表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ディヴェルティメント〜不幸少年のチート転生譚〜  作者: ろーたす
色欲魔録〜また魔神が来ました〜
84/293

第七十三話 お祭りだもの

「う・・・」

「あー、惜しい」

「ご主人様、幻糸を使用してもよろしいでしょうか」

「ダメダメ」

「うぅ・・・、悔しいです」


エステリーナとシャロンがいろんなもので勝負している間、俺達も屋台を見て回っていた。


そして今俺とシルフィがしているのは射的。

意外とシルフィが負けず嫌いだということが分かった。


「どれ、俺が手本を見せてやろう」


そう言って俺は屋台のおじさんに銅貨を渡し、銃を手に取る。


「何か欲しいもんあるか?」

「え、あの、私は・・・」

「何でもいいんだぞー」

「あ、あの、ぬいぐるみを・・・」


おずおずとシルフィが指さしたのは、うさぎのぬいぐるみ。


「おし、任せとけ」


そして俺はぬいぐるみに狙いを定め、迷いなく弾を撃った。弾はぬいぐるみの額に直撃し、ぬいぐるみの重心が傾く。


「よし、もう一発」


続けて二発目を撃つ。弾は再びぬいぐるみの額に当たり、あっさりとぬいぐるみは下に落ちた。


「すごいです、ご主人様」

「はは、どうも。ほれ、シルフィ」

「あ、ありがとうございます・・・!」


おじさんが取ってくれたうさぎのぬいぐるみをシルフィに手渡す。すると彼女はぬいぐるみを大事そうに抱き抱えて笑った。


「大切にします」

「ぐはっ・・・!!」


シルフィみたいな見た目の子が、ぬいぐるみをギュッてしながら笑うのはずるいぜ。

思わず抱っこしたくなっちまったぜ。


「・・・あれ」


抱っこしたいと思っていた時、視線の先にある人物の姿が見えた。あれは・・・この前の美人さんか。


「あ、ジークフリードさん」

「どうも」


笑顔で駆け寄ってきた桃色髪の美人さん。この様子だと、もうあの連中に変なことはされてないみたいだな。


「・・・」

「ん?どうしたシルフィ」

「いえ、何でも」


警戒するかのように美人さんを見つめるシルフィ。なんかこの前もちょっと不機嫌になってたような・・・。


「ふふ、大丈夫ですよ。ご主人様を奪ったりなんてしませんから」

「えっ!?」


頭を撫でられたシルフィの顔が、みるみるうちに赤くなる。

奪ったり・・・?どういうことだ。


「鈍感なのも罪ですよ、ジークフリードさん」

「・・・?」


そう言われたけど、全然意味が分からない。


「さて、それじゃあそろそろ行きます。明日は()()()()()()()()と思いますよ」

「ん、まあそうだな。ミスコンもあるし」

「また機会があればお会いしましょう」


そう言って美人さんは俺達に背を向けて歩いていった。


「あ、また名前聞くの忘れてたな」

「・・・」

「シルフィ、あの女の人と何かあったのか?」

「違います」


ムッとした表情で俺を見てくるシルフィだが、逆に可愛いんだぞ、そんな顔されても。


「あ、シルフィずるーい!」

「え・・・ぐふっ!?」


シルフィを観察していた時、突然誰かに腰に突進された。


「いいなぁ、ボクも欲しいものいっぱいあるよ」

「お前なぁ、俺じゃなかったら腰骨折れてんぞ今の」

「ジークだからそんなことするんだよぉ」

「やかましい」


とりあえず俺に突進してきたレヴィの頭をグリグリする。


「あれ、そういえばシオンは?」

「あそこだよ・・・ってありゃ」


レヴィが指さした先を見る。


「・・・」

「・・・あー、屋台壊しちゃダメだよ?」


俺はレヴィから手を離し、シオンがいる場所に向かった。


「なあなあ、ちょっとだけだって」

「君可愛いからさぁ、遊んでみたいんだよね」

「あの、困ります・・・」


近づくにつれてイライラが増してくる。

そう、シオンは見知らぬ男達に絡まれていた。多分違う街からやった来たやつだろう。


「おい」

「あ?なんだてめえは」


俺はシオンに一番詰め寄っていた男の手を掴んだ。


「ジークさん・・・」

「なんだぁ?てめえ、この子の連れかよ」

「連れだが?」

「なんか調子のってんなぁ。あんま舐めてっと─────お?」


俺は掴んでいた腕を持ち上げ、軽く上に放り投げた。


「うげっ!?」

「さて、次はどいつだー?」

「ひ、ひぃっ!!」


指を鳴らしながら近づくと、男達は逃げていった。最近こんな輩達と関わる回数が増えてる気がする。


「シオン、無事か?」

「は、はい、おかげさまで・・・」

「ならよかった」


とりあえず安心させようと思って頭を撫でてやった。

すると彼女は満足そうに目を細める。


「シオン、大丈夫?」

「怪我はありませんか・・・なさそうですね」

「え、あ・・・」


向こうからレヴィとシルフィがやって来た。


「もー、ジークがあの人達のこと、殺しちゃうかと思って心配したよ」

「殺すわけねーだろ」

「でもご主人様、殺気がダダ漏れでしたよ」

「それでも俺は殺ってない」


ほんと、祭りの時って調子に乗るやつが多いからなぁ。


「ねえジーク、あっちの方も行ってみようよ!」

「はいはい、分かったから引っ張るな」

「あ、待ってくださいご主人様・・・!」

「浴衣だから動きにくいですね・・・」


そしてその後、俺ははしゃぐレヴィに引きずられながら、月光祭初日を満喫したのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ