恋に恋せよ兄そして妹よ
気兼ねない呑気な日和
妹もボーッとしていた、自分もボーとしていた。
「なー妹よ」
「なにー?」
「俺たち今じゃお金もあるわけだし、することないな」
「だねー」
「どーするよこれからの人生」
「知らないよー気ままに暮らす」
「お前も自由人だな」
「まーね、お兄ちゃんには負けるけど」
「俺そこまで自由に見えるか?」
「すっごく自由じゃん、なんかいつも好きなように生きてる感じ」
「そっかー俺もだいぶ生きなれているんだ」
「だいたい衣食住揃えば、もうとくにすることないよね」
「ほんとだよなー、恋でもするか」
「え?何言ってるの」
「いやだから恋しようかなーって」
「ほんと、自由の上にうぬぼれてるなんて、すっごい」
「俺に恋ができないとでも、言ってるのかー?」
「違うよ、ただ私をおいて先に付き合おうとするのが気に食わない」
「お前も恋したいのか」
「そうじゃないけど、ただお兄ちゃんに先を越されるのが嫌なの」
「お前、そこまで兄基準に考えているのか」
「仮にもお兄ちゃんは命の恩人だから、少しは意識しちゃうの」
「そっかー、とりあえず、学校に通わないか?」
「それいいね、出会いもあるかも」
「じゃ、お前の恋を探しに学校へ」
「え、いやいやいや、恋とかしないから、私はその・・・」
「なんだよ」
「だから、恋とかまだ恥ずかしいの!」
「お前も相変わらず、うぶだな」
「は!うぶとか、お兄に言われたくないね!
そんなかんなで言い合いをしながら、学校への手続きを開始するのだった。