第六十話 日本人・・・?
ジーク達がガ〇ダムと戦い始めた頃、エステリーナ達は古代都市にたどり着いていた。
「な、なんなんだここは・・・」
「見たことのない建物が沢山ありますね・・・」
「うわぁ、すっごいなぁ!!」
大きなビルや車などを目にしたレヴィが一目散に駆けていく。エステリーナ達もその後を追った。
「ご主人様達、どこに行ったんでしょう・・・」
とても心配なのだろう。シルフィは先程からまったく落ち着きがない。
「まあ、ジークのことだからシオンは見つけているだろう。それに、ここに来ているかもしれない」
「・・・」
「心配なのは私も同じだ。とにかくここを探してみよう」
「そうですね・・・」
「みてみて、食べ物が並んでるよ!!」
「何っ!」
「エステリーナさん・・・」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
なんでだろう、ガ〇ダムのステータスが見れない。以前エステリーナを誘拐したゴミ野郎、ヴィラインのステータスを見ようと思った時以来か・・・。
あと、あいつが使ってくる兵器の数々・・・、こんなの俺が日本にいた頃は絶対なかっただろ。
触れたものを溶かすレーザーとか、ビームソードみたいなやつとか。
「おい、ジークフリード!!」
俺が日本からフォルティーナに飛ばされてから何年も経ったわけじゃない。なのに、なんなんだこの科学技術の進歩具合は。
「見てないで助けろ!!」
「うるせーな、お前それなりに強いんだからなんとか出来るだろ」
「この放たれる光線のようなものが多すぎて近づけんのだ!」
さっきからガ〇ダムから放たれるピンク色のレーザーは、多分一秒間で数十発は撃たれてる。
それを躱しているキュラーもなかなかのもんだ。ちなみにキュラー、ああ見えてレベルが190もあった。
「ジーク君、まだ終わらないの?」
「あの変態吸血鬼が全然倒してくれないんです」
「そう言うなら加勢しろ!!」
リリスさんとシオンは向こうの建物の陰に避難させておいたので心配はない。
「たく、しょうがないな」
そろそろ俺も狙われそうなので、俺は勢いよくガ〇ダムに向かって跳んだ。
『Trwdyhr、対象一名接近』
「遅い」
ガ〇ダムに取り付けられている兵器の数々が発光したが、何かが放たれる前にその全てを殴って破壊した。
『Eewhy、合計37ノ対人兵器破損』
「おい、今から本体も破損するぞ!!」
『Tu────』
そして俺は、ガ〇ダムを思いっきり殴った。それなりに硬かったが、殴った箇所から粉々に砕けていく。
『Rrrrrttt、コレ以上ノ戦闘続行ハ不可能ト判断シマス─────』
「むっ?」
俺は咄嗟にその場から離れる。次の瞬間、ガ〇ダムは爆発した。
「ぬぐおっ!?」
その爆発に誰か巻き込まれていたように見えたけど、多分気のせいだろう。
「終わりましたよー」
「ジークさん、お疲れ様です!」
「ん、おお」
「どこか怪我したりしていませんか?」
駆け寄ってきたシオンが心配そうな表情で俺の体を見ながらそう言った。
「大丈夫だ」
「そうですか・・・」
ほっと胸をなでおろすシオン。どうやら心配してくれていたようだ。
「貴様っ、それほどの実力があるのなら最初から加勢しろ!!」
「うるせー」
あーくそ、生きてたのかよ。
「何なのだあの魔法は」
「それを知りたいんなら避けないで全部受け止めたらよかっただろ?ならどれ程の威力なのか、人がそれを受ければどうなるのかが分かったのに。あ、お前人じゃなくて変態の青白だったな」
「誰が変態の青白だ!!もはや人でも魔族でもないではないか!!」
「そこに反応すんのかよ」
「大丈夫、ジーク君。君も変態の髪黒じゃないの」
「髪黒て」
日本じゃ髪の毛黒いのが普通なんだよこのピンク髪。
「あ、あの、ジークさん!」
「はいよ」
「あそこにいるのって、人ですか・・・?」
「え・・・」
ばっと振り返ると、向こうの方に人影のようなものが見えた。
まさか、生存者か?よく見れば男性のようだが・・・。
そう思った時にはすでに俺の体は動いていた。
「あのー」
「ひぃっ!?」
たっと走って後ろから肩をトントンしたら、すっげえビビられた。お化けじゃないんだから・・・。
「ひ、人っ!?」
「・・・まさか、日本人ですか?」
「あ、ああ、君も・・・?」
「ええ、日本人です」
やばい、超嬉しい。まさかこんな場所で日本人に出会えるなんて。でも、この人は死なずにこっちの世界に来たのか?
・・・今思えば、このでかい街は俺を転生させた女神アルテリアスがいる時空の狭間を通ったんだろうか。
「こ、ここはどこなんだ!?」
「いやー、それがですね・・・」
どうしたもんか。この世界のことをきちんと話すべきか?
「とりあえず、一旦安全な場所に移動しましょう」
「あ、ああ────」
こくりと頷いた男の動きが止まる。気になったので彼の視線を追ってみると、その先にはシオンがいた。
「あのー、彼女がどうかしましたか?」
「あ、いや、可愛い子だなと」
な、このおっさん、シオンに手を出そうとしてるのか!?
「可憐で美しい少女だ・・・」
「はいはい、あっちにいきましょーねー」
なんかよく分からんけどモヤモヤするから俺はおっさんを引っ張って近くの建物の中に足を踏み入れた。




