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異世界ディヴェルティメント〜不幸少年のチート転生譚〜  作者: ろーたす
色欲魔録〜また魔神が来ました〜
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第七十話 特訓、着替え、大罪

「ウインドパルス!!」

「ギィギャッ!?」


シオンが放った魔法を受け、魔物は倒れた。

現在俺とシオンは『王都西で大量発生している魔物達の討伐』という依頼を受け、2人でそこを訪れていた。


「よっと」


今回は思っていたよりも魔物の数が多く、俺も一応戦闘に加わっている。


「うーん、そこまでレベルの高い魔物じゃないなぁ。これじゃシオンもレベルアップしないか」

「はい、まだレベルが上がりません・・・」

「んじゃ、俺がサクッと終わらせ・・・あれ?」


なんか、どっかで見たことあるやつがいる。


「ひっ、スライミーキング!?」


その魔物を見てシオンが俺の背後に隠れた。ああ、あれか。結構前にシオンの服溶かした魔物か。


「・・・大丈夫か?」

「す、すみません、少しトラウマで・・・」

「だよなぁ」


とりあえず倒すか。


「・・・ん?」

「え・・・ひっ、う、嘘!?」

「ちょ、落ち着けシオン」


周りを見れば、いつの間にかスライミーキングの群れに包囲されていた。それを見たシオンが半泣きになりながら俺にしがみついてくる。


「とりあえず俺がこいつら倒すから、シオンはここにいてくれ」

「で、でも・・・」

「大丈夫だ・・・多分」


そう言って俺は一匹のスライミーキングに向かって跳んだ。そして本気で殴る。

するとそのスライミーキングは破裂した。


「あらぁ!!」


その調子で次々とスライミーキングをなぐって破裂させていく。さて、あの何匹だ・・・?


「う、ウインドハンマー!!」


お、シオンも魔法で応戦してるじゃん。これならすぐ片付きそうだな。


なんて思った時、一匹のスライミーキングがシオンの真上から彼女に迫っていることに気がついた。


「やべっ・・・!」


それに彼女は気づいていない。

俺は地を蹴って跳躍し、シオンとスライミーキングの間に割り込んだ。


「ぶっ!」


スライミーキングに全身を包まれる。うわっ、気持ち悪っ!


「らぁっ!!」


そのまま地面に倒れ込み、俺は体にまとわりつくスライミーキングを消すために全身から魔力を放出した。


それによりスライミーキングは蒸発して死んだ。


「じ、ジークさん!?」

「シオン、怪我はないか?」

「はい、おかげさまで・・・ぇ」

「ん?・・・ああ」


俺を見るシオンの顔が見る見るうちに赤くなる。


「ふむ、服の予備を持ってくるべきだったか」

「せめて下を隠してくださいっ!!」


服溶けて全裸になっちった。








ーーーーーーーーーーーーーーーーーー






「あ、ジークおかえ・・・ぶふっ、何そのカッコ!」

「いろいろあったんだ」


その後、俺はたまたま持っていた布の袋を破って腰に巻き、そんな気持ち悪い格好のまま王都に戻った。

シオンを放置するわけにもいかなかったので、俺は極力人に見られないような場所歩いてきたんだが、運悪く目撃された人にいつものことかとか言われて泣きそうになった。

別にいつもこんなことしてねーからね?


「・・・野外プレイ?」

「なるほど、ジークはそういう趣味なんだね」

「やってねえよ!!」

「いやでも、シオンちゃん顔真っ赤だし」

「お前らが変なこというからだろうが!!」


家から追い出してやろうかこいつら。ガルムに至ってはずっとエステリーナに声かけてるし。


「そういえば、お前らいつ帰るんだ?」


俺はアカリ達にそう言った。


「月光祭終わったぐらいには帰る予定だけど」

「・・・祭りは満喫したい」

「ふーん」


正直ちょっと帰って欲しいなーと思い始めた。アカリはなんか変態だし、クラウンはよくわからんし、ガルムは常にナンパしようとしてるし。


「とりあえず服着替えてくる」


そう言って俺は自分の部屋へと向かった・・・のだが。


「・・・」

「じー」

「なんでいるんだよ!」

「あ痛っ!」


いつの間にか勝手に部屋に侵入していたレヴィの頭をチョップする。さすがに女の子の前でこの布を取るわけにはいかない。


「ほら、着替えたいからあっちいってろ」

「えー、いいじゃん別に」


くっ、どうやって着替えればいい。この短く薄い布が下に落ちてしまえば、俺のカリバーンが露わになってしまう。


いや、この方法があったか。


「よいしょ」


俺は大きなタオルを体に巻いた。


「あー、見えないじゃん」

「見えなくていいんですー」


そして素早くパンツなどをタンスから取り出して、着替えに取り掛かる。残念だったな、このアホ魔神め。


「照れんなよーん」

「あ、おまっ、バカ─────」


しかし、レヴィは俺が体に巻いたタオルを勢いよく引っ張った。そのせいで丁度布をとっていた俺の下半身が・・・あぶね。


「あり?」

「ふふふ、遅いぞレヴィ」


すでに、俺はパンツを履いていた。残念ながら俺のステータスを舐めないでもらいたい。


「はいはい馬鹿やってないで、下降りるぞ」

「えー、ちょっとここで喋ろうよ」

「なんでそうなる」

「それとも、別のことするー?」


そう言ってレヴィが俺のベッドの上に座った。


「いいんだよ?ジーク相手なら何されても」

「むぐ・・・」


やめろやめろ、何誘ってきてんだよお前は。


「やりませんから」

「あ、ちょ・・・」


理性を抑え、俺はなかなか動かないレヴィを抱っこして部屋から出た。












◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆






「あの、すみません」

「ん?おおっ・・・」

「ジークフリードさんって、ご存知ですか?」

「も、もちろんだよ、彼は王都の英雄だからね!たしか家はこの道を真っ直ぐ行って・・・」



フフフフフ、チョロい、チョロいチョロい。



「はい、ありがとうございました」

「ね、ねえ、もしよかったら、このあとご飯でも・・・」

「うふふ、それはまた今度・・・ですよ」



人間って、なんて忠実で愚かなのかしら。

道行く人々は必ずアタシの体に興味を示す。どこまでも自分の欲に忠実なのね・・・。


ふふ、アタシが大罪を司る魔神なのだから当然なんだけど。


「とりあえず、実力を見させてもらおうかしら、ジークフリードさん♡」



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