表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

2 病弱魔王とトラウマ

「く、訓練所…かあ…」


「さあ行くぞ!アイラは私の力はあれほどまでに使いこなせていた。だから、アイラならできるよ」


「………わかったよ」


「ありがとう」


というか、実家に訓練所があるのか…

ライが頑張り屋なのか、親がすごい教育をしてるのか。


手を引かれて走っていくと。

すぐそこに庭のように広い所があった。

そこには、色々な仕掛けがあり、アスレチックみたいだった。


「これが…訓練所?」


「ああ。まずはここで魔法を教えよう。ステータス。と心の中で唱えてみてくれ」


ステータス…


アイラ・ライン

Lv:3

魔族

攻撃力:50

防御力:50

魔法攻撃力:50

魔法防御力:50

敏捷性:50

精神力:50

スキル

軟性 魔帝


軟性 0スキル

体を自由に動かせる。

物覚えが良くなる。

力を自由に操る。

魔帝 0スキル

魔力量の増加。

魔法の威力、範囲の増加

消費魔力量の低下


「うーん…よく分からん…0スキルってなに?」


「なんだそれ…私にもよく分からない」


「そうなの………」


「たぶん、めっちゃすごいスキルのことだと思う」


「雑だね」


「まあ、実際効果がすごいからね…とりあえず、全属性の魔法を教えよう」


「ひ、ひえ〜〜」


………………


「はいそこでドーン!」


「あ、アイスアロー!!」


一瞬で5つの氷の槍が空中に現れ、魔王に向かって飛ぶ


「応用化は?!」


「アイスファイヤーソード!!」


手が凍り、その氷に火が灯る。

手自体が剣になっている感じだと言えばわかりやすいかな?


「よし。合格点だ!流石アイラ。」


「…あっ、ありがとうございます」


顔を赤らめながらそう言った。


「明日は剣術の特訓だ」


「わーうれしいなー」


とても喜んでるとは思えない声で、そう言った。


「というか今は何時なの?」


「今は…そうだな、昼じゃないか?」


「えーなんでそんな雑…」


「魔界はな。時間によって空の色が変わるんだよ。朝が薄紫、昼は藍色、夜が黒みたいな感じだ」


上を見上げると、深い青…藍色が広がっていた。

綺麗だな…


「へー…便利なもんだね」


いや、時計がないから不便か…?

しかし時間が分からないよりマシか…


「とにかく、ご飯を食べに行こうか?」


「うん」


僕達は部屋に戻ってご飯を食べた。


…………………………


そして、それから1ヶ月ほど、ずっと食べて訓練して寝る生活を繰り返した。

それ以外の時間はライと話をしたり、勇者を撃退したりしていた。


そして、1ヶ月後の訓練日。


「斬焼!」


「黒焼波動!」


僕の攻撃は、ライに相殺される。

だけど、一瞬の隙を逃さずライへ近寄る。


「ヘッ!風斬!」


ライの後ろに、無数の骨をもを切り裂く風がこちらへ向かってくる。


「風斬!!」


僕も風斬で相殺する。

そして、直ぐにライの後ろに回り込んだ。そして


「アイスランス」


手で空を突くと、残像のように氷の槍が現れる。


「………太刀打ち出来ない…本当に、勝てない」


ライは少し悲しそうにそう言った


「全力じゃないんでしょ?」


僕はそう言って笑ってやった。


「1ヶ月でここまで成長するとは思わなかったよ。尊敬するよ」


「うるさい」


そういえば、ステータスはどうなったんだろうか。


アイラ・ライン

Lv:65

魔族

攻撃力:1200

防御力:1200

魔法攻撃力:1200

魔法防御力:1200

敏捷性:1200

精神力:1200

スキル

軟性 魔帝 超補正 短距離間移動


超補正 レジェンドスキル

どんな武器でも容易に達人レベルまで使いこなせる様になる。

短距離間移動 レジェンドスキル

自身から半径50mの間を一瞬で移動する。


「おお、凄いな!」


真後ろからライに見られた。


「レジェンドスキルって?」


「とんでもなく凄いスキルって事だね」


相変わらず説明が雑だな。


「………ねえ」


「な、に………?」


急にライが僕を抱きしめた。


「…ど、どうしたの?!」


僕はライのことが本気で心配になり、抱き返した。


「これを、受け取って…」


急に、声が聞こえた。


(Xクラススキル 魔王眼、天脳を入手しました)


魔王眼 Xクラススキル

放出された魔力を消滅させる。

天脳 Xクラススキル

知りたい情報を教える。


さっきの声も天脳がか…


「どうしたの?!」


「ごめんね…………」


(大魔王ライ・メルゲーンから魔力を吸収。種族を魔王に進化させます)


「は?!は?!?!」


僕はライを抱き抱えて、実家に入った。


「お父さん!お母さん!!」


ライの両親は直ぐに降りてきた。


「ど、どうした!」


「ライがっ!」


涙を浮かべて叫ぶ僕を見て、ライの両親は慌て始めた。


「ライフオール!」


慌てて何も出来ない僕の前で、お母さんが回復魔法をかける。

しかし、ライは相変わらず起きない。


………………



その後、何が起きたのかは覚えていない。

彼女の両親に、聞くと、僕は半日間ずっと玄関で崩れていたらしい。


「ライは…」


「大丈夫。まだ息はある…大丈夫だよ」


ご両親は僕の頭を撫でて、必死に慰めてくれた。


「彼女は昔から病弱で…でも、それでも彼女は強かったんだ……」


「僕は…彼女と出会ってからそれほど経ってない……でも、大事な友達だったんだ…………」


「ライが君のことを良く話していたんだ…」


………もうこれ以上言葉が出ない。

何も話したくない…


………認めたくない。


「ここを、あなたの家の様に思いなさい」


「…………えっ」


「その風格…ライから魔王を受け継いだのでしょう?なら、ここはもうあなたの家同然よ」


「……ありがとう…………ございます」


………何も考えられずに、その後、2日間ずっと寝ていた。

2日経ってやっと気持ちの整理がついた訳じゃない。


しかし、僕は無理に体を起こし、無理に訓練を再開した。


2日も経つと、ライもようやく目を覚ましたようで、僕が一通りの訓練を終わらせて向かうと普通に動いていた?


「…よかった……………」


「ちょ、いきなり泣き出さないでよ」


「よかったよ……よかったよー!!」


ライは僕を抱き抱え、落ち着くまで撫でてくれた

昼ごはんは久々に4人揃って食べられた。

と言っても2、3日ぶりなだけだけど…


「……ほんとに良かった」


みんなで黙々と食べている時、ライの母がそう呟いた。


「ほんとそうですね…」


「いや、それもそうだけど……ライが倒れてから、アイラちゃんもずっと何も食べずに部屋にこもってるもんだから…」


「ああ、心配をかけてごめんなさい…」


「全く、アイラはそんなにやわな奴だったのか?」


「それだけお前が大切なんだよ」


「へっ……」


ちらっとライの顔を見ると真っ赤だった。

やっぱり可愛いなあ…


「何顔真っ赤にしてるんだ?」


僕は気にせず黙々と食べてたが、ご両親がライをいじってるのが分かった。


「そういう所がいちいち可愛いんだよなあ」


「はっ、あ、アイラまで?!」


「とりあえず、僕はちょっと外に行ってくるよ」


僕はふと気になる事があって、外に出た。

一応、家の中に向かって声をかけた。


「すぐ帰ってきますよ」


そう言って、短距離間移動スキルを乱用して、すぐ目的地まで着いた。

目的地は、魔王城。

今は僕が魔王だから、色々知っておかないといけない。


「………魔王…様?ライ様は…………」


魔王城の門に、門番と思われる魔族がいた。

さっきも言われたが、1目見るだけで僕が魔王になった事が分かるのか…


「…混乱しているのはもちろん分かる。ライは大丈夫だ。」


「よかった…それで、魔王様はなんの御用で?」


「なんとなく気になって。それに、色々伝えたかったし」


「……アイラ様はお優しいのですね。私は、部下たちに知らせてきます」


…てっきり、門番だと思ってたけど、秘書的な人なのかもね。


「…帰って特訓するか〜」


僕はそう呟いて、再び短距離間移動スキルの乱用で帰った。

そして庭に出て、魔法の訓練を始めた。


「瞬間冷凍!」


僕が手を横に振ると、空中に氷の球が現れ、物凄い勢いで前進する。

障害物にぶつかった玉は、そこから半径10m程度の範囲を凍らせていた


魔力を1点に込めると、凍らせる効果が高まる。

魔力を広範囲に込めると、広範囲が凍る。


うーん…両立させるのはやっぱり難しいか…


「ファイヤーソード!」


目の前に炎の剣が生成される。

僕が握った瞬間、炎は10倍に燃え上がった。


「…また……ダメか」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ