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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第四章 新しい種族と新しい魔王

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土建屋岩谷 ―初仕事―


「あのー…すみません、石材が欲しいんですが。」



石切場へ辿り着いた浩二は早速近場に居た職人に声を掛ける。

丁度一段落していたのだろう、切り出した石に腰掛けて一服していた職人は浩二から書類を受け取り一通り目を通すと煙草を揉み消し立ち上がる。



「おう、了解したぜ兄ちゃん。今切り出すから待っててくれ。」


「休憩中にすみません。」


「いやいや、良いって。で?何処に積み込めばいい?」


「あ、そのまま運ぶんで切り分けなくても良いです。」


「何を言ってるんだ?…この量をそのままとか正気か?」



職人は浩二の持って来た書類をペシペシと叩きなが問いかける。



「どの位の量なんです?」


「そうだな…これ位か。」



職人は近場にあった切り出す前の一辺6、7mの石の塊をペシペシと叩く。



「ふーん…」



浩二は徐に石材に近付くと、その場でしゃがみ込み地面と石の間に指を突っ込む。



「お、おい…」



まさか本気だとは思っていなかった職人は少しだけ石から離れる。


そして、それを見計らった様に浩二は軽々と石材を持ち上げた。



「なっ!?」


「うん、やっぱり持てたな。」



一応『剛力』のスキルを持っているとは言え、確認した事は無かったので半信半疑だった浩二は取り敢えず一安心する。


職人はと言うと、尻餅をつき浩二を指差し口をパクパクさせている。



「えーと、切り分けられると持ちにくくなるんで、このまま持って行っても良いですか?」


「……あぁ、構わんが…兄ちゃん何者だ…?」


「あぁ、コレはスキルがあるから重さが軽減されてるだけですよ。」


「兄ちゃんスキル持ちか!」



急に職人が元気になる。

スキル持ちって言ってたし、他にも居るんだろうか。



「なぁ、兄ちゃん…その力を見込んで頼みがあるんだが…」



突然浩二に頼み事をして来る職人。

何やら真剣な顔をして頼み込んで来るので、浩二は一旦石材を地面へと下ろすと聞く体制に入る。



「一応聞くだけ聞きます。どうしたんです?」


「それで良い。実は…石切場から変な岩が出て来てなその岩を退かさない事には仕事が進まなくて困ってたんだわ。一応切り出そうとしたんだが…今の道具では歯が立たなくてな…何とか周りを削ってはみたんだが、石切場のど真ん中にあるもんだから邪魔で邪魔で。」


「…成程、取り敢えずその場所に連れて行って貰えます?」


「あぁ、こっちだ!」



浩二は職人に連れられ現場へと向かった。


その場所は先程の場所からそう遠くない所にあった。

石を切り出した跡だろうか、目の前は切り立った崖のようになっており、数人の職人が鑿や、鋸を使い石を切り出していた。

そして、そのすぐ近くにいかにも場違いな黒っぽい大岩が陣取っていた。



「アレですか…?」


「あぁ、アレだ。まだ専門家が調べには来てないから何とも言えんが…何かの鉱石の原石らしい。」


《これまた珍しい物が珍しい所から出たねぇ。アレはアダマンタイトの原石だよ。しかもこれ程の大きさはそうそうお目にかかれないね。》



突然女神様が横から会話に入って来た。



《そんなに珍しいんですか?》


《そうだね。君はいつもオリハルコンをポンポン使ってるから分からないかも知れないけど…アダマンタイトも充分希少金属さ。それ単体では硬いだけなんだけど、合金にすると色々な特性が出るんだ。あの大きさの原石の価値となると…人族の城の隣に城が建つんじゃないかな?》


《マジですか!?》


《うん。本来こんなに浅い地層からは出ないんだ。これは文字通り「神の悪戯」だね。うん、あの人こういうの好きそうだし。》



何やら女神様が神様の悪口を言ってる気がするが…取り敢えずスルーだな、うん。



《今、あれを何とかしてくれって言われたんですが…》


《聞いていたよ。君なら簡単じゃないかな?こう、パワースラッシュ辺りでサクッとくり抜いてポンと放り投げれば一件落着じゃないか。》


《ポンって…まぁ、やってみますか。何だか大変みたいだし。》


《うん、それじゃ頑張ってねー。》


《はい。》



何やら緩~い感じで大丈夫と言われたので挑戦してみよう。



「…い!おい!兄ちゃん!」


「あ、すみません…ちょっと考え事をしてたもんで。」


「突然黙り込むからどうしたのかと思ったよ。…で、出来そうかい?」



女神様と話してました…なんて言えないしな。

ま、それじゃやりますか。



「あー、はい。大丈夫です。」


「そうかそうか!頼むわ兄ちゃん!」


「えーと、一応危ないので近くの職人さんは避難させといて下さい。」


「そうだな。おーい!お前らっ!ちょっと降りてこい!」



職人は大声を張り上げ他の職人を呼び寄せる。

何が起きたのかとざわめきながら次々と職人が集まって来る。



「どうしたんです?親方。」


「今からこの兄ちゃんがあの大岩を退かしてくれるそうだ。」


「…本気ですか?仕事場荒らされたら困りますよ?」


「大丈夫だ。責任は俺が取る。」



何やら大事になって来た。

それにしても、あの職人さんって親方だったんだな。



「えーと…始めても良いですか?」


「おう!頼むわ!」


「んじゃ…始めますか。」



浩二は軽い感じで飛び跳ねる様に大岩まで登って行く。

この段階で後ろから「おおーっ!」なんて歓声が聞こえてくる。


そして、大岩の目の前まで来た浩二は先ずは良く観察する。



「ある程度くり抜かれてるから…境目をぶった切れば良いかな?それにしても…近くて見るとデカいなぁ。」



縦10m、横5、6mはありそうだ。

さっき親方が言っていた通り、原石の周りがある程度くり抜かれており境目はハッキリ分かる。

これなら簡単そうだ。


浩二は早速丹田に力を込めると、右手に気で1m程の濃紺の剣を作り出す。

グリップ等は無く、手から直接刀身が伸びている…まぁ、言ってしまえば手刀の延長だ。


そのまま軽く構え…サッと境目目掛け振り下ろす。

見た目は何も変わらないが、明らかな手応えがあった。

続けてその場から飛び上がり上の境目に横向きに一閃、着地して下の境目に一閃。

そして、逆側の縦の境目に一閃入れた所で巨大な原石が手前へゆっくりと倒れてくる。



「おっ!都合よく倒れて来たな!」



浩二は下で浩二の様子を見ていた職人達の絶叫が木霊する中、難無く片手で原石を受け止めたのだった。




仕事の諸々の事情により投稿時間が朝6時から1時間後の朝7時になります。

こちらの都合でご迷惑をおかけしてすみません。


いつも読んでいただきありがとうございます。



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