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異世界ディヴェルティメント〜不幸少年のチート転生譚〜  作者: ろーたす
転生してもやっぱり俺は不幸でした
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第七話不幸少年、家を買う

「うおおお、これが、俺達の家かぁ」

「綺麗ですね」


ギルドから戻った俺とシオンは、先程購入した家の中に入った。うんうん、広い綺麗素晴らしい!


「よし、とりあえず買ってきたもんを整理するとしよう」


服や調理器具、食材などなど、きちんと整理しておかなければならない。







「ふむ、電気や水道は通ってるのか。火は・・・すげっ、俺の魔力を炎に変えるのか」


さすが異世界、ガスなど無くても魔力があれば何とかなるとは。ちなみに冷蔵庫は無いので肉などはその日の分だけ買うことにした。


「ほい、ほい、ほい」


とりあえず俺は買ってきた包丁やまな板、スプーンなどを棚などに置いていく。シオンは向こうの部屋で服を畳んでいる最中だ。


「うし、これで全部だな」


しばらくして俺は全ての調理器具や皿などを綺麗に整理できた。うん、なんかいいな、こういうの。


「次は・・・」


部屋を選ぶか。ざっと見たところこの家には部屋が10個ほどあった。なので自由に部屋を選択することができる。


「うーん、どこがいいかねぇ」


正直どこでもいいが、移動が面倒なので二階の階段の近くの部屋にしよう。ちなみに1階の部屋は物置などに使う予定なので2階以上の部屋を選択しなければならない。

それだと選べる部屋は7部屋か・・・。


「シオンにも聞かないとな」

「何がですか?」

「っせぃ!まさか背後にいるとは思わなかったぜ!」


シオンは俺の真後ろにいた。どうやらもう服などは全て畳み終わったようだ。


「・・・?」

「これから自分の部屋を決めてくれ。ちなみに俺は2階の階段のすぐ近くの部屋だ」


俺がそう言うと彼女はしばらく黙り込んだ。おそらくどこにするか考えてると思うけど、表情にあまり変化がないので自身はないね。


「それじゃあ、私はその隣で」

「・・・む?」


何故俺の隣の部屋なんだ?

はっ!まさか、俺が夜に変なことしてないか壁越しに聞き取ろうって感じか!?


「なんで?」

「え、いや、その、私、怖いのが苦手で・・・。もし何かあってもすぐ隣の部屋にジークさんがいると安心なので・・・」


なるほどなるほどぉ!それなら仕方ないな!

まったく、怖いのが苦手なんて、可愛らしいこった。


「じゃ、部屋は決まりな。今日から自由にその部屋を使っていいから」

「はい」

「よーし、そんじゃあそろそろ昼飯でも作るかぁ」


そう言って俺は台所に向かう。

遂に俺の料理の腕前が分かる時がきたか。アルテリアス曰く三ツ星レストラン級の料理が作れるらしいが。


「私も手伝います」

「いや、大丈夫。シオンには世話になったからさ。あの時のお礼ってことで、美味いもん食わせてやる」


よーし、早速作るか。

俺な適当に置いてあった食材を台所に並べた。






「お、美味しいっ・・・」

「わはは、だろ?」


俺が作った料理は、自分で言うのもなんだがめっちゃ美味かった。なんか適当に作っただけなのにこんなにも美味くなるとは、器用度3000おそるべし。


「ごちそうさまでした」


シオンは満足そうにそう言うと、食器を台所に運んでいった。俺のまで持っていってくれるところが彼女の優しいところだ。


「ほんとに美味かったです」

「ありがとう。でもシオンのも美味しかったよ。また食わせてくれよな」

「は、はい」


俺がそう言うと彼女は若干頬を赤く染めて頷いた。






◇ ◇ ◇





「む、お前達か。依頼を受けに来たのか?」

「ま、そんなとこだ」


昼食を食べたあと、俺とシオンはギルドを訪れた。

理由はとりあえず手頃な依頼を受注してギルドの仕事などを把握することと、シオンのレベルを上げること。


「なあ、依頼ってどうやって受ければいいんだ?」


俺はエステリーナにそう聞いた。すると彼女は向こうを指差して説明をしてくれた。


「あそこにあるクエストボードに紙が貼ってるだろう?あれは住民達から寄せられた依頼だ。あれを1枚取って受付にいく。そして紙を受付嬢に渡してサインしてもらえばいい」

「へぇ・・・ありがとな、エステリーナ」

「うん、分からないことがあればまた聞いてくるといい」


そう言ってエステリーナは受付に向かった。これから依頼を受注するのだろう。


「いいやつだな」

「ですね」


まあ、彼女が教えてくれたようにまずはクエストボードに向かうとしよう。


「・・・アルファベットが書いてるけど、なんだこれ」

「依頼の難易度・・・でしょうか」

「あ、そうかもしれないな」


クエストボードに貼られた紙には様々なアルファベットが書かれていた。


「あの、すいません。このアルファベットはなんですか?」


確認するために近くにいたおじさんに聞いてみた。


「ん?なんだボウズ、新米か。それはその依頼の難易度だ。Eが一番簡単で、D.C.B.A.Sの順に難しくなっていくんだ」

「なるほど」


じゃあ、まずはE辺りの依頼を受けてみるか・・・。


「これにするか」


俺が取ったのは、難易度Eのスライミー討伐という依頼だ。王都西部の草原で大量発生しているスライミーという魔物を討伐するという内容である。

これはシオンのレベル上げには丁度いいかもしれない。


「じゃ、受付にいこう」

「はい」


紙を持って俺達は受付に向かった。


「どうも・・・あら、初めてみる顔ですねー」

「まあ、今日からギルドの一員となったもので。あ、これお願いします」

「はーい」


受付嬢に依頼が書いてある紙を渡した。すると受付嬢は慣れた手付きでスラスラと紙に何かを書き込んでいく。


「はい、これでOKです。依頼、頑張ってくださいね」

「ありがとうございます」


にっこり笑う受付嬢を見てちょっとドキッとしてしまった。隣でシオンが少し怖い顔をしているのは気のせいだろう。


「さ、行くか」

「・・・はい」

「なぜ不機嫌なのだ」

「不機嫌じゃありません」


・・・女というものはよく分からん。

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