金髪店長と心臓の小さい兄
秋葉Tシャツの私めと、妹で面接会場へ着いた。
「妹よ、、、」
「なに、、、今さら臆さないでよ」
「わかっている、だが落ちた時は真っ先に俺のせいにしていいからな」
「言われなくてもわかってる」
「そうか、返しが早すぎて悲しい」
「入るよ」
「わかった」
ギーと扉が開いた。
そしてそこには大阪のおばちゃんみたいな金髪パンチパーマに真珠のネックレスをしている。いかにも宝くじの店長というイメージであった。
「これは案外いけるんじゃないか。。。?」
「何行ってるの、ああいう人はね、怒るとすごく怖いんだよ!(小声)」
「そうか、、、とりあえず、、、怒らせないようにしよう」
そして金髪パンチパーマの店長が話しかけてきた。
「君たち、その格好は何かな」
一瞬にして目があって止まった。
「あっ・・・・」
妹とに足でどうするよとつつく。
「そのこれはですね、金運アップの服なんですよ!」
妹のヘルプは沈黙の埋め合わせにはなったが、全くと言っていいほど、フォローになってなかった。
「ほう?そうなのかな?君?」
明らかに不審な影が浮かんだギロついた眼差しでこちらを見てきた。
「これは今の経済チャートでトップの商品でして、これを着ることで経済効果が上がり、世の中がより良いものになるんです」
なんとも言えない言い訳を、いや嘘をついてしまった。バレたらどうなるのか、考えたくもなかった。
「そうか、経済に詳しいんだね、それでなぞここに?」
「お金が欲しくて」
話が逸れて気が抜けたせいで、つい本音を言ってしまった、すかさず妹が
足蹴りをかますが、後の祭りだった。
「君たち、不採用」
「え、そこをなんとか」
「ダメだ」
「お願いします、働くところがないんです」
「ほ?だけどダメだね」
「お兄ちゃんが病なんです!!!どうしてもお金がいるんです!!!」
「ほ・・・そうなの???」
(えーーーーー、妹よーーーーー)
妹の思いがけぬフォローに、金髪店長より自分の方が驚いてしまった。
しかしここは便乗して、なんとしてもお金を稼ぎ、妹にあの一言を言ってもらうおうと思った。
「そうなんです、実は人より心臓が小さく余命一年なんです」
「そうか、それは大変だね、わかった、働くといい、だけど甘やかさないからね」
「ありがとうございます!」「ありがとうございます!」
働くことが決定した。
そして妹と当たるスクラッチくじの見分け方を密に探しだす活動が始まるのだった。