MP過剰使用と運び屋
979.名無しさん 2019/04/17 07:26:19 ID:qz2f66h
なんかずっと荷物運びのバイトしてたら運び屋とかいうあだ名付けられたんだけど
981.名無しさん 2019/04/17 07:29:31 ID:i8i84hf
>>>979 映画のタイトルかな?
「あ、おかえりー。どうだった?」
そうやって話しかけてくるアシュレイに対して何も言わずにベッドへ向かった。疲れた。やっぱ現代人にあの量の働きはきつすぎた。絶対に明日は筋肉痛だと思うとさらに気分が重くなる。そんな気持ちを持ちながらベッドに入ると、珍しくベッドに入った瞬間ぐっすりと夢の奥深くへと沈んでいった。
《やぁ!
目を開くと目の前には見覚えのあるウィンドウが。
「またこのウィンドウを見ることになるとはな。」
《露骨にいやそうな顔をしないでくださいよー。それで、異世界はどうです?》
「学校はどうだった?みたいなのりで聞くなよ。…もう疲れた。起きたくない。」
《なら二度と目覚めないように設定することもできますが?》
「全力でお断りします。」
この何か相手に冗談を言えば本当になる可能性があるのが困る。
《冗談ですって。それより私は今日あなたに渡したいものがあるので呼び出したんですよ?何か当ててみてください!》
「アイテムボックスとかか?」
《なんと!本当に当ててしまうとは。流石はラノベ中毒患者。》
「褒めてんのかけなしてんのかどっちだよ。それにしても本当にもらえるのか?何か目立ったりしない?」
《大丈夫でしょ。この世界ではアイテムボックスは冒険者の必需品として扱われていますから。》
少し浮かなくてよかったという安心感とともに少し周りより特別になりたかったという悔しさがこみあげてきた。もう十分チートだけど。
「何から何までありがとな。」
《いえいえ。》
ウィンドウだから顔は見えないし、ふざけた感じだし、毒舌だけど、案外いいやつなのかもしれない…
《なお、このメッセージは読み終わった後に自爆します。チーン。》
「は?」
《では、さよならー》
「まてテメェ…
ドッカーン!
「ぐわぁぁぁ!あの野郎!絶対に許さねぇ!次あったときにぶっ飛ばしてやる!」
ウィンドウだから無理とかそんなことはどうでもいい!なんとかして絶対に殴り飛ばしてやる!
「起きて第一声がそれって言うのもどうかと思うけどね。」
「なんだ、アシュレイか。」
「なんだって何よなんだって。」
「ああ、すまんすまん。」
起こっているアシュレイに空返事をしながら体を調べる。なぜかは知らないが筋肉痛もない。そして昨日までなかったはずのバッグがベッドの上に置いてあった。
「あら、あんたアイテムボックス持ってたの?買ったの?」
「いや、なんて言うか…」
あいつのおかげだけど、アシュレイにはなんとなく教えたくなかった。単にあいつの手柄と言うことがいやだったからかもしれないが。
「じゃあ。」
「はーい。」
今日もギルドへいかなくてはいけないのだが、今日は転移魔法を使って言ってみようと思う。ただいきなりギルドの中に出て大騒ぎになるといけないので、門を過ぎた当たりに転移することにした。
『転移魔法』
転移魔法を唱えると、すぐに辺りが青くなって、視界が一面すべて青に染まった。そして視界が青から戻ると、昨日もきた来た村が見えた。
「ふぅ…」
成功したことには成功したが、なぜか頭がくらくらする。その原因はギルドカードでステータスを見るとわかった。
リョウヘイ・クリダ 人間族 十八歳 ♂
ジョブ:村人
状態:健康、MP過剰使用
ステータス:
HP:27/27
MP:-2/3
攻撃力:12
防御力:5
魔力:6
素早さ:3
精神力:9
スキル:転移魔法
称号:無し
どうやらこのMP過剰使用というのか原因らしい。転移魔法の消費MPは5。それに対して俺のMPは3のため、MPが足りなかったようだ。少し休憩することでMPが回復してめまいは治ったが、毎回めまいが起きているのはいやだ。早めにMPをあげたいところだ。
「…ん?」
そうやってステータスをチェックしているとあることに気がついた。どうやら最大HPと攻撃力、精神力が上がっているようだ。
「あんな仕事でもステータスってあがるんだ…」
ただのつらい仕事だと思っていたけれどこうやってステータスがあがるのなら話は別だ。これで楽しく荷物運びの作業が…できるわけがなかった。ただしステータスがあがっているため、昨日よりはましになった…気がする。そうやって何週間も荷物運びをしているうちに、謎の称号『運び屋』を手に入れてしまった。
一日一本投稿を目標にしていこう。