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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第二章 レベルアップと種族進化

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オートマタと初めての中級。


「えーと…コージ?」


「ん?どうしたソフィア?」


「いつ話すようになったの?」


「え?何が?」


「だから、ゴーレムよっ!私と作った時は話さなかったじゃない!」



そう言えば、ソフィアと別れてからだもんな。



「訓練所でいきなり新しいスキルが使えるようになってさ、ゴーレムを強化したら声が出せないし目が見えないって言うから、魔核を使って視覚と声帯を付けたんだ。」


「コージ…」


「え?何?なんか不味かった?」



ソフィアは額に手を当てて首を振る。

もう何回目だろう、最早ソフィアのお決まりのポーズとなりつつある。



「やっぱり、能力転写はやり過ぎたかな?」


「はあ!?」


「へ?」


「能力転写ぁ!?」


「あぁ、新しいスキルの事だよ。『戦闘技術』『生活技術』『会話技術』『記憶転写』の四つを、俺を基準にして10段階で転写出来る。」


「………」


「ソフィア…さん?」



ソフィアは開いた口が塞がらない。

浩二は気付いていないが、最早それはクリエイトゴーレム等と呼べるものでは無いのだから。



「コージ…あのね?」


「はい…」



ソフィアはゆっくりと話し始める。

その目は既に座っていた。



「もう、それゴーレムって呼べないわ…立派なオートマタよ。」


「オートマタ?」


「そう。自己判断で行動出来る自動人形の事よ。」


「そうなのか?」



浩二はゴーレムに尋ねる。



「はい、マスター。初めて作られた際の種別はゴーレムでしたが、先程訓練所で能力転写を受けた際、種別がゴーレムからオートマタへ変更されました。」


「そうだったのか…」


「全く…知らずにやってる辺りがコージよね。」


「…我ながら無知なんだな…俺…」


「まぁ、凄い事は確かだし、良いんじゃない?…コージだし。」



コージという文字の使い道が定着しつつある。



「そう言えば…俺、ずっとゴーレムって呼んでたけど、オートマタって呼び直した方が良いのかな?」


「あのねコージ…もう、自己判断まで出来る立派な個体なんだから、名前ぐらい付けてあげなさいよ。」


「俺が!?」


「当たり前でしょ?マスターなんだから。」


「名前か…」



はっきり言ってネーミングセンスの欠片もないと自負している。

猫に鳴き声で名前を付けるレベルだ。



「ソフィア…お願いします、名前を付けてあげて下さい。」


「な、何よいきなり!?」


「いや、俺のネーミングセンスって壊滅的なんだわ…頼むよ。」


「まぁ、私も一応この子のマスターだし…分かったわ。」



何故か赤くなるソフィア。



「そうね…タロスなんてどうかしら?…神代の時代に造られた伝説のオートマタの名前よ。」


「タロス…うん、良いな。ありがとうソフィア。ゴーレム、今からお前の名前は『タロス』だ。」


「はい、マスター。私はタロスです。マスターソフィア、ありがとうございます。」


「良いのよ。よろしくね、タロス。」


「はい、マスターソフィア。」



表情こそ変わらないが、タロスが何処か嬉しそうに見えたのはきっと気の所為ではないだろう。


そして、三人は再び訓練したいと言うコージと一緒に訓練所へと向かうのだった。



□■□■



「お兄さん!おかえりーっ!」



蓮が元気に手を振りながら出迎えてくれた。



「おう、ただいま蓮。あれ?二人は?」


「舞ちゃんと栞ちゃんは今休憩してるよ。」


「そっか、頑張ってるんだな。」


「うん!…って…その子まさか…」



蓮がキラキラした目でタロスを見る。



「そう、新しくなったゴーレム、名前はタロスだ。」


「タロスです。蓮様よろしくお願いします。」


「うん!よろしくねーっ!タロスーっ!」



蓮はタロスの首に抱き着いて嬉しそうにしている。

やっぱり心配だったんだろうな。



「あ、そうだ蓮。俺も訓練したいんだけど、誰か適当な人いないかな?」


「訓練?多分居るよー、呼んでくるねっ!」



蓮はそう言うと訓練所の中央目掛けて走って行った。



「コージ…さっき倒れそうになったの忘れたの?」


「大丈夫大丈夫!訓練位なら。」


「全く…ちょっと待ってて。」



そう言ってソフィアは近くのドアを開け中に入ると、数分で何かを持って出て来た。



「ほら、ポーションよ。一応体力も回復するから飲んでおきなさい。」


「あ、ありがとう。…ソフィア…?随分と綺麗な色のポーションだけど…」



浩二の知っている下級ポーションとは明らかに違う濃い透き通った青色の液体が入っていた。



「一応中級ポーションよ。上級は切らしているらしくて。」


「中級…」



浩二の頭の中にスミスが良い笑顔でサムズアップしている姿が浮かぶ。

確か、クラスが上がるにつれ不味さも上がる仕様だった筈だ。


意を決して浩二はポーションの蓋を開けると、漂ってくる爽やかな香り。

清涼感を感じさせるハーブの香りだ。



「クソッ!俺は騙されないぞっ!」



そう言って浩二は一気にポーションを煽る。



「……ぐぼぁっ!あぁあっ!不味ぅっ!あぁっ!ゲホッ!ゲホッ!」


「コージ!?」


「あぁ…ダメだ…こんなの製品化しちゃダメだ…」



地面に膝を付きガックリ項垂れながら呟く浩二。



「大丈夫!?コージ!」


「ソフィア…」


「何?何処か具合が悪いの?」


「…俺…自分の原点を思い出したよ…」


「え?コージ…何?」



そう、原点。

あれだけ思い焦がれた原点。



「俺…美味しいポーションを作るよ…」


「……そんなに不味かったの?」


「…俺の知る限りの青臭い物を全て濃縮して、それに生臭さを足した感じの味だ。」


「…それはまた…なんかゴメンねコージ。」


「良いんだ…ソフィア。お陰で原点を思い出せたよ…ありがとう。」


「…う、うん、どういたしまして。」



項垂れたままの浩二をソフィアが複雑な表情で見ていると、蓮が兵士達を引き連れて帰って来た。

兵士達?



「お兄さん!皆がお兄さんとやりたいって!…どうしたのお兄さん?」


「蓮の嬢ちゃん。コージの旦那なんだか既にグロッキーなんだが…?」



連れられて来た兵士が浩二の様子を見て蓮に尋ねる。



「ふふふ…やってやるよ…」


「…お兄さん?」


「やってやらぁっ!何人でもかかって来いやぁっ!」


「お兄さん!?」



浩二のやり場の無い遣る瀬無さが今爆発した。

読んでいただきありがとうございます。

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