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異世界ディヴェルティメント〜不幸少年のチート転生譚〜  作者: ろーたす
嫉妬の宴〜魔神が来たりて厄を呼ぶ〜
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番外編 私のご主人様

私、シルフィ・パストラールはエルフという種族です。

耳が人間よりも長かったり、少し寿命が長かったりします。


私は10歳の時に故郷を失いました。

そして宛もなくさまよっていた時に人間に捕まり、奴隷として王国に連れていかれました。


奴隷市場では毎日のように奴隷達が買われます。

どちらかというと王国の人よりも違う国から訪れた人々が奴隷を買っていました。文化の違いというものでしょうか。


そんなある日、私はある人と出会います。


奴隷オークションというものに出され、私を買おうとした人達が次々に金貨の量を増やしていく中、入口付近に立っていた黒髪の男の人。


彼は私と目が合うとしばらく考え込み、そして金貨を30枚も使って私を買取りました。


その後私は彼の家に連れて行かれます。そして奴隷である私に向かって彼はこう言いました。


────君を奴隷扱いするつもりはない


その言葉を聞いて私は思わず泣いてしまいました。

不安に押し潰されそうだった私を同じ立場で見てくれると言ってくれた彼は、ジークフリードという名前でした。


そして私は思いました。


私の主はこの方しかいない・・・と。









◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇







「おっ、レベルアップだな」

「はい、ご主人様のおかげです」

「いやいや、シルフィが頑張ったからだろ」


そう言って笑うご主人様。

現在私はご主人様と二人でBクラスの迷宮に潜っています。


まだまだレベルの低い私のためにわざわざご主人様が同行してくださったのです。


「俺は武器の使い方なんか分かんねえからなぁ。すごいよ、シルフィは」

「い、いえ、そんなことは・・・」


思わず顔が熱くなる。

尊敬するご主人様からそんな事を言っていただけるとは。


「・・・?」


と、そこで私はある事に気が付きました。

自分のステータスに固有スキルが一つ追加されていたのです。


それは魔力で極細の糸を創り出す事が可能になる、というスキルでした。


私はそのスキルのことをご主人様に話してみました。

するとご主人様は目を輝かせながらそのスキルを極めてみようと言いました。


このスキルを上手く扱うことが出来れば、もっとご主人様のお役に立つことが出来る。

そう思った私はそのスキルを積極的に使用することにしました。


「はぁっ!!」


私は現れた魔物に糸を絡め、一気に引きます。すると魔物は全身を切り刻まれて息絶えました。


「おおっ、すげえ!」


ご主人様が自分のことのように喜びながら駆け寄ってきます。そして私の手をとってブンブンと振りました。


「さすがだなシルフィ!」

「ご、ご主人様・・・」


また顔が熱くなってきました。

どうやら私はご主人様に不思議な感情を抱いているようで、こうして触れ合った時やご主人様の笑顔を見た時、とても胸が高鳴るのです。


「ん、どうした?顔赤いけど・・・」

「い、いえっ、何でも・・・!」


心配そうに顔を覗き込んできたご主人様から咄嗟に顔を逸らし、私は息を整えました。


どうやらこれから何度も、私はこうして不思議な感覚を味わうことになりそうです。

次は20時にレヴィの話を

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