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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第二章 レベルアップと種族進化

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晩メシと新たなスキル。


疲れなど忘れたように食堂へ急ぐ浩二を止めたのはソフィアの一言だった。



「コージ!その汚れたままの身体で夕食を摂るつもり?」


「あー…そう言えば…」


「全く…着替え用意するから浴場で身体を流しなさい。」


「風呂があるのか!?」


「あるわよ。凄いのが。」


「良し!風呂に行ってくるっ!」



あらぬ方向に走り出そうとする浩二。



「待ちなさいコージ!何処に行くのよ!」


「何処って、風呂に決まってる!」


「何処にあるか分かるの…?」


「……さぁ?」


「はぁ…どれだけお風呂が好きなのよ…今着替えを用意したら案内するわよ…」


「一緒に入るのか?」


「な、な、な、何言ってるのよっ!コージの変態っ!」



一緒に風呂に入るのは変態なのか。

まぁ、確かに見てみたい気もするが…



「ダメよっ?そう言うのは、ちゃんと段階を踏まないと…っ!」


「あぁ、済まない。今度な。」


「違うわよっ!今度とか、そういうのじゃないわよっ!」


「そうか。残念だ。ソフィアの背中でも流そうかと思ったんだが…」


「…残念…っ?…まぁ…いつか一緒に…入っても…って!あぁあっ!もう!」


「どうしたソフィア?」


「どうもしないわよっ!コージなんて湯に沈んじゃえっ!…ふんっ!」



ソフィアはプンプンと怒りながら着替えを取りに行ってしまった。


その後、浩二とソフィアのやり取りを後ろから見ていた三人からジト目がプレゼントされた。



「岩谷さんって…アレですか?」


「舞…多分アレだよ。」


「そうですね…きっとアレです。」


「ナァーーォ…」



呆れた様な鳴き声と、『アレ』と言う謎のキーワードと共に。



□■□■



「魂の洗濯が終わった後は晩メシだっ!」



浩二が腹が激しく泣き喚くのを押さえつけて食堂のドアを開け放つと、そこには夕食の準備をするメイド達とすでに席に着いていた四人がいた。



「遅かったわねコージ。お湯はどうだった?」


「最高でした。もう、俺ここに住もうと思う。」


「ふふっ、良かったわ。さぁ、席について。皆で食べましょ。」


「おう!」



やけに機嫌の良くなったソフィアも気になるが、今は晩メシだ!

テーブルに並べられた豪華な料理の数々。

浩二の腹は限界寸前だった。



「「「「いただきます。」」」」


「ナァーォ!」



四人(+1)が揃って口にする。

ソフィアは両手を組み祈っている。



「さぁ、食うぞっ!もう我慢出来ん!」



浩二は胃袋に求められるままに、どんどん口へと料理を放り込んでいく。



「やべぇっ!美味いぞっ!」


「美味しいねーっ!」


「本当に美味しいです。」


「向こうのお城で食べたのよりずっと美味しいです!」


「ふふっ、良かったわ。沢山あるから遠慮なく食べて。ナオもね。」


「ナァーーォ」



ソフィアは嬉しそうに四人と一匹の食事風景を眺めながら自分も食事を始めた。



□■□■



「ふぅ…もう入らん…幸せ…」



食後のデザートまで平らげた浩二が腹を擦りながら椅子に背を預ける。



「ふふっ、お粗末様。今日はコージがこの世界に来てから初めてのまともな食事だと思って、ちょっと豪勢にしたのよ。」


「そうだったのか…なら、もっと味わって食べたら良かったな。」


「良いのよ。コージのその幸せそうな顔が見られれば充分よ。」


「…ソフィア…ありがとう。」



心からの感謝の気持ちを込めてお礼をする。



「何か…何か俺に出来ることがあれば何でも言ってくれ。」


「良いわよ、そんなの…」


「衣食住全て世話になってるのに、このままって訳にもいかないだろ?」


「そうね…分かったわ。何かあったらお願いするわね。」



ソフィアは苦笑しながらも、気持だけは受け取ってくれたようだ。

今はそれで良い。

いつか、必ずこの恩に報いよう…浩二はそう誓ったのだった。



□■□■



その日の夜。

浩二はベットに寝転がりながらステータスプレートを見ていた。



□■□■



名前 岩谷浩二(イワタニコウジ)

年齢 26

種族 ドワーフLV1

職業 人形師 氣法師

筋力 310

頑強 370

器用 250

敏捷 300

魔力 120

スキル

『黄昏の人形師』LV1

『黄昏の傀儡師』LV5

『魔核作成』LV3

『操気術』LV10

『見様見真似』LV--


『火魔法(見習い)』LV6

『パワースラッシュ(見習い)』LV3

『パワースラスト(見習い)』LV3

『鑑定(見習い)』LV6

『転送(見習い)』LV1

『半減の呪い(見習い)』LV1

『剛力「鉱物」(見習い)』LV1

『風魔法(見習い)』LV1

『瞬動(見習い)』LV1



□■□■



「やっぱり増えてるか…」



予想通りスキルが新たに増えていた。



「このまま増え過ぎると、レベル10にする前に消えちゃうな…」



そう。

見習いスキルは一定期間使わないと消滅してしまうのだ。



「取り敢えず、明日はひたすら魔法撃ちまくるか…ポーション煽りながら…」



浩二は中級ポーションの味を思い出しながら苦い顔をする。



「でも…スキル覚えたからには身に付けたいしな…」



下級ポーションの在庫がある事を願いながら浩二は眠りに落ちていった。



□■□■



「良し!やるかっ!」



朝食を摂り、ポーションの在庫が中級しかない事に愕然としながらも、萎えるやる気を何とか振り絞る。


するとそこへ回復魔法の訓練をしに来たのだろう、舞が現れた。

一人の様だが、蓮が一緒じゃないとは珍しい。

舞は浩二を見つけると、嬉しそうに駆け寄って来る。



「おはようございます、岩谷さん。これから訓練ですか?」


「あぁ、おはよう舞。うん、魔法を撃ちまくろうかと思って。」


「魔法を?…岩谷さん、精神力の方は大丈夫なんですか?」



そう言えば、舞は操気術の事知らなかったっけ。

浩二は舞に操気術の応用で精神力を体力で補える事を話す。



「成程…なら、私に協力させて貰えませんか?」


「ん?協力?」


「はい。私が岩谷さんの体力を魔法で回復させます。それなら私の訓練にもなりますし…その…」



舞の視線が浩二の足元に置いてある瓶に向けられる。

中級ポーションの瓶だ。



「マナポーションの方がまだマシな味ですし…」


「…マナポーションも…やっぱり…?」


「はい…凄く…酸っぱいです…」



味を思い出したのか、舞の顔が酸味を感じたように歪む。



「…これは…いつかポーション自体を改良しなきゃダメだな!」


「私も手伝いますっ!」


「ありがとう、舞!」



二人の何かが通じ合った瞬間だった。

読んでいただきありがとうございます。

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