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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第三章 勇者と魔王

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紅蓮の篭手。


「コージ様、先程はお見苦しい所をお見せしてすみませんでした。」



部屋に入るとメイド服を着たメイドさん(?)達が、綺麗なお辞儀をして謝罪してくる。



「いやいやいや、悪いのは俺です!頭なんて下げないで下さい!」


「しかし、お気を悪くされたのでは?」


「そんな馬鹿な!眼福でした!」


「…コージ。」


「あ、いや、すみませんでした。」


「いいえ。私達はコージ様が仰られれば何時でも…」


「ストップ!!」



メイドさんが口にしそうになった言葉を大声で遮る浩二。



「それ以上は絶対に言わないでください。本気で怒ります。」


「…………」


「ふふっ、ね?言った通りでしょ?だから怒るって言ったのに。」


「ん?何の話だ?ソフィア。」


「彼女達はね、あくまでコージの事を主人と同等として見るって言って聞かなかったのよ。なら、そういう風に接してみたら?って、多分怒るわよって言ったのよ。」


「…すみません…」


「謝らないで下さい。でも俺は特別扱いより、友人として接してくれた方がずっと嬉しいですよ。気楽に笑ったり、怒られたりしたいです。」


「コージ様…」


「こんな俺が友人じゃ…駄目ですか?」


「そんな事はありません!…今の質問は…狡いです。」


「ははっ…すみません。でも、もっと気楽に接して下さい。嫌なものは嫌と言って下さい。本人の意思を無視して無理矢理なんて御免です。」


「…はい。分かりましたコージ様。」



何とか分かって貰えたようだ。

きっとメイドの立場ってこっちの世界ではこんな感じなんだろうな…



「えーと、それで…早速お願いなんですが…」


「はい。何でしょう?」


「貴女達のスキルを奪わせて下さい!」


「は…い?」


「コージ…圧倒的に言葉が足りないわ…」


「あぁ、違うんです!えーとですね…」



浩二は『強奪』を成長させたい事。

スキルはちゃんと返す事。

痛みや苦痛は無い事等をメイドさん達に説明した。



「成程…私達で御役に立てるなら何時でもどうぞ。」


「ありがとうございます。助かります。」



メイドさん達の了承を得た浩二は、早速彼女達のスキルを奪いまくった。

そのお陰もあり、メイドさんの半数に満たない人数で目出度く「強奪(見習い)」はレベルが10になり、晴れて『強奪』は浩二のスキルとなった。


奪ったスキルの中に『房中術』なるものがあった時にはどうしようかと思ったが、真っ赤になって俯くメイドさんが可哀想になり周りのメイドさんにバレないように返したというハプニングもあったが。


これで、結城からスキルを奪い返す準備は出来た。

後は…一日一回の制約があるから、取り敢えず結城を捕まえて毎日奪いまくれば全部終わる。


気になるのは…あのリッチーとか言う死者の王様だけだが…



「後で王女様に聞いてみよう。」



浩二はそう呟くとある事をする為に地下倉庫へと向かった。



□■□■



例の地下倉庫の隣にある小部屋。

浩二の工房(仮)に来た浩二は、ミスリルのインゴットをテーブルに乗せ何やら作成しようとしていた。



「約束は守らないとな。」



そう。

猛と約束した『爆発』する篭手を作りに来たのだ。

本来は義手に内蔵する筈の機能だが、彼は義手を付けられない…故に篭手だ。

浩二はテーブルに乗せられたミスリルに手を翳す。


色は…赤…

指の可動の邪魔をしないように…プレートは薄く…しかし固く…固く…

掌の中心に…圧縮の魔核を…

手の甲に…火の魔素を集める為の魔核を…

ある程度は篭手に火を纏えるようにしよう…


よし!イメージは纏まった。



やがてミスリルが光を放ち、二つの魔核が生成され混ざり合う。

そして、光が静かに消えた後に残ったのは、綺麗な赤い篭手だった。



「うん、成功かな?」



浩二は篭手を右手に嵌めると、手を握ったり開いたりする。



「よし、指の動きは邪魔されないな。」



次に右手を手刀の形にすると、そのまま横に振り抜く。

すると、篭手は炎を纏い薄暗い地下室を照らすように尾を引く。



「うん。問題ないな。熱くもないし。後は…」



最後は例のアレだ。

浩二は六角形のゲートを開くと、いつもの城壁前へ移動する。



「あの岩当りが良いな。」



手近にあった浩二の倍はあろうかという大岩の前に立ち掌を向ける。

やがて、魔核が急速に火の魔素を圧縮し始める。

そして、魔核が眩い赤い光を発し始めた辺りで浩二は圧縮魔素を解放する。


ズゴオォンッ!!と物凄い轟音が響き、目の前が砂煙で見えなくなる。

それが晴れた時…目の前の大岩は影も形も無くなっていた。



「……コレ…生物に使って良いのか…?」



明らかにオーバーキル臭がする篭手をマジマジと見つめる浩二。



「ま、いっか。」



ここに、又もやアーティファクト級の魔道具が生まれた。

名前は『紅蓮の篭手』

今回は名付けの先生が居ないので、浩二が名付けた。

浩二にしてはまともなネーミングである。



「さて、早速猛に授けて来るか。」



浩二は意気揚々と猛の元へ向かうのだった。



□■□■



猛は訓練所にいた。

少しでも強くなろうと、蓮と一緒に兵士達と訓練中だった。

そして、浩二が訓練所に到着した時には息を乱して地面に座り込んでいた。



「おう、猛!精が出るな。」


「あぁ、兄貴か。全く…蓮の体力にはついて行けねーよ。」


「まだまだ、直ぐに差なんて埋まるもんでもないだろ?焦るな焦るな。」


「そりゃ、そうだけどよ。」


「それより、出来たぞ!例のアレだ。」


「マジか!?」


「あぁ、ほら。」



浩二は布に包まれた篭手を猛に手渡す。

猛は待ち切れないのか急いで布を取り払う。



「おおっ!カッケー!!装備しても良いか?」


「あぁ、その為に作ったんだからな。」


「うっしゃ!…おぉ…軽いし…動かしやすいな。」



猛が手首を回したり手を握ったり開いたりしながら篭手の着け心地を確かめている。



「先ずは説明を聞いてくれ。」


「おう!」


「その篭手の名前は『紅蓮の篭手』手の甲についている魔核で火の魔素を集めて放つことが出来る。恐らくだが…普通に纏わせるだけじゃなく、飛ばしたり盾にしたりも出来る筈だ。色々試してみてくれ。」


「『紅蓮の篭手』かぁ…くうっ!カッケーなぁ!で?火を出せるんだっけか?…おおっ!本当だっ!凄ぇ!しかも全く精神力が減らねぇし!」



猛が右手に炎を纏わせブンブンと振り回している。



「後は極めつけ…と言うより本来の機能である『爆発』だ。」



その言葉を聞いた猛はピタリと動きを止め浩二の方へキラキラした瞳で駆け寄って来た。



読んでいただきありがとうございます。

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