表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ディヴェルティメント〜不幸少年のチート転生譚〜  作者: ろーたす
転生してもやっぱり俺は不幸でした
6/293

第五話 不幸少年、買い物をする

「うおお、これが王都・・・」

「なんだ、王都は初めてか?」

「ああ、すげえな・・・」


現在時刻は午後六時。あの後馬車に乗せてもらった俺とシオンは、2時間程で王都に到着した。

王都は巨大な壁に囲まれている。あれで外からの攻撃を防ぐんだろう。

デカいし街並みも綺麗し、いいところだな。


「・・・」


ふと隣を見ればシオンがとても珍しいものを見た時のような、少し無邪気な表情で街並みを見ていた。なんか可愛い。


「さて、私達はそろそろ行くよ」

「ん、ああ、じゃあな」


エステリーナ達が手を振って歩いていく。おそらくギルドに向かうのだろう。


「俺達はどうしようか」

「そうですね、とりあえず宿を探しましょう」

「そうだな」


俺は頷くと、宿を探して歩き出した。







「はい、朝昼晩食事付きで一泊銀貨1枚だよ」


しばらくして宿を見つけ、受付に行くと、おばさんにそう言われた。俺今金貨しか持ってないんだけど・・・。


「金貨でいいですか?」

「もちろん、お釣りは銀貨49枚だね」

「ありがとうございます」


そして、お釣りの銀貨49枚を受け取って俺とシオンは部屋に向かった。ちなみに部屋は一部屋しか空いていないらしく、俺とシオンは同じ部屋に泊まることになった。


「なるほど、銀貨50枚で金貨1枚分・・・か」


部屋に行き、ベッドの上に金貨を並べて俺はそう言った。アルターを倒して手に入れた金貨は120枚あった。

宿代で1枚使い、銀貨が49枚増えたので、現在金貨119枚と銀貨49枚だ。


「す、すごいですね。これだけあれば家買えますよ」

「まじか」


なら、家を買うのもありだな。これから俺は王都周辺で暮らすつもりだったし。


「まあ、明日王都を見て回ろう。その時に装備買ったり家探したりしようぜ」

「そうですね」


よーし、それじゃあお楽しみ、風呂に入るとしようじゃないか。









「ふぃー」


お湯に浸かりながら息を吐く。宿の近くにあった風呂屋の湯加減は丁度よく、とても気持ちいい。


「なんか疲れたなぁ・・・」


この世界に来てからロクなことが無い。寄った村が燃えたり魔神が出てきたり馬に踏まれたり・・・。

良かったことは、シオンに出会えたことぐらいか。


てか、そろそろ俺の身に何か起こってもおかしくないな。1日1回は必ず不幸が訪れる男だからな、俺は。


「さて、そろそろ上がろう」


宿の晩飯がそろそろ出来上がる。シオンももう宿に戻ってるかもしれない。


と、俺がお湯から出た瞬間、置いてあった石鹸を踏んで俺は勢いよく転けた。そして後頭部を思いっきり強打。


常人ならこれで死んでもおかしくないだろう。だが俺の後頭部は逆に石でできた床にヒビをいれた。


「ったく、ついてない・・・」


この光景を誰かが見ていなかったことだけが救いだ。見られてたらどんだけ恥ずかしかったか・・・。


そう思いながら俺はいそいそと風呂場をあとにした。






◇ ◇ ◇





「いらっしゃい!ゆっくり見ていきな!」


次の日、俺とシオンは服屋を訪れていた。もちろん前日にシオンに対してやらしいことをしたりはしていない。シオンが先に寝たから寝顔はちょっと見たけどな。

どうだったって?・・・超可愛かった。


「シオンも好きなの買っていいよ」

「え、でも・・・」

「ふふふ、金ならいくらでもあるのさ」

「わ、わかりました・・・」


これだけ金貨があればこの店ごと買えるだろう。しないけど。

とりあえず俺も服を買うとするか。


そしてしばらく2人で服を選び、何着か買った。

俺は着ていた学生服から王都で流行っているという服装に着替え、シオンもさっきまで着ていたローブから魔防上昇効果が付与されたローブに着替えている。


「うし、次は家探しだ」


いつまでもあの宿には泊まらん。俺はここで家を買うのだ。

それから色々な家を見て回った。様々な家があったが、一番高い金貨50枚の家を買うことにした。

その家は三階建てで、2人で住むには充分過ぎる大きさである。風呂も付いてるからわざわざ風呂屋に行く必要はない。


ちなみに現在の所持金は前の所持金から新たに家代金貨50枚と風呂代2人分銀貨2枚、そして服の購入費銀貨40枚を引いた金貨69枚と銀貨7枚だ。


やっべえ、もう一軒家買えるだけの金が残ってるぞ。


「あ、そうだ。調理器具とかも買わなきゃならんのか」

「そうですね」


食材も買わないといけないし、とりあえず道具屋でも探そう。そう思って歩き出した時、俺達の前に赤髪の少女が現れた。


「お、昨日ぶりー・・・って、何で家分かってんだ?」

「いや、これでも結構探してたんだ」


赤髪の少女エステリーナは薄く微笑む。そして少し真剣な表情になった。


「実は、お前達のことをギルドで話したんだが」

「おう」

「ギルド長がお前に会いたいと言い出してな」

「ギルド長?」


ギルド長か・・・。絶対ゴリゴリのおっさんだよなぁ。嫌だなぁ、何されるんだろう。


「まあいいや。道具屋行く前にちょっと寄ってくか」

「はい」


シオンがゴリゴリに何かされないか少し心配だが、とりあえずギルドに行ってみるとしよう。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ