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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第三章 勇者と魔王

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死者の王。


よりにもよってなぜそのダンジョンを使ってレベリングしているのやら…

きっと深い理由なんかがあるんだろうけど…



「何故その大事な封印の地をレベリングに使ってるんです?」


「…あー…近いからだ。」



無かった。

深い理由なんて無かった。


浩二が額を抑えて首をフルフルしていると、スミスが慌てた様子で追加情報を入れてくる。



「いや、コージ!違うんだ!近いって言うのは確かにあるが、あのダンジョンはモンスターの湧きが早いんだ。だから、勇者のレベリング以外にも定期的にモンスターを討伐してるんだよ。」


「…成程…つまりは「勇者のレベリング」の方がついでなんですね。」


「…まぁ、ハッキリ言えばそうなるな。」



きっと、湧きが早いってのは封印されていたリッチーの影響なんだろうな。

そういや…リッチーってどんな存在なんだろ…?

死者の王って言うぐらいだから、それなりに強いんだろうけど…



「えーと…凄く初歩的な質問しても良いですか?」


「ん?おう、なんだ?」


「リッチーってどんな存在なんです?」


「…コージ…そこからか…」


「いや、だから初歩的って言ったじゃないですか。」



呆れられた。

仕方ないじゃないか、知らないんだから…



「そうだな…アンデッド…ゾンビやゴーストって知ってるか?」


「はい、そのぐらいなら。」


「よし、で、リッチーってのはそのゴーストって種族の最上位種だ。」


「…つまりはアンデッドの親玉って事ですか?」


「あぁ、その認識で間違いない。闇を好み、人の魂を喰らいながら生き永らえる…そんな存在だ。」


「…えーと、自分以外の魂を奪わないと存在していられないんですか?」


「語弊があったな、正確には魂ではなく「生命力」だ。」


「結局は奪うんですね…」


「あぁ、奴らは肉体を持たない。故に自ら生命力を生み出せない。」


「だから奪うんですか?」



なんて迷惑な存在だ。


でも…


考え方を変えれば俺達も生き物を殺して生きてるんだよな…

なら、ちゃんと話し合えば共存も可能なんじゃ…



「それに、奴らは苦しむ者の生命力を好むそうだ。」



前言撤回。

よし、滅ぼそう。



「しかし、何で封印なんです?根っこから滅ぼせば良いのに。」


「簡単に言うな…相手はアンデッド、しかも肉体の無いゴーストの最上位種だぞ?まず、普通の物理攻撃は効かない。魔法防御力も桁違いに高い。通用するのは神官クラスの神聖魔法ぐらいなもんだ。」


「…そんな相手どうやって…あ!」


「多分当たりだ。当時の勇者に神聖魔法の使い手が居たんだよ。その勇者がひたすら削って削って、やっとの事で封印まで持っていったそうだ。」


「地味ですね…」


「仕方が無い話さ。他の勇者を連れて行けば、ドレインされて回復されちまうからな…単身乗り込むしか無かったのさ。」



厄介な奴に気に入られたな結城…



「って事は、リッチーを倒すには神聖魔法ってのを使うしかないんですね…」


「あぁ、奴の精神体に直接ダメージを与えなきゃならんからな。」


「成程…ん?精神体?」



聞いたことの無い言葉だが。



「ん?あぁ、精神体ってのは精神力の塊って感じだな。」


「えーと、精神力の塊なら、精神力でぶん殴ればダメージが通るんじゃ…」


「精神力でどうやってぶん殴るんだよ!」



スミスが何を言ってるんだコイツは…って言いたそうな顔で浩二を見る。



「えーと、こうやって…ですが?」



浩二は右手に青く輝く靄を纏わせる。



「なんだ!?その光!?」


「神聖魔法!?」


「いえ、これは『操気術』を使って気と精神力を練り合わせたものです。」


「あぁ、前に地下牢で言ってた「気」って奴か。」


「でも…その光…前に見た神聖魔法の光に良く似てます…少し青が強い様ですが…」


「まぁ、取り敢えずこれでぶん殴ってみます。」



冗談のように軽く言ってはいるが、この男…至って真面目に言っている。

武器を使うという選択肢が彼には無いのだ。



「でもよコージ…どうやって近づく?相手は近づけばドレインしてくるぞ?」


「ドレイン…かぁ。構わずぶん殴るってのは?」


「…コージ…お前…」


「いやいや、冗談ですよ?冗談!」


「………まぁ、取り敢えずドレイン対策はしといた方が良いな。下手をすれば近付く所か何も出来ずにお陀仏ってのも有り得るからな。」


「ドレインかぁ…こっちも負けずにドレインするとか…」


「ドレイン使えねーだろ?」


「…あっ!」



ドレインって、この間ミラルダさんのやってたみたいな奴かな…等とあのナイスバディを思い浮かべて…

ハッとしてステータスを開くとスキルを確認する。



「やっぱり…」



浩二の予感通り、スキル欄に『エナジードレイン(見習い)』という文字があった。



「あの時だよな…多分…」


「…コージ…まさか…」


「……使えます。」


「………」


「そんなに引かないで下さいよ!俺だって今気付いたんですから!」


「コージ…お前いよいよ人間離れして来たなぁ…」


「ドワーフですし…ってそんな顔で見ないで下さいよ!」



スミスにドン引きされながらも、取り敢えずドレインの綱引きは出来るようにはなった…が、



「『エナジードレイン』…どうやってレベル上げれば良いんだろ…」



浩二に新たな問題が出来たのだった。



□■□■



「あぁあっ!!岩谷のクソがっ!!」



玉座に腰掛けながら、彼に傅く女を躊躇いもなく蹴り飛ばす結城。

蹴り飛ばされた女の目に光は無い。

ヨロヨロとした足取りで女は再び結城の元へと歩み寄る。



「なんでこの俺がこんな目に合わなきゃならないんだよっ!!」



そんな女を足で踏み付けながら苛立ちに顔を歪める。



〈結城よ…苛立つのも分かるが…その位にしておけ。その女が死んでしまうではないか。〉


「あ?女なんて城下に行けば腐る程居るだろうがっ!」


〈…家畜とは言え増えねばこちらが飢える。程々にな。〉


「…なら…増やせば良いんだよな?」



結城は踏み付けていた女の髪を強引に引っ張り立たせると、身に纏っていた服を無造作に剥ぎ取る。

そして、その場で徐に行為に及び始めた。



〈……やれやれ…コレは判断を誤ったかもしれんな…〉



呆れた口調でリッチーはその場を後にした。



「…舞…お前もいつかこうして…」



光を失った目をした女に覆いかぶさりながら、誰も居ない玉座の間で結城は呻くように呟いた。


読んでいただきありがとうございます。

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