのは、冷えきった義務感のみだ。だというのに婚約者の義務として、月に一度は顔をつき合わさなければならないのだから実に馬鹿げた話だ。

 この苦痛でしかない顔合わせはもっぱらお茶会で、他に比べれば関わり合いが少なくて済む、という妥協に妥協を重ねた結果である。招くフィリップの拒絶が目に見えるようだが、招かれるエメラインにとっても気分の良いものではない。さっさと義務を済ませて帰りたい。思うのはそればかりである。

 憂鬱なエメラインの心を置いたまま、馬車はフィリップの生家であるラムゼイ邸のアーチをくぐり抜けた。

 護衛の手を借りて馬車を降り、使用人に案内されて茶会室に向かう。掃き出し窓から覗く庭は絵画のように整えられていたが、気が塞いだエメラインの慰めにはならなかった。

 普段どおりに通された茶会室で腰を落ち着けていると、ややあって扉が乱暴に開かれた。現れたのはフィリップで、彼は足音高く歩いてくると、エメラインの前に一枚の紙を叩きつけた。

「エメライン・ディ・ロリンズ。黙ってこれに署名(サイン)しろ」

 そう居丈高に言われて、エメラインは思わず眉を顰ませた。

 不機嫌はフィリップの常だったが、顔を合わせて挨拶ひとつしないのは初めてのことだ。エメラインの心は不快感でいっぱいになったが、彼女はそれを面には出さずに顔を俯かせた。フィリップが叩きつけた紙面に視線を滑らせる。

「これは……婚約解消の同意書?」

 驚きのあまり記された文字の通りに声を上げると、フィリップが秀麗な顔を歪めて舌打ちを零した。

「見て分かることをいちいち訊くな、愚か者め。これだから汚れた卑しい血は嫌なんだ」

 傍系王族であるフィリップにとって、獅子であることを理由に授爵されたロリンズ家は、貴族の内には入らないらしい。卑しいはそれを指し、汚れたはエメラインの出自を指している。彼のこの口振りに大昔は傷ついたものだが、今は心は凪いだまま、そよとも動くことはない。

 その態度にフィリップが一層苛立ったのが肌身に分かったが、エメラインはそれを無視して紙面を取り上げた。

 傍らに立つフィリップをちらと見上げる。

「……フィリップさま。これはいったいどういうことでしょう。わたくしたちの婚姻は、王によって定められたもの。このような書類ひとつで、どうにかできる事柄ではありませんよ」

 知れずたしなめる口調になったエメラインに、フィリップは嫌悪も露わに吐き捨てる。

「そんなもの、おまえに言われずとも解っている。だからこそ、それが必要なんだ。いいからつべこべ言わずに署名しろ。それとも汚れた卑しい血は己の名も書けんのか?」

「そうせよと命じられれば、わたくしに否やはございません。ですが王命に逆らうことは――」

 致しかねます、と言いかけた時だった。

 荒々しく扉の開く音がして、エメラインはびくりと肩を跳ねさせた。思わず背後を見遣って、そのまま言葉を失ってしまう。

 大きく開いたままの扉の横に、華やかに着飾った女性の姿がある。勝ち気そうな青い瞳が印象的な女性だった。

 日焼けのしていない肌は抜けるように白く、上気した頬が血潮に染まっている。淑女らしく結い上げた銅色の髪に、連なる真珠の飾りが色を添えていた。流行りをなぞらえた形のデイドレス、たっぷりとしたレースを見るに、いずこかの家の令嬢なのだろう。ただ伴のひとりもつけていないのが不思議だった。

 淑女は普通、ひとりで出歩いたりはしない。よほどのことでもない限り、自ら扉を開けることもしないのが当然のマナーだった。だが周囲を見回しても彼女はひとりきりで、つまりさきほどの荒っぽい物音は彼女が立てたということになる。

 驚きだわ、と胸中で呟いたエメラインを他所に、女性は青い瞳を潤ませて言った。

「フィリップさま……!」

 鈴を鳴らすような可憐な声だった。それを聞いてフィリップが弾かれたように振り返る。彼は舞台役者のような身振りで両手を広げると、妙に芝居がかった口調で言った。

「ロザリンデ、俺の愛しき綺羅星よ……!」

 どこかで聞いたことがある言い回しである。エメラインは思わず記憶を探って、内心ではたと手を打った。

 先日観に行った演劇を思い出したのだ。

 さまざまな事情で引き裂かれた恋人たちが、苦難を乗り越え再会するという筋書きだった。物語の山場で舞台俳優はフィリップが言ったのと同じセリフを語り、刺繍の見事なドレスに身を包んだ女優はこう返すのだ。

「ああ、愛しきあなた。夜の孤独に耐えられず、あなたのもとに落ちる私をどうか受け止めてください……!」

 言って駆け寄り、ひしと抱き合う姿を眺めながら、こういうものは舞台の上だから許されるのかもしれない、とエメラインはしみじみと思った。

 目の前で不貞が繰り広げられていることについては、なんだかもうどうでも良いような気がする。そもそもなんの感情もない相手だ。どうぞ好きにやって欲しい。エメラインはお互いの世界に入り込んでいるふたりを置いて、さきほど叩きつけられた紙を取り上げた。

 フィリップの意図はともかく、署名が必要なものであるならきちんと把握しなければならないからだ。

 エメラインは隅々まで目を通して、ひとつ溜め息を落とした。

 フィリップ当人はともかく、これを作成した書士はずいぶんとまともな人物だったらしい。書かれた条件には抜けも穴も無く、どころかエメラインの不利にならない内容になっている。しかも王命に逆らうことに関しては、フィリップの生家であるラムゼイが全責任を負う、とまで書いてある。最大の懸念材料だったそれが解消されるなら、エメラインが婚約解消を拒む理由はない。

 エメラインは二通あった同意書それぞれに、せいせいする気分で署名を入れ、片方はきちんと折りたたんでからドレスの隠しポケットにしまい込んだ。

 供されていた茶をぐいと飲み干し、優雅な所作で立ち上がる。抱き合うふたりの横を通り過ぎて、開いたままだった扉の前で振り返った。

「お取り込みのところ申し訳ありませんが、わたくしはこれで失礼させていただきますね。フィリップさまのおっしゃりたいことは、よく分かりました。さきほどの同意書には、控えも含めて署名はいたしましたので、ご確認をお願いいたします。では、わたくしはこれで」

 つらつらと言ってから、スカートを摘んで膝を折る。そのまま立ち去ろうとしたところで、背後からフィリップの焦った声が響いた。

「ま、待て! 婚約破棄だぞ、分かっているのか?」

「破棄ではなく解消ですが、ええ、十分に理解しております。同意書の控えもいただいておりますし、なんの問題もありません。もうこれでフィリップさまには二度とお会いすることはないでしょうが、どうぞお元気で。――馬車を」

 最後を廊下に控えていた従者に言う。

 お仕着せをまとった青年は、戸惑うようにフィリップを見て、エメラインを見てたが、それでも一礼をすると足早に去って行った。それを見送ってから、今度は室内で呆然と立ち尽くしている使用人に視線を当てる。

 エメラインがラムゼイ邸を訪うときには、必ず側につけられた女性だ。彼女は途方にくれたような顔をしていたが、それでも職務に忠実であることを選んだらしい。側についた彼女にエメラインは軽く頷いて、廊下へと足を踏み出した。

 が、またも背後から声がかかる。

「おい、待てと言っているだろう! おまえ、この私になにか言うことはないのか。無様に捨てられるというのに、すがりつくことすら出来んのか、まったく可愛げのない」

 そう吐き捨てるように言う。フィリップにしがみついている女性が、焦ったような声でそれに追従する。

「そうよ、なんて哀れなのかしら。愛し合う私たちの邪魔をずっとしておいて、少しも悪いと思っていないんでしょうね。フィリップさまの言うとおり、本当に可愛くない方だわ。取り澄まして感情も見せないなんて、気味が悪いったらないわ」

 淑女の成りをしているくせに、まるで幼子のような物言いをする。

 エメラインは驚きに軽く目を瞠ったが、彼女には言葉を返さず、フィリップに視線を向けた。首を傾けて言う。

「フィリップさまがわたくしとの婚約を厭うていたのと同様に、わたくしもフィリップさまとの婚約を疎んじておりました。婚約が円満に解消されるなら、これ以上のことはありません。それなのになぜ、わたくしがすがりつかなければならないのでしょうか」

「この……生意気な女め!」

 フィリップが激高する意味がさっぱり分からない。お互いに望みが叶ったというのに、いったいなにが不満なのだろうか。

 エメラインは疑問を問いかけてみようとしたが、すぐに思い返して口を閉ざした。

 もう関係のない相手だ。これ以上は話をする必要もないだろう。それよりもすべき重要なことがある。エメラインは視線で使用人を促して、ラムゼイ邸を後にすべく優雅に足を進めた。

 背後でなにごとかを叫ぶ声が聞こえたが、エメラインは二度と振り返ることはなかった。

 かくしてロリンズ邸に帰り着いたエメラインが真っ先にしたのは、フィリップとエメラインの署名が入った同意書を安全な場所にやることだった。そうするには信用の出来る誰かに預けるのが一番なのだが、箱入り娘のエメラインでは相手が限られてしまう。

 養父か母かで迷って、母に預けることを決めた。安全というなら剣を持ち身を守る術のある母が最良であるし、それに少しだが時間を稼ぐ(、、、、、)ことも出来る。エメラインは同意書を封筒に入れると、母の勤務先に送るよう使用人に言いつけた。

 そして彼女が次に取り掛かったのは、荷造りだった。

 両手に抱えられる大きさのトランクに、シンプルなワンピースと替えの下着を何枚か。ブラシにタオルと、そして銀貨を一枚。貴族の子女が修道院入りするのに、これが必要な最低限だった。

 荷をまとめる手に迷いがないのは、以前からずっと考えていたことだったからだ。

 もし一時でも自由の身になれたなら、女神の信徒となり修道院に入る。そう心に決めていた。課せられた役目から逃れるには、そうするより他に手段がなかったのだ。

 フィリップとの婚約が解消されたとして、すぐに次が充てがわれるだろうことは分かりきっている。そして充てがわれるその次が、良い条件の相手の筈がないということも。

 そもそもエメラインの婚姻には、王命によって厳しい条件がつけられている。傍系王族かそれに準じる家格で、二形を持たない未婚男性――だが、そんな相手など存在しないに等しい。フィリップを除けば七十を超えたひとりと、十に満たない数人がいるだけだった。

(いずこかの後妻になるならまだしも、このままでは婚姻すら許されず、妾の身に落とされる可能性だってある。王に命じられれば避けようのないことなのも分かっている。でもわたくしは子を産むためだけに生まれたのではないわ……!)

 胸に沸き立つ苛立ちそのままに、叩きつけるようにトランクを閉じた。そしてスカートの膨らむデイドレスを脱ぎ捨てて、隠しておいた侍女のお仕着せに身を包む。結い上げていた髪も下ろして、ひとつに纏めてメイドキャップに押し込めば、鏡に映った姿は平凡な使用人のそれだった。

 便箋に短く書き置きだけしてから、中庭に続く掃き出し窓から外に出る。夕食の支度に忙しくする時間帯だったのも功を奏したのだろう。誰にも見つからずに庭を抜け、通用門から出るのは思っていたよりも容易いことだった。

 ひとりきりで屋敷の外に出るなんて、生まれて初めてのことだ。普通に考えれば不安に足が竦んでもおかしくなかったが、それよりも今は焦燥感が上回っていた。

 トランクをしっかりと抱えて、足早に大通りを進む。

 王都に女神を祀る礼拝堂はいくつかあるが、修道院が併設されているのは一箇所だけだ。商業区との境目にあって、馬車を使えばロリンズ邸から四半刻ほどの距離だ。徒歩ならその倍、体力のないエメラインの足でも、日が落ちる前までには辿り着けるだろう。

(決して無理はしないこと、大通りからは外れないこと、あとは視線を不自然に動かさないこと)

 以前に使用人から教わった、街歩きのコツを頭の中で唱えて歩き出す。何度か休憩を挟みながら黙々と道を進んで、礼拝堂に辿り着いたのは日が暮れるよりずっと早い刻限だった。

 大きく開かれた扉を前にして、エメラインは声にならない感嘆の溜め息を零した。

 成し遂げたことの喜びで胸がいっぱいだった。疲れ果ててくたくたで、歩き続けた脚は棒のようだったが、それらはまるで気にならなかった。

 敷かれた白い砂礫に導かれるように、礼拝堂に足を踏み入れる。蝋燭が灯されただけの堂内は薄暗く、天井から吊るされた香炉から芳しい香気が煙となってたなびいている。エメラインはトランクを持つ手に力を込めると、深く息を吸い込んだ。

 礼拝堂をゆっくりと見渡してみる。夕刻に近い半端な時間だからだろう。堂内には熱心に祈る数人がいるのみで、聖職者らしき姿は見当たらない。奥に扉があるのが見えたが、許可もなく立ち入るのはさすがに憚られた。

(どうしたら良いのかしら。わたくしが屋敷を出たことは、きっともう明らかになっているはず。探しに来る誰かに見つかってしまう前に、女神の庇護をいただきたいのに……)

 いっそ修道院へ直接出向いてしまおうか。そう思って足を翻した時だった。礼拝堂の入り口に、人影があるのに気がついた。

 白の祭服に身を包んだ、とても背の高い男性だった。

 肩に掛けている濃紺のストールは、その男性が高位の聖職者であることを示している。女性聖職者でなかったことに気後れを感じたが、ここで立ち止まるわけにはいかなかった。エメラインは重い足を動かして、思い切って声をかけた。

「あの、少しよろしいでしょうか。お忙しいところ大変申し訳ありませんが、お時間をいただきたいのです」

「ええ、もちろん。どうかなさいましたか?」

 穏やかに微笑む顔に、ほっとする。とても優しそうな方だ。それに黒髪と緑の瞳が、小姓に出ている妹を思い起こさせる。

 そのことでエメラインはすっかり警戒を解いて、微笑みながらひと息に言った。

「わたくし、修道院に入りたいのです。誓願を行いたいのですけれど、恥ずかしながら不勉強のため作法を存じません。どのようにすれば良いのか、どうかご教授くださいませ」

 聖職者の男性は、驚いたふうに目を丸くする。彼はエメラインの顔を見て、抱えるトランクに視線を落としてから、ゆっくりと静かに息を吐いた。

 周囲をはばかるように、少し抑えた声で言う。

「……どうやら、なにかご事情がおありのようですね。救いを求め庇護を望む方を、女神が拒むことはありません。ですが神の道に入るその前に、詳しくお話を聞かせてください」

 どうぞあちらへ、と言って聖堂の奥にある扉を手で指し示す。聖職者の男性が先を行くのを、エメラインは小走りに追いかけた。

 通されたのは、食堂らしい大きな部屋だった。縦長の部屋にテーブルと椅子が並び、奥には女神の像を祀る祭壇がある。大窓から射し込む日に照らされて、床に長い影が伸びていた。

 エメラインをテーブルの一角に案内してから、男性はおっとりと頷いた。

「お茶をお持ちしましょう。少々お待ちを」

 そう言い置いて部屋を出ていってしまう。

 ひとり残されたエメラインは、落ち着かない気分で周囲を見回した。

 室内はしんと静まり返っている。廊下に続く扉は大きく開かれたまま、だが通りかかる人の姿もない。置き去りにされたようで心細さを感じ始めたころ、ようやく聖職者の男性が戻ってきた。

 見上げるほどの長身の男性が、片手にポットと木のカップを持つさまは、なんだか心を和ませるものがある。思わず微笑むと、聖職者の男性もにっこりと笑みを返してくれた。

 彼は慣れた手付きでお茶を注ぐと、カップの片方をエメラインに差し出してくれる。淹れてくれたのはどうやら薬草茶らしく、口をつけると若葉のような芳しさが鼻を通り抜けていった。

「……とても美味しいです。おもてなしをありがとうございます」

「修道女たちが摘み、干して作った薬草茶です。お口に合ったようで良かった」

 優しげな声で言ってから、聖職者の男性はエメラインの斜向いに腰を下ろした。

 長身を屈めるようにして、軽く頭を下げる。

「私は祭祀にまつわる物ごとを管理する神官で、修道院を管理する者ではありません。ですが、私があの場に居合わせたのも、おそらく女神のお導きでしょう。……お名前をお伺いしても?」

 そう問いかけられて、エメラインは抱えていたトランクを下ろして居住まいを正した。

「わたくし、エメラインと申します。あの……家名も名乗らなければならないのでしょうか……?」

「口に出すのが憚られるのでしたら、その必要はありませんよ。――それでは、エメラインどの。あなたのような方が、なぜ修道院入りを志したのかお聞かせください」

 そう促されて、エメラインはこくりと喉を鳴らした。

 エメラインの抱えるものごとを、ありのままに語るのは簡単だ。だがすべてを詳らかにしてしまえば身分も明らかになり、そうすると修道院入りを引き止められる恐れがある。それでエメラインは大まかな事情だけを口にした。

 長年結んでいた婚約を解消したこと、すぐに次が充てがわれるだろうこと、そして新たな婚約者が望ましい相手ではないこと。子を産む義務については口を噤んだが、それでも神官は不快そうに眉を顰ませた。

「政略による婚姻がそういうものであるとは言え、あなたのそれはあまりにむごいように思います。……これを訊いては良くないのかもしれませんが、ご両親の協力を得ることはできないのですか?」

「それは……事情があって、両親も逆らうことができないのです。なにより家族に迷惑をかけるわけにはまいりません」

「……逆らうことができない?」

 驚いたふうに言って、神官は眉根を寄せる。なにかを考えるような間の後で、彼は小さく息を吐いた。

「そのような事情であるなら、女神の庇護を求めて当然でしょう。ただ……誓願を行い修道院に入れば、あなたは俗世から絶ち切られることになります。それが信仰に拠るものであるなら、私も引き止めようとは考えもしませんでした。ですがあなたは違う。なによりあなたはまだお若く、身を案じる家族もいらっしゃる。本当に、修道院に入るより他に手はないのですか?」

 そう真摯に告げられて、エメラインは胸の奥が温かいもので満たされるのを感じていた。

 礼儀も作法も無視して飛び込んできた小娘に対して、こんなにも心を砕いてくれるなんて、なんて優しくて素晴らしい方なのだろう。

 エメラインはこみ上げるものに目を潤ませて、それでも淑女らしい微笑みを浮かべてみせた。

「他に手があれば、わたくしもそうしていたでしょう。神官さまのご懸念なさるとおり、家族と離れなければならないことを思うと、それだけで胸が張り裂けそうになります」

「でしたら――」

 エメラインはゆらりと首を振る。

「だとしても、これはどうにもならないことなのです。……ここまで心配りしてくださる神官さまに、黙ったままでは失礼になるでしょうから、改めて名乗らせてください。わたくし、家名をロリンズと申します」

 神官は緑の瞳を驚きに丸くした。エメラインの抱える事情の一切を理解したのだろう。神官は痛ましげな目でエメラインを見て言った。

「ご家族は逆らえない、とあなたが仰った意味がよく分かりました。王命に背くことは、たしかに許されないことでしょう。……とても忌々しいことに」

 口調こそ穏和なものだったが、声の響きに苦いものがふくまれている。エメラインは思わず目を瞠り、それに気づいた神官がきまり悪そうに微苦笑を浮かべた。

「――ああ、申し訳ありません。身内の恥を目の当たりにして、苛立ちを覚えずにはいられなかったのです」

「お身内、ですか?」

 唖然として問うエメラインに、神官は居住まいをさらりと正して言った。

「大変申し遅れました、私は名をアレクシス・ノア・ブラッドローといいます。曾祖母が先々王の姉、現国王は私の従兄弟叔父にあたります。俗世を離れておりますので深い付き合いはありませんが、身内と称しても不敬にはならないでしょう」

 アレクシス、と名乗った彼をまじまじと見つめてしまう。

 折りに触れた行事や社交の場で、エメラインは何度か国王に拝謁したことがある。鳶色の髪に琥珀色の瞳をした、生真面目そうな印象の方だった。王族らしく整った顔立ちで、無益な争いを厭うと聞いたことがある。 

 そのような穏やかな性質は、なるほど聖職者であるアレクシスと通じるところがあるのかもしれない。一方で国王のはとこであるフィリップとは、まるで似ても似つかなかった。

 そこまで思いを巡らせて、エメラインはふと首を傾けた。

 国王が従兄弟叔父であるなら、エメラインの元婚約者であるフィリップとも彼は親族ということになる。そう思って良く見てみれば、目元の涼やかな印象は、フィリップに似ていないこともない、ような気もする。

 驚きのまま顔を眺めていると、アレクシスが居心地悪そうに身じろいだ。

「なにを考えていらっしゃるか、なんとなく予想がつきますが……そのように見られると、少し面映いですね」

「た、大変失礼いたしました。わたくしの元婚約者、フィリップさまと似ているところを見てしまって、つい」

 弾かれたように身を引いて、エメラインは赤くなった顔を俯かせる。

 彼女は淑女らしからぬ己の振る舞いを恥じたが、アレクシスは言葉ほど気にしている訳ではなさそうだった。ただ苦さの混じった声で言った。

「――フィリップ・ラムゼイ、彼も私の従兄弟叔父です。あまり良い評判を聞きませんでしたが、ここまでの考えなしだったとはつくづく情けない。あれは本来、私同様に女神の庇護に入るはずだった者なのです。婚約でその義務から逃れたと言うのに、あなたを蔑ろにするとは愚かにもほどがある」

「義務? あの……それは、いったいどういうことなのでしょう」

 エメラインは戸惑った声を上げる。

 フィリップに聖職者となる義務があったなんて、初めて耳にする話だ。ましてやエメラインとの婚約で、それから逃れたなど驚くばかりである。

 フィリップはこのことを知っていたのだろうか。

 エメラインが抱いた疑問に答えるように、アレクシスは淡々とした声で告げる。

「私の生家であるブラッドロー家やラムゼイ家、王家に連なる一部の家では、獣としての姿をなによりも重視しています。二形を持たぬ者は家督を継ぐことはおろか、家に属することすら許されません。獣の姿は女神からの賜わりもの。それを持たぬということは、すなわち女神に見放されたと同義なのです。だから我々のように二形を持たない者は、物心つくと間もなく女神に捧げられるのですよ」

「なんて、むごいことを……」

「生き延びる場所があるだけ温情でしょう。それに世俗の些事に煩わされずに済むのは、そう悪いことではありませんよ。あなたが背負わされたものに比べれば、ずいぶんと気楽なものです」

 気遣うつもりが却って慰められて、エメラインは恥じ入るばかりだった。

 くだらない理由で追いやられ、それでも穏やかでいるアレクシスを見ていると、逃げることのみを考えていた、己の小ささが恥ずかしく思えてならなかった。

 他に手はないのか、と問うたアレクシスの声が、耳の奥で重たげに響いている。エメラインは思考を巡らせながら、慎重な口振りで問いかけた。

「……神官さまは、アレクシスさまは戻りたいとはお思いにならなかったのですか?」

「それはもちろん。修道院に入って間もなくは、帰ることばかり考えていましたよ。家や母を懐かしんで、山猫のように癇癪を起こしたものです。ですが母を亡くし(よすが)を失ってからは、そういうものと受け入れるようになりました。……あなたに思いとどまって欲しいと思うのは、私に残る未練のようなものがそうさせるのかもしれません」

 未練、とエメラインは噛みしめるように呟く。

 エメラインは祈るように手を組んで、アレクシスをじっと見つめた。

「不躾を承知でお訊ねします。未練とおっしゃるなら、もしや還俗を考えたことがおありではありませんか?」

 はっと息を呑んだアレクシスは、だがひとつ呼吸の間に動揺を押し隠してしまった。彼は穏やかに、困ったように微笑んでみせた。

「還俗するのに必要なものがなにか、エメラインどのはご存知ですか?」

「……いいえ」

 少し考えてから首を振る。するとアレクシスは浮かべていた笑みに苦いものを滲ませた。

「必要なのは俗世に戻ろうとする本人の意思、それと……少なくない額の寄付金です」

「お金が要るのですか?」

 驚いて聞き返したエメラインに、アレクシスはこくりと頷く。

「我々のような者は、特に。なにせ聖職者は金銭を稼ぐことを禁じられていますからね。つまり俗世にいる誰かが手を差し伸べない限り、私たちはここを出ることが出来ないのです。要は出てこられては困る者を、女神の御許に押し込めておくための方策ですよ」

「では……もし、それを支払う誰かがいたら、アレクシスさまは還俗なさいますか?」

「そのような奇特な方がいるとは思えませんが、そうですね。その時は喜んで申し出を受け入れることでしょう」

 冗談めかした言い方だったが、答える声には焦がれるような熱が篭もっていた。

 このことだけでも、彼の中に鬱屈したものがあるのだということが良く分かる。おそらくこれは――とエメラインはアレクシスをじっと見つめた。

 婚約を解消した当日、逃げ込んだ礼拝堂で最初に出会ったのが彼だったことには、間違いなく意味があるはずだ。もしこれがただの聖職者であれば、エメラインは修道院に放り込まれて、それですべてのことは済んでしまっただろう。だがアレクシスはエメラインの短慮を諌め、修道院入りを引き止めようと言葉を尽くしてくれた。

 思慮深く、気遣いも出来る素晴らしい方だ。聖職者らしい穏やかな気質に、端正な見目も好ましい。そんな人物が国王の従甥(じゅうせい)で、二形を持たず、しかも還俗を望んでいる。

 エメラインの婚姻相手として、ここまで条件に合致した人物は、どれだけ探しても他に見つからないだろう。

 エメラインより十は年嵩だろうが、七十を超えた相手に嫁ぐことを思えば、この程度の差は問題にもならない。これを女神のお導きと言わずして何と言うのだろう。エメラインは身を乗り出して言った。

「でしたらその寄付金、わたくしがお支払いいたします。――ああ、お金のことでしたらご心配なく。婚約を解消する条件のひとつととして、ラムゼイ家より少なくない慰謝料をいただくことになっておりますから。ですから気にせず、どうぞ還俗なさってください」

 その代わり、と言ってエメラインは眼差しに力を込める。

「わたくしと婚約を結んでくださいませ」

「……は」

 思わず、といったふうに声を漏らしたアレクシスに、エメラインは言葉を重ねる。

「否と仰る前に、どうかご検討いただけませんか。これは良い取り引きのはずです。わたくしは七十過ぎの男性に嫁がずに済み、あなたは俗世に戻ることができる。婚姻という重しはありますが、逆に言えば背負わねばならないのはこの一点のみです。もちろん義務として子を成さなければなりませんから、わたくしが生理的に受け付けない、というのであれば遠慮なくそう仰ってください。その場合は潔く諦めます」

 きっぱり力を込めて言う。

 貴族らしく整った容姿のエメラインだが、誰もが振り返るような美女というわけではない。茶褐色の髪も榛色の瞳も、ごくありふれた色彩だ。

 厳しく叩き込まれた振る舞いは誇りであり自慢であるが、それ以外は取り立てて特徴らしい特徴もない。元婚約者には愛を囁かれたことなどなかったし、そういう対象として見られたことすら一度もなかった。思えばフィリップが愛を捧げていたのは、ずいぶんと美しい方だった。

 つまりエメラインは彼の好みではなかった、ということなのだろう。

 いち女性としてはやりきれないものがあるが、こればかりは仕方がない。だからたとえアレクシスに断られたとしても、エメラインはそれを責めるつもりは微塵もなかった。

 エメラインなりの覚悟を決めた申し出に、だがアレクシスは唖然とした表情を浮かべた後で、素早く顔を俯かせた。

 ごふ、と咳払いを失敗したような音がする。見ればアレクシスは肩を揺らしていて、苦しそうに笑いの発作と戦っている。深呼吸を繰り返していた彼は、面を上げると笑みの気配を残した顔で言った。

「……あなたは、とても面白く興味深い方だ。楚々とした深窓のご令嬢にしか見えないのに、その心根の有り様は驚くほど猛々しい。奔馬のようなあなたを見ていると、手放してしまったフィリップの気持ちが良く分かる。容易く御すことが出来ないことを察して、怖気づいたのでしょう」

 ですが、と言ってアレクシスは祭服の裾を捌き、その長躯を感じさせない軽やかな動作で立ち上がった。エメラインの前に跪き、胸元に手を当てて言った。

「あなたのその力強さが、平穏に厭いていた私にはとても好ましい。私の身があなたの役に立てると言うのであれば、ぜひにとも女神の庇護より連れ去っていただきたい」

 そう言ったアレクシスに熱のこもった眼差しを向けられて、エメラインは目を瞬かせた。

「つまり……わたくしの申し出をお受けいただける、と?」

「ええ、もちろん喜んで」

 間髪を挟まずに返して、アレクシスはにっこりと微笑む。

「私の還俗に関する手続きは、すべてこちらにおまかせください。ただ私の生家、ブラッドロー家に一報をいただけると助かります。――ああ、そうだ。そんなことよりも、まずあなたの家に連絡を入れなくては。家出同然にここへ来られたのですから、ご家族の方々はさぞ心配なさっていることでしょう」

 立て板に水のごとくの勢いに押されるまま、エメラインは頷く。とは言え、連絡が必要なのは確かだった。

 豪気で適当なところのある母はともかく、養父は真っ当な考え方の持ち主だ。エメラインの不在に気づいて、相当慌てているに違いない。

 騎士を差し向けられる前に急がなければ、と立ち上がろうとしたエメラインに、大きな手が差し出された。慣れたふうのエスコートに戸惑いを覚えたが、それでもエメラインはありがたく手を借りた。歩き通しだった足が痛んだからだ。

 立ち上がり頭ひとつ分は高いところにある顔を見上げて、エメラインは首を傾けた。

「大変申し訳ないのですけれど、使者の手をお借りすることは出来ますか? 家族への連絡は、わたくしがした方が良いでしょうから」

 ゆったりと歩き出したアレクシスが、もちろん、とにこやかに頷く。

「私から出す報せに添える、という形でよろしければ。面倒に思えるかもしれませんが、どうか形式だけは整えさせてください。ロリンズの方々とは遠からず親族になるのですから、少しでも心証を良くしておいた方がいいでしょう」

 アレクシスを見て幾度か思ったことだが、どうにも彼は聖職者らしくない気の回し方をする。

 このことだけでも、彼の本質が女神の意に沿うものではないのが良く分かった。そして彼のそれと似たものが、自身の中にあることをエメラインは理解していた。

 穏和で無害そうな成りをして、彼は意外と腹の中が黒いのかもしれない。もっともそれはエメラインの好むところであったので、彼女はアレクシスを見上げてくすくすと微笑いをこぼした。

「あなたを修道院に押し込めていたブラッドロー家の方々は、とても見る目がなかったのですね。アレクシスさまほど、その祭服が窮屈そうな方もいらっしゃいませんのに」

 エメラインが言外に含めたものに気づいたのだろう。アレクシスは軽く眉を上げてから、ちらと苦笑を浮かべてみせた。

「むしろ慧眼だったのかもしれませんよ。修道院に放り込まれていなければ、今日ここであなたに出会うことはなかったのですから。……女神の御許から離れることで、その御業を知ると言うのはなんとも皮肉な話ですね」

「なるほど……。では、わたくしがフィリップさまに振り回されたのも、必然だったということなのでしょうか」

 そう考えると彼の愚行も許せそうな気も――いや、やはり過去のあれこれは思い出すだに腹立たしい。

 エメラインは思わず眉間に皺を寄せて、するとそれを見ていたアレクシスが、実に聖職者らしい口調で言った。

「慈悲深き女神とは言え、あれの不始末まで責任を負わされては気の毒です。あるべきものはあるべきところへ。フィリップはいずれ己のしたことの、つけを払うことになるでしょう」

 エメラインとの婚約を解消したフィリップを、ラムゼイ家が放置したままにするとは思えない。

 そも婚約解消の同意書を作成したのはラムゼイの書士だ。にもかかわらずエメラインに有利な条件が連ねられていた辺り、恐らくあれは詫びも兼ねていたのだろう。

 フィリップの行く末を思うと哀れだが、エメラインにはどうすることも出来ないし、なにかをするような義理もない。むしろこれを機に、彼に関する嫌な過去などすっぱりと忘れてしまうべきだ。

 エメラインはそう心に決めて、傍らのアレクシスに向かって言った。

「では、わたくしは全力で幸せになることにいたします。そうすれば少しは胸もすきますし、いつかは彼の愚かさを許せるかもしれませんから」

 掛け値なしで言い放った本音に、隣でアレクシスが小さく笑いをこぼした。

「なるほど。それでしたら私も励まねばなりませんね。聞くところによると、夫婦円満の秘訣は互いを気遣い、協力し合うことだそうですから」

「まあ、なんて素晴らしい考え方なのでしょう」

 はしゃいだ声を上げたエメラインに、アレクシスが表情を和ませる。浮かれても見咎められないことにひっそり安堵しながら、エメラインはにっこりと微笑んだ。

「アレクシスさま。なんだかわたくしたち、とても良い夫婦になれそうな気がしませんか?」

「おや、奇遇ですね。私もそう思っていたところです」

 馬が合う、とはこういうことを言うのかもしれない。笑みを交わし合える幸運に、エメラインは女神へ心からの感謝を捧げた。


 それから間もなくして、エメラインたちの婚約は滞りなく結ばれることになる。還俗したアレクシスと入れ替わるようにして、元婚約者のフィリップが修道院入りしたと噂に聞いたが、エメラインの心にはさざなみひとつ起こらなかった。

作中に存在だけ出ていた妹の話を「なりゆきと嘘と運命の番」というタイトルで別途掲載しています。

もしご興味あればそちらもご覧いただけると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 罪と罰のバランスが良くていい話でした。 いざ話が決まった時のフィリップの反応が知りたかった笑 あとネーミングが素晴らしいです。他の作を拝見しても感じることですがちゃんと貴族は貴族らしく、…
[良い点] 面白かったです! まさに女神の計らいですね。 アレクシスのちょっと腹黒な所も含めて、上手くやっていけそう!と思いました。 アレクシスのセリフに夫婦円満の秘訣は気遣いと協力とありますが、ま…
[気になる点] 主人公の父って養父なんですか? ……ライオンだから、実父なにかやらかして追い出されちゃった? などと、話の外の事でヤキモキしてしまいました。 [一言] うまいこと収まって良かった。 獣…
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