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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第六章 蘇る悪魔

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出陣。


「あ、あんた大丈夫か!?」



ここまで何度と無く仲間達を吹き飛ばして来た丸太の様な漆黒の触手をまさかの後頭部で受け止めたナオに対してアゲイト族の2人が驚きを通り越した表情で問いかける。


いや、もしかすると色々大丈夫か?・・・・と心配されているのかも知れない…主に頭の中身に対して。



「大丈夫!大丈夫っ!お兄さん達は避難してて!後は私がやるからっ!!」


「ちょっ!?待てって…うおぉっ!?」



新たに追加された触手を右裏拳で弾き飛ばすナオ。

その弾かれた触手が地面に激突した音で再びビビる2人。


強者の雰囲気など微塵も感じさせないナオが、まるで触手の重み等感じていないかの様に次々弾き飛ばしている姿は、何処か別世界の話を見ているようだった。



「ねぇ、お兄さん達?」


「ん?あぁ、何だろうか?」



余所見をしながら3本に増えた触手を相手にしつつ二人に話しかけて来るナオにヒヤヒヤしながら返事を返す。



「雪に埋まってて今気付いたんだけど…この辺りって街?…なら壊しちゃ不味いかな?」



この状況で建物の心配を始めたナオに顔を見合わせ吹き出しそうになりながら



「大丈夫だよ、お嬢ちゃん。この辺りはもう何十年も使って無いんだ。今じゃ魔獣の棲家になってる場合もあったりするから、均してくれるんなら逆に助かるよ。」


「そっか。ならここで暴れても大丈夫だね!」


「あ、あぁ。でも!この先1kmぐらい先に居住区があるから、そこまで行かれると不味いんだ。」


「なるへそ。了解したよっ!浩二ぃっ!!」


「あぁ、こっちもドルギスさんから聞いた。もうやっても良いか?」



少し後方の雪山の上から浩二の返事が聞こえた。



「良いよーっ!ほら、お兄さん達も避難して!」


「あ、あぁ。気を付けてな嬢ちゃん!」


「うんっ!任せてっ!」



ナオに促され戦線から去って行く2人の兵士。

浩二は、その2人が足元を通り過ぎたのを見るとほぼ同時に地面…と言うか、雪に包まれた建物に右手で触れる。


ズゥン…!


軽い地揺れが1度だけした。



「何だ!?」



先程の兵士の1人が揺れに気づき慌てて振り返る。

そこには…



「なんだ…コレ…」



壁。

視界の先ほんの数mから高く聳える十数m程の壁。

その壁が左右数百mに渡り突然現れた。

飾り気の無い無骨な石造りの壁だ。



「うっし!ナオーっ!こっちは大丈夫だ!好きにやれ!」


「うん!ありがとう浩二っ!」



そして、壁の上に立つ浩二がナオに向かい叫ぶ。

それに元気に応えるナオ。



「…2人は一体何者なんだ…?」


「アレは『傀儡の魔王』コージとその従者だ。」



何とか絞り出した言葉に答えたのは…



「ドルギス様っ!?…それにガイア様まで!?」


「おう!ご苦労だったな。戻って治療に専念せよ!ここはもう大丈夫だ。」


「まぁ、やるのは主にナオだがな。」



ドルギスが頬の辺りの鎧をポリポリと掻きながら言う。



「ナオとは…あのお嬢ちゃんの事ですか?」


「あぁ、そうだ。」


「…大丈夫なんでしょうか?俺達も必死に抵抗しましたが…この有様です。あんなお嬢ちゃんに何とか出来るんですか?」


「…ふむ。…コージよ!」


「ん?あ、はい。何ですか?ドルギスさん。」



ドルギスは壁の天辺で腕を組んでナオの戦闘を見ていた浩二に声を掛ける。



「この2人がナオの戦いを観戦したいそうだ。」


「「はぁ!?」」


「んー…良いですよ?ちょっと待ってて下さいね。」



驚く兵士2人。

あっさり了承する浩二。



「ドルギス様!何を!?」


「いや、ナオが心配なのだろう?なら、見た方が早い。」


「ふふっ、全くの杞憂だったと気付くだろうな。」



『魔王』と元『大魔王』の言葉に不安を感じる響きは感じられない。

それどころか、安心し切っている雰囲気さえある。


一体何者なんだろう?

『魔王』の従者とドルギス様は言った。


そして、未だ頭の整理が追い付かない二人の目の前に六角形のゲートが開き、更なる混乱を招いたのは言うまでもない。



□■□■



「さーて、心配も要らなくなったし…やるかっ!」



背後に頑強な石壁が出来たのを確認したナオは、襲い来る3本の極太触手を両手で抱え込むと、3回転ほど振り回し斜め上へと放り投げた。

ナオの身体では本来絶対に浮き上がらない筈の巨体を軽々と振り回し、空を舞うソイツにいとも簡単に空中で追い付いたナオは、巨大化させた右腕で無造作にブン殴る。

まるで瞬間移動したかのようなスピードで大地へと叩き付けられた思いの外柔らかいソイツの身体は衝撃の為限界まで薄く伸びる。

しかし、流石に簡単には終わるはずも無く、何事も無かったかのように直ぐに元の歪な球体にその姿を戻した。



「流石はスライムの王様…いや、皇帝かぁ。」



ナオは姿の戻ったソイツに言った。

しかし、言葉を発する訳もなく再び触手にてナオへと襲い掛かる。


ナオが何故そんな事を知っていたか。

まぁ、『鑑定』したからなんだが…先程までひたすら受けに回っていた段階で…だ。


種族『エンペラースライム異常種』

元のエンペラースライムを知らないナオは、何が異常種なのかは分からないが、とりあえずスライムのエンペラーなのだと言うことであの台詞な訳だ。


そして、鑑定の結果で幾つか気になるものを見付けた。


まずは『魔法吸収』と『物理攻撃確率反射』の二つだ。

『魔法吸収』は、文字通り魔法を吸収し自らのエネルギーに換えるスキルだ。

そして、『物理攻撃確率反射』は、物理攻撃を決められた確率で反射する…こちらも見たまんまだが、こちらには少し補足事項があり相手に反射させる物理攻撃に力を上乗せ出来るのだ。


つまり、魔法をその身に受けエネルギーを溜め、物理攻撃を受けて反射する攻撃に先程のエネルギーを上乗せするのがコイツの必勝法なのだろう。

しかも自分からだって攻撃出来るし、スライムには主に魔法が有効と言う世論により誘い受けも完璧だ。


体長約6m、幅10mと言ったところだろうか。

所々歪だがほぼ綺麗な饅頭型をしている。

色は漆黒、動きは鈍重。

しかし、その攻撃だけは凶悪だ。

丸太より太い…直径1、2mぐらいだろうか…の身体と同じ漆黒の触手をほぼノータイムで打ち出してくる。

しかも重い。

人の十人やそこらなら軽く吹き飛ばす。

その触手をナオが確認しただけで同時に3本…まだまだ出せるであろうが。

そして、全身触手も含め全てに『物理攻撃確率反射』と『魔法吸収』が付与されている。

運も絡んでくるだろうが…ノリ出すと手が付けられなくなる手合だろう。

いつも読んでいただきありがとうこざいます。


気付くといつの間にかブックマークが300人を超えていました!!

本当にいつもありがとうございます!


これからも『あれ?ドワーフって魔族だったっけ?』をよろしくお願いします。

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