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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第三章 勇者と魔王

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80/405

新たなるステータス。


□■□■



名前 岩谷浩二(イワタニコウジ)

年齢 26

種族 エルダードワーフLV1

職業 人形師 氣法師

筋力 60340(+54306)

頑強 59600(+53640)

器用 5590

敏捷 6108

魔力 5442

スキル

『操気術』LV10

『火魔法』LV10

『風魔法』LV10

『パワースラッシュ』LV10

『パワースラスト』LV10

『瞬動』LV10

『鑑定』LV10

『半減の呪い』LV10

『物理結界』LV10

『エナジードレイン』LV10

『至高の創世主』LV--

『剛力』LV--

『転送』LV--

『諸手の極み』LV--

『絶対魔法防御』LV--

『掠奪』LV--

『見様見真似』LV--

『再生不可の呪い(見習い)』LV1



□■□■



これまた酷いステータスだ。

あれ…?

スキルの名前が幾つか変わってる気が…


嫌な予感を抑えきれずに名前の変わったスキルと新しく覚えたスキルの詳細を確認する。



□■□■



『剛力』

全ての物質の重量をほぼ0にするスキル。

実際に物質の重量が軽くなる訳ではなく、スキル所有者のみに適用される。

足場や地面には本来の重量が掛かる為注意が必要。

スキル所有者の身体に触れた時点で発動し、離れた時点で効力を失う。



『諸手の極み』

『素手の極み』の上位スキル。

両手に武器を持たない場合、片手につき筋力と頑強が5倍になる。



『掠奪』

『強奪』の上位スキル。

1人につき1日に1度スキルを選んで奪う事が出来る。

スキルは奪った時点のスキルレベルで手に入り、スキルを使えばスキルレベルも上げられる。

任意で奪ったスキルを返す事も出来るが、スキルレベルは奪った時点のレベルに戻る。



『絶対魔法防御』

他者及び本人も含めた全ての魔法を完全に無効化するフィールドを体外に纏うスキル。

体内で作用する魔法を体内で発動した時のみ効果は現れるが、それ以外の魔法や魔素を用いたスキルは全て体外で発動する前にフィールドにより無効化される。

例外として、スキル所有者本人以外に本人と同じ魂の持ち主にのみ効果は発動しない。



『再生不可の呪い』

指定した範囲の再生及び回復を阻害する呪い。

遺伝子レベルでの阻害を行う為、どんなに高度な手段を持ってしても呪いを掛けた本人以外からの解呪は困難。

基本は使用者のレベル依存で、相手より所有者のレベルが高ければ高い程レジストされにくくなる。

基本的に一度掛かれば永続的に作用し、スキル所有者を殺しても解除される事は無い。



□■□■



これは…種族進化したからスキルも上位スキルに進化したのか?

今度は10倍かよ…


そんな事を考えながらもパニックにならないのは、前回の事があったからだろう。



「コージ?…もしかして…ステータス確認してるの?」



一人だけ部屋に残ったソフィアが何やら思案顔の浩二に話し掛けてくる。

実は先程からソフィアにステータスが見える様に表示しようとしても出来ないのだ。

よって、仕方無く自分の脳内で確認していた訳だが…

どうやら顔に出ていたらしい。



「あぁ、今確認した。」


「…で…?…どうだった?」


「…ん?どうとは?」


「種族よ!種族っ!本当にエルダードワーフになってたの?」


「なってたよ。間違いなくエルダードワーフLV1だよ。」


「…そう…遂にそこまで行っちゃったのね…しかも一年未満で…」



ソフィアはいつに無く深い溜息をつく。



「えーと…何か不味い事でもあった?」


「違うわ…ただ、一度ルグルドに戻ってお爺様に報告しておかなきゃって思ってただけよ。」


「お爺様?」


「ええ、今迄は世界でただ一人の「エルダードワーフ」だった人よ。今は私の代わりにルグルドを統治しているわ。」


「そうか…」



何だか偉い人みたいだな…

それにしても…ソフィアのお爺ちゃんか…見てみたい気もする。



「まぁ、今すぐって訳じゃないから落ち着いたら一緒に行きましょ。」


「あぁ、分かったよ。」


「…それじゃ、今日はゆっくり休むのよ?起き上がっちゃダメだからね?」


「分かってるよ。…でも…トイレ位は良いよね?」


「あら?メイドに頼めば…」


「行かせて下さい!」


「ふふっ、冗談よ。それじゃ行くわね…おやすみコージ。」


「あぁ、おやすみソフィア。」



ソフィアは満足そうに頷き、自分の部屋に帰って行った。



「…とは言ったものの…」



眠れない。

今は丁度日が昇り始めた辺りだ。

三日も眠ったままだったのだ、そりゃ眠れないだろう。



「何して時間潰すかなぁ…」



黙っているのが何より苦手な浩二は、天井を見上げながら丸一日何をしようかと途方に暮れるのだった。



□■□■



「お兄ちゃん!朝ご飯持って来たよ!」


「おー!ちゃんと大人しくしてるね!」


「…一応病み上がりなんだから…二人共静かにしないと…」



アレから数時間…

身体を動かしたくて動かしたくてウズウズしていた辺りで舞と蓮、栞の三人が浩二の朝食をワゴンに乗せて現れた。



「おぉーっ!!飯っ!」



美味そうな匂いを嗅いだ途端に浩二の胃袋が急激に食べ物を求め爆音を奏で始める。


用意された先から胃袋へ消えてゆく料理。

コレは…多分足りないな。

等と考えながらも、唖然とする三人の目の前であっという間に完食する浩二。



「…えーと…おかわり…いる?」



若干引き気味に問い掛ける蓮。



「頼む!」



そうハッキリと答えた浩二の目は野獣そのものだった。



□■□■



次々とワゴンにて運ばれて来る料理。

その全てをペロリと平らげる浩二。


やがて10台目のワゴンに乗せた料理が完食されて初めて浩二が口を開く。



「ご馳走様でした。」



残った左手を目の前で揃え食後の挨拶をする。



「ふふっ…お粗末様でした。」



ワゴンを片付けていたメイドさんが嬉しそうに言葉を返す。

前に灯の魔道具を作った時に居たメイドさんだ。



「こんなに美味しそうに食べて頂けると料理も作り甲斐があります。」


「いやぁ、本当に美味しかったです。」


「ふふっ、夕食も期待していてくださいね?」


「はいっ!」


「それでは、失礼します。」



そう言って綺麗なお辞儀をすると部屋を出ていった。



「…お兄さんの胃袋って…異空間にでも繋がってるの…?」



ドン引きした蓮が浩二をジト目で見ながら呟く。



「何だか、凄い腹が減ってたんだよ。まるで何日も食べてなかったみたいにさ。」


「いや、確かに間違ってはいないけど…」



浩二の言葉に三人は顔を見合わせて苦笑いするしか無かった。



右手が無いのにも関わらず両手を合わせて食後の挨拶をしていた所を、左手のみに修正しました。


読んでいただきありがとうございます。

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