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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第二章 レベルアップと種族進化

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夢?


夢を見ていた。


夢?


いや…やけに現実味がある。



「とりあえず落ち着こう。」



浩二は何処かもわからない場所で胡座をかいて座る。

見渡す限り白。

空も地面も白。

地平線の彼方なんて、空と地面が混ざりあって境目がわからない。


なのに何故か現実味がある。



「不思議な場所だな…」


「君って本当に変わってるね。」


「っ!!」



突然の背後からの声にビクッと身体を跳ねるようにして振り返る。


そこには又もや真っ白な服を着た女性が立っていた。



「そんなに驚かなくても大丈夫。」


「…貴女は…誰ですか?」


「んー…管理者…代理者…神代行…女神…うん、私は女神だ。」


「…今のツラツラ連ねた肩書きは一体…」


「まぁまぁ、細かい事は置いといて、私の事は女神様と呼びなさい。」



何やら残念な感じの雰囲気がぷんぷんする怪しい女性だった。



「…それでは女神様。ここは何処ですか?」


「まぁ、それはそれとして!先ずは進化おめでとう!君は今日からハイドワーフだ!」



人の話を聞かない上に、サラッと重大発言をしてきた。



「ハイドワーフ?…ソフィアと一緒の?」


「うん。あのお嬢ちゃんと一緒だよ。ただし、君の場合はその過程が普通じゃないんだ。」



女神様にまで普通じゃないと言われる浩二。



「具体的に理由をお聞かせ願えませんか?」


「敬語は語っ苦しいなぁ…ま、いっか。理由だったね。えーと普通種族進化を果たす時は大抵レベルが上がっているものなんだよ。何せ、種族進化の条件を満たす為に自分よりも生物的に格が上の相手と戦わなくちゃならないからね。」


「…成程…だから俺がレベル1だった事が普通じゃないと。」


「うん。普通はレベル1の状態であのステータスは有り得ない。君頑張り過ぎ。でだ、普通なら進化を果たす条件が満たされた時点で進化が始まるんだけど…」


「…ん?」


「君の場合はちょっと違ってね。簡単に言えば、『システムが追い付いていない』んだよ。」


「システム?」



随分と俗っぽい…と言うか、剣と魔法の世界には似つかわしく無い言葉が出て来たな…



「まぁ、細かく話すと長くなるから端折るけど、要は『普通に進化してくれたらこんなに時間はかからなかった』って事さ。」


「何か…すみません。」


「あー、君を責めたわけじゃないよ。ただ、ちょっと肉体から離れて貰って進化が完了してから戻って貰うだけだから。」



うわぁ…俺の肉体どうなってるんだろ…



「更にもう一つ。」


「まだあるんですか…?」


「そう嫌な顔しないの。」


「顔に出てましたか…」


「モロにね。話はスキルの事なんだ。」


「スキル?」



どうなるんだろう?

使えなくなるスキルとか出て来るのかな?



「まず、現在覚えているスキルは全てにレベル10になる。」


「…マジで?」


「マジで。」


「更にユニークスキルを二つ覚えます。」


「二つ!?」


「普通は進化するとユニークスキルを一つ覚えるんだけど…君の場合は『レベル1の初戦で格上に勝利』って事だからねぇ。」


「凄いな…種族進化。」


「そうだよ?肉体が強靭になるし、寿命も伸びる。」


「寿命も?」


「うん。大体400歳ぐらいかな?」


「うわぁ…」



スケールがデカくて付いて行けない。

400年とか何して過ごせばいいの?



「さて新しいスキルなんだけど、一つは確定してます。君の種族と性格等をなんやかんや色々した結果、『素手の極み』になりました。」


「『素手の極み』?」


「まぁ、詳しくは『鑑定』で参照してもらうとして、要は『素手の時にすっごく強くなるよ』ってスキルかな。」


「凄いザックリした説明だけど、何となく分かりました。」


「よろしい。で、もう一つのスキルなんだけど…まだ決まってません。」


「は?」


「だから、まだ決まってないの。と、言うことで君に質問です。どんなスキルが良い?」


「どんなって…いきなり言われても…」



困る。

と言うか唐突すぎて頭が回らない。



「ほら、色々あるじゃない。こんな事したいなーとか、こんなのあったら便利だなーとかさ。とりあえず言ってみなさいな。」


「んー…あ!」


「お?何か思い付いた?」


「はい。えーとですね…俺はいつも常識がないとか、無知とか言われるんで、そう言うこっちの世界での一般常識なんかを教えてくれる人工知能的なスキルが欲しいです…あります…?」


「あー、サポートしてくれる感じの?」


「そう!そうです!ちょこちょこ相談なんかもしたいですし。」


「うん、分かったよ。探して二つ目のスキルとして組み込んどくよ。」


「ありがとうございます。」


「あ、君の肉体進化が完了したみたい。もういつでも戻れるよ。」



どうやらシステムが追い付いたらしい。

今から身体に戻るのか…不安しかないな。



「あの…本当に大丈夫なんですよね…?」


「何が?」


「新しくなった肉体にちゃんと戻れるんですよね…って意味です。」


「あー、大丈夫大丈夫!最初はちょっと違和感感じるかも知れないけど、君ならば直ぐに慣れるよ。」



本当に大丈夫なんだろうか…



「それじゃ、次の進化でまた会おうね。」


「は?」


「行ってらっしゃぁーい!」


「え、ちょっ!待っ、こっちのタイミング待ちじゃ無いのかよっ!」



浩二の抗議も虚しく、やがて意識が途切れた。

そして、次に視界に入ったのはいつもの見慣れた城の自室の天井。



「…実に残念な女神様だったな…」



そんな感想しか浮かばなかった。



□■□■



まだ辺りは暗く、早朝と言うより深夜に近い時間。

覚醒した浩二は取り敢えず起き上がってみる。



「…うん、特別不具合は…無いな。」



飛んだり跳ねたり捻ったりと色々試してみる。

今の所は特に不具合は無いようだ。



「後は…ステータスだな…」



不安半分、期待半分でポケットからステータスプレートを取り出そうとした時、いきなり目の前の空間にステータス一覧が表示された。



「うおっ!」



突然の事で戸惑う浩二。

そして、女神様の言葉を思い出す。



「そういや、スキル全部レベル10になったって言ってたっけ。…って事は、あの戦闘の時に使って『鑑定(見習い)』がレベル10になってたんだな。」



表示される情報量も見習いとは圧倒的に違うのだから多分そうであろうと、表示されたステータス一覧もそっちのけで考察する。


そして、改めてステータスを見た浩二は驚きの余り声を失った。



読んでいただきありがとうございます。

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