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黄昏症候群

作者: 半信半疑

 沈んでいく夕日がとても綺麗で、私は思わず足を止めた。

 帰り道に土手沿いを歩くのはいつものことだったけれど、こんな景色があるということを久しく忘れていた。


 同時に、鈍くなっていた感情に気づかされた。摩耗する日々は思考停止を友としていたのだ。結ばれた手を振り払えるほどの力が、さっきまでの私には無かったのだろう。


 足早に姿を消そうとする夕日を眺め、反射する銀の小波に遠い過去を見た。

 幻影は蟲に喰われており、ところどころで穴を開けている。


 夕日が完全に死んだのを確認した夜は、そっと帳を下した。

 私もまた同じように、右手に持っていたナイフを突き刺した。


 流れていく赤は、私のものとは思えないくらいに綺麗だった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] いつものファンタジックマジカルな感じではなく、潟元さんには珍しい(と個人的に思う)作風でした。 生々しくて、良かったと思います。 あと、潟元さんを通して、ろんじんさんの「ガの三部作」を…
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