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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第五章 砂の大地

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先ずは土地を均そう。


ゲートを抜けるとそこには何時ものポーズをとるソフィアがいた。



「えーと…アレは何?」


「あ、ただいま。アレはターボジェット…いや、ファンが無いからラムジェット…いやいや、ラムは無いし…んー、魔法式ジェットエンジンだな。」



いやぁ、魔法って素晴らしいな。



「ジェット…?良く分からないけど、あの轟音は何?」


「アレは圧縮した空気に火がついた時に鳴った爆発音だよ。」


「爆発ってアンタ…つまり、足元を爆発させてその威力でスッ飛んだって事?」



身も蓋もない事を言い出すソフィア。

まぁ、間違えてはいないが。



「…凄く大雑把だけど、その通りだから返す言葉も無い。」


「…ジェットだったっけ?コージの元いた世界の技術なんでしょ?」


「うん、まぁ…あっちは魔法が無いから、こんなに簡単に再現出来たりしないんだけどな。」


「まぁ、危険が無いなら良いわ。それより、候補地はどうだった?」



すっかり慣れた様子でスルーするソフィア。



「景色はあんまり変わらないかな?まぁ、ゴツゴツした岩肌が剥き出しの山岳地帯みたいなもんだな。」


「屋敷、建てられそう?」


「取り敢えず一番高い位置を平に均してから壁と仮住まいを作っちゃおうと思うよ。」


「まぁ、まずは行きましょ。私でも何かアドバイス出来るかも知れないしね。」


「頼むよ。んじゃ行こう。」



2人は顔を見合わせ足元に作った予定地行きのゲートにヒョイと飛び込んだ。



□■□■



見渡す限り小高い岩山。

砂は少なく、どちらかと言えば脆い岩肌が剥き出しの大地。

そして、少し強めに吹く風がその脆い岩を削り取りある種独特の景色を作り出していた。


周りより一段高いその場所は、大灯台とは違い文字通り領地の全てを見渡すことが出来た。



「向こうにギリギリ大灯台が見えるわね。」



ゲートを抜けて丁度真正面に一際強く赤色の光を放っていたのは先程まで居た第一拠点である大灯台だ。

それでもこの場所から数百kmも離れているにも関わらずそれが見えるのは、この山脈も更に高い場所にあるからだろう。



「なら、この辺りを均しちゃうか?」


「いいの?そんなに簡単に決めて。」


「いやさ、ここで悩んでもあんまり意味無いだろ?広めに均しとけば何にでも使えるしさ。」


「コージが良いなら良いんだけどね。でも、転移陣から遠くて不便よ?」


「まぁ、その辺は後から運河なり道路なり整備するさ。それなりの乗り物もね。」



これだけ広い領地だ。やはり乗り物の類は必要だろう。



「この過酷な環境下で馬車を引く動物がいるかしら…?」


「ソフィアさん、俺の肩書き忘れた?」



何気無い浩二の言葉にハッとしたソフィアは



「ゴーレムを使うのね?」


「うん、一応そのつもりさ。まぁ、それもこれから色々試行錯誤しなきゃな。」



ソフィアと会話しながらも、辺りを見回し整地する範囲をザックリと決める。



「コロン?」


「はいです、御主人。」


「えーと、ここから…あの辺まで地均しちゃいたいんだけど、手を貸してくれる?」


「この辺りはあんまり土の元気が無いですが…頑張るのです!」


「よし、ソフィア。取り敢えず俺の後ろ辺りに居てくれる?」



ソフィアは頷くと小走りで浩二の後ろまで走り寄る。



「コロン、やるぞ!」


「はいですっ!」



浩二の右掌と、コロンの小さな両手が乾いた地面に触れる。

次の瞬間、砂煙と轟音を上げて山が沈んだ。

続いて谷から地面が盛り上がってくる。


まるで大地が生きているかのように上下にうねり、荒くはあるが地面が均一に均されてゆく。


十数分後、学校のグラウンド二面分ほどの土地が目の前に広がっていた。



「……ホントにアンタは…」



ソフィアがいつものポーズで呆れている。

作業を始めて直ぐにこのポーズになっていたが。



「御主人っ!やっぱり御主人は凄いのですっ!」


「うおっ!?」



感極まった様に浩二に抱き着くコロン。

胸の辺りにしがみつき顔を浩二にグリグリしている。



「なんだか、いつもより簡単に出来た気がする。コロンのお陰かな?」



それを聞いたコロンはしがみついたままガバッ!と浩二を見上げる。



「本当です!?嬉しいですっ!…でも、やっぱり御主人は凄いのです。」


「コロン?具体的にはコージのどの辺か凄いのかしら?」



いつも通りのトンデモ行動にしか見えなかったソフィアはコロンに聞いてみる。



「今、この場所は土の魔素で溢れてるです。…でも、さっきまでは火と風の魔素が殆どを占めていたのです。御主人は、その火と風の魔素を一度無属性魔素に戻してから土の魔素に変えてくれたです。」


「…それって、普通じゃないわよね?」


「だから凄いです!魔素の変換は大妖精でも難しいのです!」


「…多分、本人は自覚無しよ?…ね?」



興奮気味に力説するコロンを見ながらポリポリと頰を掻く浩二。



「あー…意識はしてないよ。ただ、土の魔素を集めようとしただけだよ。この辺りは土の元気が無いって言ってたからね。」


「やっぱり。」


「無意識で…です?流石は御主人です!全く参考にならないのです!」


「…ははは。」



乾いた笑いを浮かべながら、浩二は次の行動に出る。



「コロン、チャッチャと次行くぞ!」


「は、はいですっ!」



再び地面に触れた二人は手に力を込めた。

浩二は城壁を作る為、コロンはサポートをする為。


地響きと共に均した地面の範囲が立派な城壁で囲まれて行く。

まるで最初から地面に埋まっていた城壁が生えてきた様に。


この場所に来るまで、何度となく作って来た城壁。

最早想像はお手の物だ。



その姿を見たコロンは瞳をキラキラさせていた。

あの時と同じだ…あの魔の森の土壁の時と。


圧倒的な魔素に対する支配力。

無属性の魔素と土の魔素が足りなければ、他から分捕ればいいと言わんばかりに力強く。


始めてそれを見た時、震えた。

全ての土を支配し、他の属性すら土に跪かせる。

怖かったのでは無い。


その一瞬で惚れてしまったのだ。


自分が土の妖精だから、土を行使する彼に特別な感情を抱いたのかも知れない。


常春の国に戻りその話をした時の女王様の楽しそうな顔が忘れられない。



「ふふっ、貴女もこれから大変よ?」



と嬉しそうに呟いた事も。





読んでいただきありがとうこざいます。

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