第七十四話 ミスコン
次の日、月光祭2日目─────
『さあさあ、男性諸君、お待たせしましたぁ!!本日はいよいよミスコン開催だぁ!!』
「「「「うおおおおおおお!!!!」」」」
始まったよ、またいつものノリだよ。
「ふむ、ジークよ。誰が優勝すると思う?」
「まあ、あの4人の中の1人でしょ」
「エステリーナに決まっているだろう!!」
「あーはいはい」
ここ、中央広場に設置されたミスコンの会場には、ものすごい数の男達が集まっている。まあ、女性も結構いるんだけども。
そして俺達は、
『今回は特別ゲストとして、ギルドエースであるイツキ・ロンドさんと、王都の英雄ジークフリードさんにお越しいただいてまーす!!』
「どうもー」
「優勝するのは我が妹だ・・・!」
特別ゲストとして前に呼び出されていた。
『さあ、それでは早速いってみましょうか!』
「「「おおおお!!!!」」」
俺達のミスコンが、今始まる・・・!
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『以上、エントリーNo.6番、キリエさんでしたー!』
・・・まって、この世界の女子レベル高すぎない?
これまでに出てきた子達も、とんでもなく美少女だった。
『おっとぉ、次はいよいよあの人の登場です!エントリーNo.7番、エステリーナ・ロンドさんです!!』
「「「「「おおおおおおおお!!!!」」」」」
「うおっ!?」
エステリーナの名前が出た瞬間、これまでとは比べ物にならないぐらい会場が湧いた。
女子と違ってほんと怖いよ男子共。隣にいるイツキさんも手作りの旗振り回してるし・・・。
「なっ・・・!?」
そして俺は、舞台に現れたエステリーナを見て目を見開いた。
「どうも、エステリーナ・ロンドです」
「「「「「うおおおおおお!!!!」」」」」」
何故なら彼女、いつもとは違って鎧を身にまとっていたから。まるで戦乙女のようだ。
「えー、最近ギルドの人員が少し不足しているので、是非顔を出してくれれば嬉しいです」
そう言ってエステリーナはリンゴみたいな果実を上に投げ、剣を振るって果実を一瞬で真っ二つにした。
それを見た観客達が歓声を上げる。
そんな動作や格好が、あまりにも彼女に似合いすぎていてちょっと感動していた時、エステリーナと目が合った。
『ジークフリードさん、彼女の印象はどんなものですか!!』
「エエェェステリィィィナァァァァァ!!!」
いや、ほんとイツキさんうるさいから。
「はい、隣にいるギルドのエースが発狂するほど美しく、まるで戦場に咲く一輪の花のようですね。まあ、いつも通り言うと、超絶可愛いです」
『おおっと、これはかなりポイントが高いようです!!』
俺の言葉を聞き、エステリーナが顔を赤らめる。すると何故か男達が鉄の棒やゴミを投げてきた。
『それではエステリーナさん、ありがとうございました!続いては、エントリーNo.8番、シルフィ・パストラールさんです!!』
お、次はシルフィか。一体どんな感じで─────
「あ、あの。その、ご主人様・・・ジークフリード様にお仕えしている、シルフィ・パストラールと申します」
「「「「おおおおおーーーーー!!!」」」」
シルフィは、メイドさんの格好をしていた。
「え、えーと・・・」
舞台の上でもじもじしているシルフィ。
やばい、可愛すぎだろ。メイド服だぞメイド服!
「お、おかえりなさいませ、ご主人様」
「「「「ひゃあああああああ!!!!」」」」
その一言に、男達は興奮しながら叫んだ。
『ジークフリードさん、主人としてどうですか?』
「いやもう最高ですね。これからもメイド服着てもらおうかなと真剣に悩んでしまいましたね!めちゃくちゃ可愛いぞシルフィ!!」
「ご、ご主人様・・・」
『おおー、今回もポイントが高いですね!それではシルフィさん、ありがとうございました!』
そして、真っ赤な顔を手で隠しながら、シルフィは退場していった。ほんと可愛い子だなぁ。
『えー、続いては、エントリーNo.9番、シオン・セレナーデさんです!!』
「お、シオンか」
一体どんな格好で出てくるのだろうか。
「ほ、ほんとにこれで出なくちゃいけないんですか・・・?」
「ほらほら、覚悟を決めて行ってきなさい!」
・・・なんかリリスさんの声が舞台裏から聞こえた気がする。
あれか、今回皆に衣装着させてんのってリリスさんか。
「う・・・、シオン・セレナーデです・・・」
「なっ・・・」
現れたシオンを見て、観客席がどよめく。
「よ、よろしく・・・にゃん」
「「「「────────」」」」
引き攣った笑みを浮かべながら手を振るシオンを見て、何人かの男達が倒れた。
その気持ちはわからんでもない。
だって、猫耳と尻尾装着してるし、服装エロいし、語尾に『にゃん』だぞ!?
いやぁ、これは萌えた。
『ジークフリードさん、どうですか!?』
「もうね・・・おっと、鼻血が」
『な、なんと、ジークフリードさんが鼻血を出しましたぁ!!!』
いかんいかん、気が緩んだ。
『あの英雄が鼻血を出すレベルの衣装、ごちそうさま!シオンさんでしたー!』
「「「「シオンちゃーーーーん」」」」
「も、もう2度とこんなことしません・・・!」
先程のシルフィと同じように、シオンは素早く舞台裏に走っていった。もうちょっとだけ見たかったぜ・・・。
『えー、続いては、エントリーNo.10番、レヴィさんでーす!!』
おお、4人連続で出てくるのか。
「はいはーい、皆さんお元気ですかー?」
「「「「ッ!!!」」」」
舞台上に現れたレヴィを見て、ロリコン達が立ち上がる。
「あ、あれは・・・」
俺もいつの間にかスタンドアップしていた。
あ、別に下の方の話じゃないからね?
「いやー、そんなに見られると照れちゃうなー」
そう言いながらケラケラ笑うレヴィは、なんとスクール水着のようなものを着ていた。この世界にもそんなものがあったなんて。異世界最高じゃないですか。
「レヴィ様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
おっと、どこかから変態吸血鬼の声が聞こえる気がするけど、多分気のせいだろう。
「あ、ジーク!どう、似合う?」
俺に気づいたレヴィが上から手を振ってくる。
『と、言われていますが、どうですか?』
「いやもう、スク水とか最高・・・ふぅ、また鼻血が」
『ジークフリードさん、再び鼻血を出したぁ!!!』
いかんいかん、また気が緩んだ。
『はい、それではレヴィさん、ありがとうございました!』
「うん、またねー・・・ってあれ」
「ん?」
あらゆる場所から拍手が聞こえてくる中、突然レヴィは立ち止まった。
『あれ、どうしました?』
「この魔力・・・」
何やら様子がおかしい。
それに気づいて俺がレヴィの元に向かおうとした次の瞬間、
「あはははは、面白いことをやっているみたいね!!」
「っ!?」
突然上から女の笑い声が聞こえた。
それと同時に観客達が一斉に顔を上に向ける。
「ミスコンねぇ。突然だけど、アタシも飛び入り参加しようかしら!!」
そう言って舞台の上に降り立った女。あれ、どこかで見たことがある気が・・・。
「ああっ!お前・・・!」
「ふふ。昨日ぶりね、ジークフリード」
こいつ、ストーカー騒ぎの時の桃色髪美人じゃないか。
「それと、レヴィアタンもね」
「あらまー、こんな時に出てくるなんて」
それに、どうやらレヴィとこの女は知り合いのようだ・・・って知り合い?
「・・・まさか」
「んじゃ、軽く自己紹介でもしましょうか」
女は観客席に体を向け、
「初めまして、人間共!!あたしは絶界の十二魔神の1人で、《色欲》の罪を司るアスモデウスよ!!」
まるで宣戦布告するかのようにそう言った。




