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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第四章 新しい種族と新しい魔王

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女風呂。


「だから、基本は面制圧よ。素早く避けられるなら、避けられないぐらいの範囲で攻撃すれば良いでしょ?せっかく半ば無尽蔵の精神力があるんだから、使わなきゃ損よ。」


「それは分かりますけど…やっぱりこう…一撃に賭けると言いますか…」


「コージ相手にそれは無理じゃない?あの感の良さは異常よ?」


「それは良く分かります。」



キッパリと答える麗子。

その事に関しては異論は無い。



「だから、面で逃げ道を限定して罠を張るのが一番妥当じゃないかしら?」



身振りを加えて説明するシルビア。

身体に似合わない膨らみがフルフル揺れている。



「……何でよ…」


「まぁまぁソフィア。女は胸じゃないわよぉ~♪」



お湯に半分顔を沈めながらシルビアの胸をジト目で見ていたソフィアの頭に乗るミラルダの豊満な何かが二つ。

意外と重いのが更にムカつく。



「だから何なのよっ!この魔乳はっ!」



頭をブンッと降って頭の何かを振り払うと、今度はその膨らみを乱暴に揉みしだく。

腹立つ!腹立つ!と言いながら。



「ああんっ♪ソフィアったらぁ♪もっと優しくぅ♪」


「…ソフィアさん…その位にしてあげては?」



若干距離を取りながら舞がソフィアに言う。


その言葉に視線を向けたソフィアがゆっくりと舞に躙り寄る。



「…舞…そのお湯に浮いてる二つの物は…何かしら?」


「え?あ、その…」



身の危険を感じたのか胸を隠し距離を取ろうとした舞に素早く近付き後ろから徐に鷲掴みにする。

何を鷲掴みにしたのかは言うまでもないだろう。



「きゃあっ!やめて下さい、ソフィアさんっ!」


「むっ…微妙に感触がミラルダのとは違うのね…」



言わなくても良い感想を述べながら感触を確かめるようにムニムニする。

舞の顔がみるみる真っ赤になるのを見兼ねたのか、蓮が羽交い締めにしてソフィアを引き剥がす。



「ソフィアちゃん、どうどう。」



暴れる動物をあやす様に口にする蓮。



「…蓮…アンタも何気にあるわよね…」


「へ?」



ソフィアの背中に当たる柔らかい感触。

確かに舞やミラルダ程ではないが、しっかりと主張する程度にはある様だ。



「…成程…アンタも…敵ね…?」


「ソフィアちゃん…?」



緩んだ蓮の腕の中でグルリと180度回転したソフィアは目の前にある膨らみをロックオンする。



「これは…確かめなきゃね…」


「ちょっ!ソフィアちゃん!?」



瞬く間に鷲掴みにされるターゲット。



「ふむ…掌より少し余る位だけど…悪くないわね…」



ターゲットをモニュモニュしながらマイスターみたいな事を言い出すソフィア。

目的が既に何処にあるか分からない。



「ソフィアちゃん、あんまり騒いじゃダメだよ!」



蓮に引き剥がされそうになりながらもターゲットを離さないソフィアに向かい、腰に手を当て仁王立ちで注意するナオ。

女のソフィアから見てもその均整のとれたスタイルは目を見張るものがあった。

そして、小振りながらもしっかりと主張する膨らみも。



「…アンタ、マシナリーの癖に何でこんなに柔らかいのよっ!オリハルコンじゃないの?コレ!」



目にも留まらぬスピードでターゲットを変えたソフィア。

後ろでは蓮が胸を抱えホッとしている。



「ん〜、浩二が作ってくれたから分かんない。」


「…コージ…この位が好きなのかしら…?」



その言葉にバッ!と首を回す若干三名。

巻き込まれないように隠れていた栞と舞にミラルダだ。



「…ん〜…多分だけど、浩二はおっぱいには大して興味無いんじゃないかな?」


「…そうなの?」


「うん、だって向こうで猫の時に見た事あるけど…部屋にあった雑誌は…」


「おい!ナオッ!それ以上はダメだっ!!」



男湯から響く浩二の怒鳴り声。



「ナオ、その話詳しく。」


「えー…でも浩二に怒られるし…」


「良いから話すのよナオ。」


「ナオちゃん、詳しくお願い。」


「ナオちゃん!」


「なになにぃ?コージ君の性癖の話ぃ?」



あっと言う間に取り囲まれるナオ。



「あはは…みんな!ゴメンっ!」



素早く湯船から飛び上がり脱衣場へ走り出すナオ。



「逃がさないわよっ!」


「捕まえて吐かせるのよっ!」



必死なソフィアと何故かノリノリの麗子。


頑張れナオ!

浩二の名誉の為に!



□■□■



「なぁ、兄貴。ソフィアの姉貴っておっぱいマイスターなのか?」


「知らん。」


「で?コージは胸に興味が無いのか?」


「知らん。」



女湯から丸聞こえなソフィアの痴態に溜息をつきながら、ナオの口封じをする事を心に誓った。


そして風呂から上がり、食事を終え部屋に戻ろうとした浩二の横を通り過ぎる麗子。

通り過ぎざまに「お尻が好きとか、変態ね。」という言葉を残して。


バッ!と振り返る浩二。

口を押さえニヤニヤする麗子。


ナオの方へと視線を向けると…サッと視線を逸らすナオ。



「ナオっ!お前っ!」


「あぁっ!浩二っ!ゴメンなさいっ!」


「余計なことを言う口はこの口かっ!」



頬を摘み左右に引っ張る。



「ほへんははいっ!ほへんははいっ!」


「全く!」


「許してあげなさいよ、お尻マイスター。」


「誰がマイスターだっ!」



麗子が不本意な称号を浩二に与えて逃げ出した。


この日からソフィアが執拗に女性の胸を襲う事は無くなったと言う。

シュレイド城は少しばかり平和になった様だ。



□■□■



明くる日の昼頃。

いつもの訓練所がざわめきに包まれていた。


その原因はと言うと…



「…やはりこちら側だったか…」



ガックリと肩を落とすシュナイダー。



「頑張ろうね!浩二っ!」



浩二の腕に絡まり御機嫌なナオ。

どうやら昨日の件は許してもらえたようだ。



「…なぁ、兄貴?…こっち側って何すんの?」



嫌な予感を拭い切れず浩二に訊ねる猛。



「えーと、魔法の的じゃないか?」



猛の淡い期待をバッサリと切り捨てる浩二。


対して砲台側は



「手筈通りに行くわよ。」


「ええ、了解よ。」



シルビアの言葉に頷く麗子。



「ふっふっふ!火達磨にしてくれるわっ!」



ノリノリの蓮。



「私もぉ、魔法位使えるのよぉ♪」



初参戦のミラルダは上を向けた左の掌の上に竜巻の様な何かを浮かべ、

右手には眩い輝きを放つ珠が握られていた。



「ふふっ、コージ君のぉ漏れ出すものまで美味しいわぁ♪」


「「言い方っ!」」



ぺろりと舌舐めずりをするミラルダにビシッと指を指し注意する浩二とソフィアの二人。



「怪我の無いようにして下さいね。」



純白の杖を片手に心配そうな舞。

隣で栞も扇を持ってスタンバイ中だ。


この二人が居れば腕が千切れる程度なら難無く回復出来るだろう。


そして、遂に的VS砲台の戦いが始まる!

読んでいただきありがとうございます。

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