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言い過ぎた件


 やっちゃった……。

 どうしよう……。

 領主家に喧嘩を売ってしまった。

 町を移るか? ガキんちょどもを連れて?

 金を使った後だからなーくっそ。


 病院じゃなくて治療院って所から出た瞬間、両腕に嫁と妹が抱き着いてくる。



「エリナは大丈夫だったんだよな?」


「うん! 魔力が無くなっただけで傷一つないよ! お兄ちゃんが守ってくれたんだよ!」


「そか。良かったよ、あのゴミクズが無傷でエリナが怪我してたら本末転倒だったからな。あとごめんなエリナ、クレア」


「なんで?」


「どうしたんです兄さま?」


「え、だって領主家に喧嘩売っちゃったし」


「あれは、支援なんか今後もいらないぞー! おれたちだけでやっていくからなー! 納税はしっかりするからじゃまはするなよー! っていう宣言じゃないの?」


「ですよね姉さま。兄さまかっこよかったですよ」


「うーん、マイルドに言えば確かにそんな感じだが。あと結婚指輪を無くしたのがな、エリナごめんな」


「お兄ちゃんが助かっただけで十分だよ! それにあの指輪で増幅したからギリギリ倒せたのかもしれないし、今度は私がお兄ちゃんへ魔法石の指輪をプレゼントするからね!」


「まああれは俺が買った奴だし、あれのお陰で命を拾ったと思えば安いもんか。金貨一枚以上したけど」


「えっ、そんなにするの? お兄ちゃん」


「あー、内緒にしておこうと思ったんだが、エリナの方が高いんだぞ。エメラルドの魔法石だしな」


「お兄ちゃんありがとう……。あの頃にこれを買うのって大変だったんじゃない?」


「割とな。でも万が一の事があった時に少しでもエリナの力になる為なら安いもんだ。今回はそれが俺になったけど」


「お兄ちゃん、この指輪大事にするね!」


「ああ。でもいざという時は惜しむなよ。っとそういやクレア、なんかどさくさに紛れてキスしてきたけどさ」


「姉さまがしてたのでつい。あと兄さまが死んじゃうかもと不安になったら体が動いてました」


「でも俺治ってたじゃん」


「そうですけど、すごく怖かったんですよ! 兄さまの両腕が無い姿を見たんですから」


「良く治ったよな。エリナの治癒なら治せたのか?」


「見せて貰ったけど、治癒とヒールを融合するんだって。ヒールは切って繋いで縫う、治癒はそしきしゅうふく、さいぼーばいよーとかなんとかって説明してくれたけどよくわからないんだよね、イメージが出来ないから。にょきにょき生えてきたのは見たから、簡単な再生ならイメージ出来るかもしれないけど」


「そうか、ヒールは外科手術、治癒は抗生物質投与や機能回復の他にも再生医療も出来るみたいなもんか。理論は昔からあったはずだから、理論さえ異世界から持ち込まれれば、魔法技術で代替して細胞の培養なんかはできそうだ。四肢再生なんて一般人はイメージできないよな。一応簡単な知識のある俺でも無理だし、想像もできない怪我なんてそりゃ怖いよな。にょきにょき生えてくる腕とか見たらお兄ちゃん気絶しそうだし!」


「そうだよお兄ちゃん! クレアずっと泣いてたんだからね!」


「姉さまも泣いてたんですよ兄さま!」


「わかった! 心配かけてすまなかった! キスもそうだよな、安心したらそうなっちゃうよな!」


「そうですよ兄さま!」


「クレア良かったね!」


「はい姉さま!」


 そんな流れでキスなんかするか! とも思ったが結局心配かけまくったのだから仕方がない。

 あとあのゴミクズには、確かに悪口も言ったが治療費も武器防具の補填もいらねーから今後は関わるなよボケって言った程度だよな。

 日本刀に傷つけたり、嫌がらせしてきたら殺すぞって言っちゃったけど......。 



「あれ? 地竜の討伐報酬はどうなるんだ? あいつら騎士団だか領主家が回収して解体してたとか言ってたけど、パクられたりとかされないよな?」


「あーその辺は私も聞いてない」


「兄さま、冒険者ギルドで聞いてみれば良いんじゃないですか? シルヴィアさんの態度なら地竜討伐の依頼達成を横取りするような感じでは無かったですし」


「孤児院の件で国や町の文句垂れてる時も謝ってたしな。報酬が出れば日本刀や胸甲を買い直してもお釣りが来るし」


「でもお兄ちゃん、地竜の頭はすごくボロボロだったよ。肩に穴開いてたし」


「それお前がやったんだぞ、すげーな、上級魔法でも高難易度の魔法だろ? 流石俺の嫁」


「それまでは使えなかったんだけど、お兄ちゃんが地竜に向かってジャンプしてるのを見て、必死に唱えたら出来たんだよ!」


「俺もサンダーブレードの出力が今まで以上に上がってたからな」


「すっごいバリバリ音がしてたし、すごく光ってたよ!」


「必死に魔力込めまくったしな。さあ、冒険者ギルドに行ってみるか」


「はい兄さま」


「うん!」


「道わかんないから教えてくれな」


「任せて!」


「というか俺の着てる服って外を出歩く恰好では無いな」



 てくてく冒険者ギルドに向かって歩いているようだが、ふと自分の服装が気になった。

 まさに病院着って感じの服だ。

 両腕は隠せてるけどな。

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