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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第二章 レベルアップと種族進化

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結果と女子会。


「あ~~っ!蓮ちゃ~ん!口の中がずっと酸っぱいよ~っ!」


「はいはい、で?何本ぐらい飲んだの?」


「えーと…20本…ぐらい?」


「20本!?いつもの兵士さん達の時だって、5本も飲めば充分だよね?」


「うん…流石に最後の方は勢いで飲んでた…」


「流石お兄さん!普通じゃないねー!」


「外からも見えてたでしょ?」


「うん、青い花火みたいだった!」




舞と蓮は湯に浸かりながら今日の訓練所での話をしていた。

蓮が今日一日城の兵士達と城の外周警備に付き合っていた為、二人がどうなったかを聞きたがったのだ。

何を隠そう、一人で舞を訓練所へ向かわせたのは蓮なのだから。



「全然色っぽい話にならなかったんだねー」


「それは…最初から期待してなかったよ…」


「まぁ、お兄さんだしねー」


「どちらかと言えば…驚いてばっかり。」


「何があったの?」


「えーとね…」



舞は浩二のドM的訓練風景を詳細に語る。



「うわぁ…もう、流石としか言えないわー」


「でしょ?…岩谷さんって…ずっとあんな感じで訓練してたのかな?」


「さぁ?牢に住んでた頃の話はあんまり知らないからなー」


「蓮ちゃん…だから住んでた訳じゃないって…」



すると、突然会話に混ざる声が



「ずっとそんな感じだったわよ?」


「そうなんですか?」



身体を洗い終えたソフィアと栞が会話に入って来た。



「おかえりー、ソフィアちゃんと栞ちゃん!」


「…ソフィアさん…その話詳しく…」


「聞きたい?」


「「「聞きたい!」」」


「ふふっ、それじゃ今日は私の部屋で女子会ね!」



ソフィアが悪戯っぽく笑いながら仕切る。



「やったー!女子会っ!」


「女子会ですか?」


「楽しみですっ!」


「ふふっ、お菓子と紅茶も用意させるわね。何なら…一緒に寝ちゃう?」


「きゃーっ!ソフィアちゃんと添い寝っ!」


「私…蓮ちゃん以外とは初めてです。」


「お泊まりなんて、ドキドキです!」


「それじゃ、お風呂から上がったら枕持って私の部屋に集合ね!」



こうして女の子四人の女子会兼お泊まりが決定した。



□■□■



時同じくして男子浴場。

そこには魂の洗濯をする浩二がいた。



「…はあ”ぁ~~…染みるわぁ~~…」



さっさと身体を洗い終え、湯に浸かる浩二。

何しろ、今日は殆ど汚れていない。

ずっと魔法しか使っていないのだからまぁ当然か。


結論から言えば、魔法三種はめでたくLV10になり、見習いが消えLV1に戻っていた。

最初に元々レベルの高かった火魔法が最大になり、次に風魔法、そして転送の順だ。


火魔法が最大になった後は、風魔法を色々試してみた。

纏うだけではなく、何か出来ないかと。


結果、飛んだ。

正確には大ジャンプの方が近いかも知れない。


足の裏に風をひたすら圧縮した後、真下に噴き出す…ただそれだけだ。

初めて試した時は、真上に10m程盛大に吹っ飛んでしまい、空中で態勢を整えようと再び風を足の裏に圧縮した辺りで背中から地面に着地した。

考えてみたら、空中で多少強めの風を足から噴出した所で風を受け止める土台が無ければただの扇風機と変わらない訳で。


舞には余計な回復までさせてしまったが、彼女は最初は驚いていたが、やがて笑って癒してくれた。

「流石岩谷さんです!予想の斜め上を行きますね!」とか言いながら。


最終的にはホバーの様に足の裏から風を噴出し続け30cm程浮くという、何とも微妙で燃費の悪い技に落ち着いた。



「あんまり役に立ちそうも無いよな…燃費悪いし…」



顔を半分お湯に沈めながらブクブクする。

しかし、「要研究だな!」と目はキラキラしていた。


最後に『転送』

これは面白い事に、レベルが最高になるまでは穴自体の大きさは変わらなかったが、同時に展開出来る穴が三組に増えた。


まぁ、増えた所で同時に三組展開すると穴を通過させる為の火の玉すら作れないぐらい体力、精神力共に枯渇してしまうが。

しかし、見習いが消えた『転送』は直径で1m程の穴を開けることが出来るようになった。


結局夕方辺りまで訓練を続け、舞と浩二はお互いヘロヘロになりながら訓練所を後にした。


あ、最後にちょっとした悪戯のつもりで舞の足元に『転送』で落とし穴を作り出した。



「きゃっ!」



可愛い声を出して穴に落ちた舞は、浩二の頭の上に作った出口から落ちてくる。

そして、そのまま浩二の腕の中にスッポリと収まる。

お姫様抱っこの形で。


混乱する舞。

ある意味悪戯は成功だが…



「ははっ!ごめんな舞。今日はありがとうな。」



舞は自分の今の状況を理解すると、湯気が出そうなほど真っ赤になって俯きながら



「…はい。」



そう返事をする事しか出来なかった。

しかし、その指は浩二の袖をキュッと掴んでいた。



□■□■



「と、まぁそんな感じよ。」


「…今日の私みたいですね…」



ソファーに腰掛け人属領での浩二の訓練風景を語るソフィア。

舞は呟くように言葉を重ねた。



「そりゃーレベルも上がって無いのにステータス上がるわー」


「ですね…やり過ぎです…」



どうやら四人の中に浩二のドMっぷりがしっかり刻まれた様だ。



「あれでレベル1だもんねー」


「そうよ、コージってレベル上げる気あるのかしら?」


「何か…あんまり気にしてなさそう…」


「…と言うより…忘れてるんじゃ…」



舞の「忘れてる」のワードにハッとする面々。



「あり得るわー!だってお兄さんだもん!」


「コージ…やっぱりコージはコージね…」


「お兄ちゃんって、自力で強くなろうとしますよね…」



三人がそれぞれ感想を述べる。

酷い内容だが。


そんなこんなで女子会の夜は更けて行った…

女子会なのに色っぽい話にならないのは相手が浩二だからだろうか…


読んでいただきありがとうございます。

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