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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第二章 レベルアップと種族進化

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それぞれの武器(1)


「と、言う訳で皆に渡したい物があるから、食事の後で時間貰えるかな?」


「まさか…コージ…もう出来たの!?」


「うん、結構自信作だよ。」


「アレから一日も経ってないのに…四人分作っちゃうとか…」



ソフィアは素直に驚く。

しかし、その驚きはまだほんの序の口だと言う事を後に嫌という程思い知らされる事になる。



□■□■



「それで、なんでこんな場所なの?」



ソフィアは何故か浩二に連れてこられた城壁前で愚痴る。

その後には大人しく付いてきた三人もいた。



「あぁ、多分試し撃ちとかすると、城内じゃ危ないから。」


「…は?危ないって…」


「まぁまぁ、取り敢えず渡すから。まずは舞。」



呼ばれて歩み寄ってきた舞に浩二は布に包まれた杖を渡す。



「うわぁ…綺麗な杖…」



布を取り払った舞が純白の杖を見てウットリした声で呟く。



「杖の名前は『エンジェリックブレス』大気中の魔素を自動で集めて、溜め込むことが出来る。そして、その魔素を使って魔法を使う事で精神力の消費が抑えられる。更に、魔法を増幅出来るようにもしたから、普段よりも魔法の効果が上がる筈だ。」


「……溜め込む?…増幅…?」



あれから全員分の武器を作った後、舞の武器に不満を感じた浩二は、新たに増幅用の魔核を追加したのだ。

今は天使が二つの魔核を掲げる様に持っているデザインに変わっていた。



「あぁ、因みに二つの魔核にフルで溜め込まれた状態で俺の『転送』を使ってみたら、ゲートを二組まで精神力消費無しで作れたよ。」


「なっ!?二組!?上級魔法を消費無しで!?」



唖然とする舞。

上級魔法を2回分消費無しで使えると言うことは、普通の魔法ならば、杖を持っている限りほぼ精神力の消費は無いと言っても過言では無いのだ。

当然、浩二は気づいてもいないが。



「今は回復する相手も居ないから…後から感想を聞かせてくれ。…あ!今丁度暗いし、ライトの魔法でも使ってみてくれるかな?」


「あ…えぇ、分かりました。」



舞はエンジェリックブレスを掲げると、小さく何かを呟く。

すると、新たに加えた増幅の魔核が輝き、30cm程の眩い光の玉が頭上に浮かび上がった。



「…凄い…本当に何の消費も無いなんて…しかもこの光量…」



昼間のように明るくなった辺りを見回しながら舞が絞り出す様に呟く。



「コレは…私達も覚悟しておいた方が良いわね…」


「…はい…」


「凄いじゃん舞っ!良かったね!」


「あ…うん、岩谷さん、ありがとうございます。大切にしますね。」



舞は未だに心の整理が出来ないのか、上の空だっであったが連の言葉に我に帰り浩二に心からお礼を言った。



「それじゃ、次は蓮だ。」


「待ってましたーっ!」



蓮は浩二から包を受け取ると、直ぐに中を確認するべく布を取り払う。



「おおぉーっ!恰好いいっ!」



少年の様にキラキラした瞳で銃を見る蓮。



「蓮の武器の名前は『ブラックロア』魔素を自動で集めて溜め込み、その魔素を玉の代わりに撃ち出す銃だ。銃の横にある目盛りが現在の魔素量。普通に引き金を引けば単発、引きっ放しで連射、引き金に指を掛けたまま銃口が光るまで待ってから引けば溜め撃ちだ。」


「分かった!やってみるね!」



蓮は早速銃口を空に向け引き金を引く。

シュバッ!という音を立てて青い光の塊が空の彼方へ消えていく。

そのまま今度は引き金を引きっ放しにした。

すると、シュババババババババ!と物凄い連射速度で青い光が発射された。



「おおぉっ!凄い凄いっ!」



蓮のはしゃぎ様は見ていて微笑ましい。

やがて弾切れになりリロードを待つ蓮。



「ふっふっふ!次は溜め撃ちだぁ!」



数分後目盛りが全て光ったのを確認した蓮はぺろりと舌舐めずりをすると、銃口を空に向け引き金に指をかける。

徐々に銃口に光が集まるように輝きそれが限界に達した時



「いっけぇーっ!」



蓮は声を上げて引き金を引く。

すると、ズドンッ!という大砲のような音を立てて、巨大な光の塊が空へと打ち上げられた。



「わぁ…凄いわ…コレ。」


「因みに、溜め撃ちは大木を木っ端微塵にした上に後ろにある木もへし折る威力があるぞ。」


「マジで!?」


「だから、下手に撃ちまくらない事。」


「了解だよっ!ありがとうお兄さん!この子すっごく気に入ったよ!」



蓮は舞に銃を見せびらかしながら子供のように喜んでいた。



「さぁ、次は栞ちゃんだよ。」


「あ、はい!」



栞は小走りで浩二に歩み寄る。

そして受け取った包の布を取ると、そこには青と白二色の扇があった。



「わぁ…綺麗です。」


「名前は青い方が『花鳥』白い方が『風月』だ。『花鳥』は魔素を自動で集めて溜め込み、圧縮して舞の効果を高める為の扇で、『風月』は魔素を自動で集めて溜め込んで、舞に使う精神力の消費を補うのと、風魔法で壁を作ったり鎌鼬を飛ばしたり出来るよ。」


「えーと…風魔法ですか?」


「うん。使ってごらん。」


「はい…」



栞は白い扇『風月』を開くと、城壁に向かい横に振り抜く。

すると、緑に輝いた扇は緑色の輝く刃を飛ばし城壁に傷を刻む。



「わぁ…初めて魔法を使いました…」


「扇ぐように振ると風の壁が作れるよ。」


「やってみます!」



言われた通りに扇を振ると、今度は緑の膜のような壁が生まれる。



「多分数発なら『ブラックロア』の玉も防げる筈だよ。」


「ホント!?それじゃ…」



話を聞いていた蓮はすかさず銃を構え単発で三発の青い玉を放つ。



「きゃっ!」



いきなりの事で身を縮めた栞だったが、風の壁はその青い玉をしっかりと防ぎ切り、未だに健在だった。



「コラっ!蓮!いきなりは危ないだろ!」


「あははは、ごめんね栞ちゃん。」


「大丈夫だよ蓮ちゃん。びっくりしたけど…お兄ちゃんの扇がちゃんと守ってくれたから。」


「全く…栞ちゃん、気に入ってくれた?」


「うん!ありがとう!お兄ちゃん!」



栞は浩二の首に抱きつき感謝を示すのだった。

読んでいただきありがとうございます。

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