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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第四章 新しい種族と新しい魔王

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準備。


《コージ君、『マナドレイン(見習い)』がレベルMAXになったよー。これで『マナドレイン』を覚えたね。》



何度目になるだろう、蓮と麗子に精神力を譲渡している最中に女神様から緩い感じにアナウンスが入る。



「アナウンスってこんな感じなんですね。」


《ん?もっと機械的な方がいい?》


「と言うと?」


《んーと、…コホン。》



女神様は小さく咳払いをすると機械的に話し出す。



《『マナドレイン(見習い)』がLV10になりました。

『マナドレイン(見習い)』が消失し、新たに『マナドレイン』LV1を取得しました。…どう?》


「女神様…一体何処から声を出してるんです?女神様の欠片も見当たりませんが…?」



本当に機械音声みたいでびっくりした。



《ふふっ、色々方法はあるんだよ。で?どっちが良い?》


「最初のでお願いします。あんな機械音声女神様じゃありません。」


《りょーかい。それじゃまたね。》


「はい。」



女神様との会話を終えて二人を見ると、何やら可哀想なものを見る目をこちらに向けている。



「ん?どした?」


「…アンタ…随分と豪快な独り言ね…」


「お兄さん…話したいなら私が話し相手になるよ…?」


「…え?あぁ、今女神様と会話してたんだよ。『マナドレイン(見習い)』のレベルがMAXになったってアナウンスをしてくれたんだ。」


「「女神様?」」



二人の声が綺麗にハモる。



「アレ?蓮には話してなかったっけ?種族進化した時に知り合ったこの世界の神様代行なんだって。今は俺の『女神の加護』ってスキルになって色々助言をしてくれてるんだ。」


「…アンタ…それって…実質この世界のトップじゃない!そんな人相手にあんな感じで話しちゃって良いの!?」


「んー…大丈夫なんじゃないかな?」


「…アンタの事が益々分からなくなって来たわ…」


「流石お兄さんだねっ!」



麗子は何とも微妙な表情を浮かべ、蓮はいつも通り元気一杯だ。



「兄貴、もう終わりで良いんだよな…?」



疲れ切った顔をした猛が浩二の後ろから歩み寄り話し掛けてくる。



「あぁ、お疲れ。ちゃんとMAXになったぞ。」


「そっか、良かった…俺は限界だわ…」



そう言ってその場に座り込む猛。



「だらしないわね…あのぐらいで。」


「巫山戯んなっ!お前らは兄貴に精神力回復して貰えるから良いけど、俺はひたすら避け続けてんだからな!アホみたいに魔法ばら撒きやがって!」


「お兄さんは避けてたよね?」


「それこそアホか!兄貴と一緒にすんなや!」


「失礼な!」


「兄貴はもっと自分の規格外さを自覚しろよな!」


「…俺ってそんなに?」


「…普通じゃないわね。」


「うん!」


「化け物だよ。」


「お前ら本当に失礼だな。」



実に容赦の無い物言いだ。

まぁ、浩二自身はこの位砕けた関係の方が気楽で良いようだが。


等といつもの様に平和な会話をしていると訓練所の入口からソフィアが駆け寄って来る。



「マナドレインは覚えられた?」


「あぁ、バッチリだ。そっちは?」


「準備出来てるわよ。…ねえ、本当にあの部屋でやるの?」


「うん。あの部屋が一番使いやすいんだ。隣に倉庫もあるしね。」


「なら良いけど…それじゃさっさと始めましょ。」


「だな。」


「兄貴?何か始めるのか?」



二人の会話を聞いていた猛が口を挟む。



「あぁ、これからナオの新しい身体を作るんだよ。」



□■□■



シュレイド城の地下にある倉庫と併設された小部屋。

又の名を「浩二の工房」

今迄いくつものアーティファクトクラスの魔道具が作られて来た場所であり…今日また一つのアーティファクトが生み出されようとしていた。



「それにしても…集まったなぁ。」



工房を見回した浩二は呟くように口にする。



「ナオが生まれ変わるのよ?立ち会わない訳無いじゃない!」


「…早くナオちゃんに会いたいです。」


「私もー!」


「私もです!」


「私は単に興味本位で来ただけよ?」


「兄貴、ナオってあの猫だよな?」



ソフィアに初期人族組の三人に二期人族組の猛に麗子。

はっきり言って狭い。

唯でさえ部屋の真ん中にあるテーブルが部屋の殆どを占めているのだ、周りに六人も人が居れば狭くもなるだろう。



「一つ言っておくけど…少しでも邪魔したら叩き出すからな…?」



少し低めの声でいつに無く真面目に話す浩二。

浩二にとってナオはたった一人の家族であり大切な存在なのだ。


いつもと違う雰囲気を感じたのだろう、皆壁に貼り付くように移動し無言で頷く。



「よし、始めるか。ソフィア、オリハルコン貰うよ?」


「ええ、好きなだけ使いなさい。」


「ありがとう。」



この中の数名がオリハルコンの名にピクリとする。

口には出さないが叫び出したい気分だっただろう事は容易に想像出来る。


そんな戸惑いなど気付きもせず浩二は隣の倉庫からオリハルコンのインゴットが満載された縦横50cm四方の木箱ごと持って来てテーブルの上へと乗せると、中のインゴットを全て取り出す。

高々と積み上げられてゆくオリハルコン。

やがて木箱四箱分程のオリハルコンが積み上げられた辺りで浩二はソフィアに視線を送る。


視線に気付いたソフィアは黙って頷くと、先程から抱えていた綺麗な装飾の施された箱を浩二に手渡す。


浩二がゆっくりと箱を開けると…そこには冷凍保存されたナオの亡骸と淡い光を放つ魔核が収められていた。

それを見て一瞬悲しそうな表情を浮かべた浩二は壊れ物を扱う様に慎重にナオの亡骸と魔核を取り出しオリハルコンのインゴットの山の隣に置く。


そして、後ろに半歩程距離を取り目を閉じる。

ゆっくり息を吸い…ゆっくり息を吐き出す。


繰り返す事数分…浩二の呼吸音のみ響く静まり返った部屋の中で浩二の身体から白く輝く靄が立ち昇り始めた。


やがて靄がユラユラと揺らめき浩二の姿を隠してしまう程の濃度になった所で

浩二はゆっくりと右手を前に翳す。


次の瞬間、身体に纏わり付いていた靄が一気に右手に集まり眩い輝きを放つ。



「さぁ、始めようか。」



浩二は目を開き、真剣な表情で言い放った。

読んでいただきありがとうございます。

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