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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第五章 砂の大地

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ドローン。


「ただいまっ…と。タロス、どうだ?」



浩二はゲートを潜り展望台へと飛び出すと、タロスが地図を刻む土の板を覗き込む。

先程浩二の付けているピアスにタロスから連絡が入り、一応半径150kmの範囲は終了したとの事だったで様子を見に帰って来たのだ。


そこには丁度中心部に円形の平地が刻まれており、その範囲は凡そ領地の100分の1程だった。



「まだまだ先は長いな。」


「はい、マスター。」



分かってはいたが、完成にはまだまだ時間がかかりそうだ。



「ねぇ、浩二に幾つか聞きたいことがあるんだけど…」


「あ、私もです。」



麗子と舞が、帰って来た浩二に歩み寄る。



「ん?どうした?」


「ちょっと気になったんだけど…聞いても良いかしら?」


「あぁ、構わないよ。舞は?」


「私は麗子ちゃんの後で良いよ。」


「それじゃ、遠慮なく聞くけど…もしかして、これと同じ事を後100回以上繰り返すつもり?」


「あぁ、そのつもりだけど。」


「…やっぱり…アンタは気が長いのか短いのかどっちなのよ。普通に考えれば、タロスがアンタの位置をトレース出来ている時点でアンタがやる必要がどこにも無いじゃない。」


「そうですよ。岩谷さんならドローンとか作れそうですし。」



舞も同じ事を考えていたんだろう、途中で話に割って入って来た。



「ドローンか…考えもしなかった。」



浩二はボソリと呟く。

恐らく本当に全く頭に無かったんだろう。



「前にも言ったけど、やっぱりアンタは1人で突っ走る前に誰かに相談した方が効率が上がると思うわ。」


「そうですよ。みんなで考えた方がより良い案が出るかも知れませんし。」


「でも…迷惑じゃないか?」


「単なる相談の何が迷惑なのよ…」



浩二の物言いに呆れたように口にする麗子。



「まぁ、良いわ。浩二ってドールは作れないの?」


「作れるよ。このピアスもドールの応用だし。」



タロスの耳で揺れるピアスと同じ物を見せる浩二。



「これは相手に言葉のみを伝える魔道具だ。まぁ、トランシーバーみたいなもんだな。」


「確かドールって五感をリンクさせる事が出来るのよね?」


「あぁ、俺の魔核を使ってドールを作れば殆ど自分の身体と変わらない五感を得られる筈だ。」


「なら、その『視覚』だけをMAXにしたドローンは作れないかしら?」


「視覚だけ?」


「そう。タロスがその視覚越しに『千里眼』を使えれば…」



浩二はハッとして麗子の言葉の続きを口にする。



「タロスは移動しなくても、ドローンが代わりに移動すれば何処までもトレース出来る。」


「そういう事。」


「もし、タロスが複数のドローンを同時に処理出来るのであれば、もっと効率が上がりますしね。」



舞も追加で案を出してくる。



「…成程。よし、タロス。今からちょっと作ってみるから、実験してみよう。」


「了解しました、マスター。」



浩二は、ゲートを開きガラス工場から石英ガラス少し持って来ると、その場でドローンを作り始める。



「ガラスで作るとか…隠密性を上げる為?」


「いや、手持ちの素材がコレと砂と土しか無いからだよ。」


「そう。…てっきり覗きが目的かと思ったわ。」


「覗くだけなら『透視』と『千里眼』があれば充分だろ?」


「…まぁ、充分ね。面白味がないけど。」



そんな下らないやり取りをしている間に出来上がるガラスのドローン。

とは言っても、球体の真ん中に魔核が埋め込まれ、斜めに3箇所ぶつからない位置にプロペラが付いている。

プロペラが1箇所だと本体が回転してしまうから3箇所にしてバランスを取った。

本体が円形の為そのままでは転がってしまうので、本体の下部に円形の脚をつけた。

本体もプロペラも全て石英ガラス製の為、上空を飛ばれても音に敏感ではない限り気づく事は難しいだろう。



「よし、タロス。視覚のみをコイツとリンクさせてみてくれ。」


「はい、マスター。……リンク完了、視界良好です。」


「次は飛行だ。まぁ、難しくはない。単に飛ぼうと意識すればそれに応じてプラが回る筈だ。」


「…了解しました。……成功しました。操作性も良好です。」



目の前から飛び立ったドローンは、辺りをトリッキーな動きで縦横無尽に飛び回る。

プロペラの回る音も思いの外静かで、意図せず麗子の言うように隠密性が高くなってしまった。



「後は確認だ。リンクした視界越しに『千里眼』は使用可能か?」


「……はい。問題なく使用可能です。最大距離も150kmと通常と変わりありません。」


「よし、実験終了だ。ドローンを回収。」


「はい、マスター。」



素早く飛び回っていたドローンはタロスの指示により元の位置へと静かに着陸した。



「タロス、今のドローンを視覚をリンクして何体なら同時に飛ばせる?」


「そうですね…あの操作性でしたら、後5体程ならば問題ないかと。」


「意外と行けるな。」


「しかし、大地のトレースを同時に行うとすると…3体が限界だと思われます。…それも、今後の最適化やドローンの同期が出来るようになれば改善されます。」


「分かった。なら、同じドローンを後4体作ってタロスに渡しておく。使うかどうかの判断は任せる。」


「はい、マスター。では、ここから立体地図作成は私に一任して頂けるのですね?」


「あぁ、頼めるか?」


「はい!お任せ下さいマスター!」


「あぁ、無理はするなよ。ゆっくりで良いからな。」


「はい、マスター。」



浩二の役に立てる事が嬉しいのだろう。

タロスは早速とばかりに3体のドローンを空へと放った。



□■□■



タロスに地図作りを任せた浩二は次の作業に移ることにする。



「次は何をするんですか?」



一緒に物理結界を滑り降りながら舞が話し掛けてくる。

案外綺麗なフォームで浩二と並ぶ様に滑る。



「次は運河を作ろうと思ってるんだ。」


「運河?」


「あぁ、でも、その前に色々試さなきゃならない事があるからそっちと同時進行かな?」



今、浩二の頭の中にあるプラン。


東からの風をある程度防ぐ防風林…それが無理なら城壁。

砂地の緑化と岩盤の農地化。

取り敢えずこのどちらにも水が必要だ。

しかし、この環境下でいくら水を撒いてもすぐに蒸発してしまう。

そんな事を続ければいつか大地は塩化してしまう。


ならば蒸発しないように大地に水を留めておく必要がある。

蒸発せずに大地に留まり、適度に大地を流れる。

そうすれば、照り付ける太陽は寧ろ恵の太陽になる筈だ。


先ずは森に詳しい人に話を聞こう。

乾燥と寒暖差に強い植物も必要になる。



「まだまだ忙くなるぞっ!」


「程々にして下さいね…?」



舞が少し心配そうに浩二を見る。

多分…程々では止まらないんだろうな…と溜息をつきながら。

読んでいただきありがとうこざいます。

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