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異世界ディヴェルティメント〜不幸少年のチート転生譚〜  作者: ろーたす
嫉妬の宴〜魔神が来たりて厄を呼ぶ〜
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第十八話 勇者殺しのウォーターフィールド

湖を泳ぐことおよそ5分。

全力で大地を駆け抜けることおよそ5分。


俺は王都にたどり着いた。


「ちっ、あいつめ」


中から戦闘音が聞こえてくる。

どうやらレヴィアタンと王国兵達が戦っているようだ。


「さて、いきますか」


とりあえずレヴィアタンをぶっ倒さないと。

いや、押し倒すとかそういう意味じゃなくてだな・・・。


「グルルルルル」

「あん?」


気がつけばさっき迷宮に現れた狼のような魔物に包囲されていた。ふむ、腹でも減ってんのか。


「邪魔だどけ」

「グルアアア!!」


魔物達が一斉に飛びかかってきた・・・が。


「おい」

「ギャンッ!?」


さすがにウザいので睨みつけると、魔物達の動きが止まった。


「・・・さてと」


ブルブル震える魔物達の横を通って王都内に入る。

向こうの方から煙が上がっている。あそこか。


俺はそこに向かって跳躍した。そして────


「お、早かったねー」

「おいおい・・・」


ケラケラ笑うレヴィアタンの周りには、何人もの王国兵達が倒れている。


「よっと」


とりあえず着地した。そしてレヴィアタンの前に立つ。


「・・・魔神アルターが人間に殺されたって話を聞いて、最初は耳を疑ったんだぁ」

「ん?まあ、あいつ弱かったしな」

「あははは、魔神を弱いって言う人間は初めてだよ!」


いや、そんな爆笑されても・・・。まじで弱かったし。


「ボクはアルターより強い自信はあるけど」

「みたいだな」


俺はもうレヴィアタンのステータスを覗き見している。

確かに、アルターより遥かに強いけども・・・。




ーーーーーーーーーーーーー

~嫉妬の魔神レヴィアタン~


★ステータス★


レベル:300

生命:6000

体力:3800

筋力:2000

耐久:4600

魔力:9999

魔攻:8000

魔防:4700

器用:400

敏捷:5800

精神:780

幸運:600


★固有スキル★


・魔峰倍加

生命が4分の1になった時、魔力・魔攻が2倍になる



★装備★


不明

不明

不明



ーーーーーーーーーーーーー




うん、自分のステータスが怖い。

多分一般人が俺の固有スキル持ってたとして、こいつのステータス覗き見した瞬間絶対発狂するよなぁ。


「さぁて、そろそろやろっか」

「俺としては帰って頂きたいんですが」

「帰りませーん」


はあ、面倒だ。

とりあえずこいつ倒さないと王都が危ないし、早く決着はつけたい。


「ふふ、さあ、いくよ!!」

「ッ!!」


レヴィアタンの魔力が跳ね上がる。それと同時に俺達の、王都の真上に巨大な水の塊が出現した。

それは、王都とほぼ同じぐらいのサイズ。


「よっ」


レヴィアタンは勢いよく跳ぶと、その水の中に入っていった。


「ほらほらぁ、おいでよ。来ないならこれ下に落とすよん」

「ちっ、どんな魔力量だよ」


さすがにこれを落とされるのはやばい。

俺も跳んで水の中に入った。


「んおっ、息出来る!?」

「そうしてあげてるからね」

「上からだなおい」

「じゃないとつまんないしねー」


まあいい、とりあえずちゃっちゃと・・・。


「・・・はぁ」

「あはは、だからボクは、わざわざ君をここに誘ったんだよ」


なるほどなぁ。

ここは水の中、いくら筋力が凄まじくても、この量の水の中じゃ自由に動き回れない。


「むっ!?」


そこで俺はある事に気がついた。

咄嗟に自分のステータスを見る。



ーーーーーーーーーーーーー

生命7000/7400

ーーーーーーーーーーーーー



ちょっとずつ生命が減ってました。


「ちっ、耐久力高すぎて気付かなかった」


多分だけど、さっきから水がものすごい速度で流れている。

これに何らかの効果が付与されてるのか知らんけど、それのせいで俺の生命が削られているようだ。


「このッ!!」


早くあいつ倒さないと、先に俺の方が死ぬ。

俺は勢いよく泳ぎ、ヘラヘラ笑っているレヴィアタンに殴りかかった。


「無駄だーー!」

「ぐおっ!?」


しかし、俺の拳が届く直前、レヴィアタンが放った魔法を食らって弾き飛ばされた。


「さあさあ、そのまま何もできずに死んじゃう?」

「てめえ、手の込んだ事してくれるじゃねえの」


異常なまでにステータスが高い俺を殺す為に用意されたこの水のフィールド。

あいつ、意外と頭は良いみたいだ。

人は見かけによらずって言うもんなぁ・・・人じゃないわ。


「・・・どうしたものか」


常に微量ずつ生命が削られていく、攻撃しようとしても上手く動けないし、攻撃が届く直前にあいつはノロノロな俺を普通に弾き飛ばせばいいだけだ。

それに俺が戦うのやめたら多分この量の水が王都に落とされる。そうなれば王都は壊滅だ。


・・・なるほど、詰んだ!


「あはははは、そんなもんかぁ」

「舐めやがって、このロリめ!」


とりあえず、俺の残りの生命はあとどのぐらいだろうか。



ーーーーーーーーーーーーー

生命6700/7400

ーーーーーーーーーーーーー



ヤバイヤバイ、、結構削られてる!


「あ、いい事教えてあげよっか?」

「あ?」

「ボクを一撃でも殴れたらこの水消えるよ」

「っしゃああああ!!」


俺、割と水泳得意だったんだぞこの野郎。


「おっ、早い早い」

「らあっ!」


レヴィアタンの目の前まで泳いだところで俺は全力で拳を突き出す・・・が。


「むーだ」

「どわあっ!!」


案の定弾き飛ばされた。

くっそー、一撃でも攻撃が当たれば・・・。


「・・・あ」


いいこと思いついた。

もしかしたらいけるかもしれん。


「レヴィさん」

「はいはーい」

「1回外出ていいすか?」

「えー、なんで?」

「ちょっと試したい事があってだね」


そう言いながら、俺は許可を得てないけど水から出て地面に着地した。


「あ、ちょっと・・・」

「いくぜ、全力全開・・・どらぁッ!!」


そして俺は本気で跳び、とんでもない速度で水の中に入った。その衝撃で俺の周りの水が弾け飛ぶ。


「なっ────」

「オラァ!!」


そしてびっくりしているレヴィアタンの頭を殴る。

・・・殴る直前に、相手が女の子だからという理由で、かなり手加減してしまったのは内緒にしておこう。


「むぐぐ、手加減したね・・・」

「クッ、しまった」

「あ・・・」


王都上空に浮かんでいた水が全て消えた。

どうやら彼女が言っていたことは本当だったようだ。


「さて、これでやっとまともに戦えるな」

「・・・あはは、そうだね!!」


レヴィアタンが両腕を広げる。それと同時に建物を破壊しながら、大量の水があちこちから噴き出した。


「地面に染み込んでる水も、上手く扱えばこの通り。ボクはあらゆる水を自在に操ることが出来るからね。ふふっ、利用させてもらおっと」

「なるほど、これが魔神か」


なんか、まじでアルターって雑魚だったんだなって思った。

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