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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第四章 新しい種族と新しい魔王

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アニマルマシナリー(4)


「なんか…ごめんな。」


「良いわよ。それより続きをお願い。」


「あぁ、分かった。この『赤龍の鱗』ってのが予想通りとんでもない代物で、赤龍の力をある程度使えるみたいなんだ。ドレスアーマーを身に纏った状態のソフィアは高魔法防御、高物理耐性、火魔法威力上昇、短距離飛行可能、物理攻撃力上昇…等々ちょっとしたドラゴンの子供みたいになってる。」


「…何よそれ…」


「加えて…」


「まだ加わるの!?」


「勿論。『カグヅチ』の魔核も新調した上、そのドレスアーマーの機能との相乗効果で軽く10倍以上の威力になってる筈なんで、手加減しなきゃ災害レベルになるから気を付けて。」


「……これは…流石に予想外だわ…」



この日ソフィアはドラゴンになった。

正確にはドラゴンの力を得た…だが。



「さて、次は…猛。」


「………」


「どうした?」


「……いやさ、ソフィアの姉貴が不憫でよ。」



額を押さえ首をフルフルしているソフィアを見て苦い顔をしながら口にする猛。



「んじゃ、猛は装備要らないか?」


「いやいやいや!ソレとコレとは話が別だ!バッチ来いっ!」


「よし、ほら。」



浩二は直径30cm程のボールのようなものを猛に放り投げる。



「うおっ!?何だよ!俺だけ雑じゃねーか?…ん?」



反射的に受け取り抗議していると腕の中のボールのようなものがピクリと動いた気がした。

その動きはやがて激しくなり、球体に幾つかの断面が刻まれるとパカッと音がする様に左右に開く。



「うおっ!?」



受け止めた時と同じ様な声を上げて咄嗟に手放してしまう。

そのまま地面へと落下したソレは着地寸前に綺麗に裏返り六本の脚で着地した。

見た目はアルマジロに見えなくも無いが、先程まで丸かったとは思えない程攻撃的なフォルムの鱗に覆われた小さいドラゴンの様に見える。


その小さなドラゴンは自分を手放した事が気に入らないのか、鼻をフンフンいわせながら猛に抗議する。



「…なぁ、コレ怒ってるよな?」


「多分な。」


「…あぁ、スマン!いきなりだったからびっくりしてよ。」



猛は小さいドラゴンの側でしゃがむと、両手を合わせて謝る。

すると、言葉が分かるのだろうコクリと頷き一瞬で球状になると何度も猛の足に体当たりして来る。



「…えーと、どうすりゃ良いんだ…?」



浩二に助けを求める猛。



「遊んでやれば良いんじゃないか?」


「遊ぶ!?どうやって…」


「…そりゃ、」


「あー…言わなくて良い、何となく分かったよ。」



猛はそう言うと、覚悟を決めて球状になった小さいドラゴンを足の甲で掬い上げる様に蹴り上げた。



「よっ!ほっ!よっ!」



膝、肩、胸、脚…次々とリフティングされる小さいドラゴン玉。

なかなかの技術だ。

難を言えばサッカーボールよりもドラゴン玉が大きい事位か。


そのままリフティングを続ける事数分、高く蹴り上げたドラゴン玉を両手でキャッチする猛。



「どうだ?満足したか?」



両腕の中に収まるドラゴン玉に話し掛ける。


すると、先程までとは違いゆっくりと身体が開き攻撃的なドラゴンフォルムに戻るとガバッ!と音がする位の勢いで猛に飛び掛る。



「何っ!?」



そのまま押し倒され顔を少し細長い舌でペロペロと舐め回された。

どうやら満足して頂けたようだ。


尚も舐め続ける小さいドラゴンを何とか引き剥がし立ち上がる猛。



「はい、猛。アンタも大変ね。」


「…いやいや、姉貴程じゃねーよ。」



立ち上がった猛に同情の言葉と共にナイフとポーションを手渡すソフィア。


引き剥がした小さいドラゴンは猛の左腕にしがみついている。

どうやらそこが気に入ったらしい。


猛は指先を切ると頭を上にしてしがみついている小さいドラゴンに差し出す。

しがみついたまま舌を伸ばしてぺろりと舐めたドラゴンはやがて淡く光り始めた。



「お前の名前はマジロだ。」



光が収まった小さいドラゴンの顎をコリコリしながらその名を呼ぶ。

気持ち良さそうに目を細めるマジロ。

どうやら名前に不満は無いらしい。



「うっし!マジロ!変身だっ!!」



ヤル気が回復したのか、マジロがしがみついた左腕を天高く突き上げ声も高らかに叫ぶ。

その声に応えるようにマジロが眩く輝き猛を包み込む。


光が消えたそこには、左側重視の半身鎧を身に纏った猛が左腕を突き上げたまま仁王立ちしていた。


元々のマジロの赤黒い甲殻がそのまま鎧になった感じだ。

デザイン的には非常に攻撃的だが、左半身はほぼ隙間なく鎧で覆われ、右半身は『紅蓮の篭手』と腿の中程までを覆うグリーブがあるぐらいだ。


何より特徴的なのは、左腕を覆っている盾だろう。

マジロがしがみついたまま盾になった様な感じだ。



「おおっ!ちょっと趣味的だけど格好良いなっ!」



猛は自分の姿をマシマジと眺めながら嬉しそうにしている。



「よし、それじゃ説明するぞ。」


「おう!頼むぜ。」


「まず、今回『紅蓮の篭手』を最初から作り直した…とは言っても素材をオリハルコンにしただけだけどな。」


「お、おう。」



早速精神的ダメージを受ける猛。

新しい紅蓮の篭手を見ながら何とか返事を返す。



「でだ、『紅蓮の篭手』自体はそのままだ。新たに作った武器はモーニングスター。名前は『キャノンボール』だ。その『キャノンボール』に加えた素材が『車輪竜の炎殻』って言って、ホイールドレイクって魔物の変異種の素材らしい。」


「…ホイールドレイクって、あの群れで現れて何もかも破壊しながら転がってくって言うあの?」


「そうらしいな。で、その変異種なんだが…これまたソフィアのお祖父さんが…」


「…本当に大概だな姉貴の爺さん…」


「まぁ、それはそれとして、その変異種は火属性に特化してるらしくて他の個体と違って炎を纏って突っ込んで来るらしい。でホイールドレイクの特性としてその堅牢な甲殻で身を守ったり転がって攻撃したりするんだが、今の猛の左腕に付いているのが盾バージョンだな。」


「へえ…」



盾を眺めながら猛が唸る。




遂にブックマーク登録数が100人に到達しました!!


朝マイページ行って「うおっ!?」ってなりました。


本当にいつも拙い文章を読んでいただきありがとうございます!

基本学がないもんで…もっと引き出し増やさなきゃといつも思っています。


これからも更新を続けて行きますので、どうぞよろしくお願いします!


さて、仕事の続きしなきゃな…

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