第百五十四話 扉の前
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◆◆WARNING WARNING◆◆
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〜アサシンコンドル〜
レベル142
生命:7549/7549
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◆◆WARNING WARNING◆◆
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〜ネオキショ・ドルフィー〜
レベル145
生命:8200/8200
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◆◆WARNING WARNING◆◆
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〜イビルスパイダー〜
レベル151
生命:8590/8590
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◆◆WARNING WARNING◆◆
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〜ナイトメアリッチ〜
レベル170
生命:9400/9400
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さっきから現れる魔物の数が凄まじい。
それで一つ気付いたんだけど、こいつらの生命、魔神よりも高くないか?
まあ、魔神と魔物は同じ魔族でも、ステータスの表示のされ方が違うし、高いのは生命だけなのかもしれない。
実際スピードもそこまで大したことないし、攻撃も俺の耐久を上回ることはない。
「やっぱ謎だよなぁ、この世界」
レベルの概念がある事自体謎だし。
「そうだ、なあレヴィ」
「はいはーい、どうかした?」
「レヴィってどういう魔族なんだ?」
俺は魔物を蹴散らしながら、レヴィにそう聞いてみた。
見た目は完全にロリっ娘だけど、一応魔族だし。
「ボクはセイレーンだよ。変な種族でね、翼を生やすのもいれば、下半身が魚みたいになるのもいるの」
「へえ、でもなんでレヴィは普通なんだ?」
「あはは、ちょっと落ちこぼれみたいな感じかな。最初の頃はいじめられたりもしてたよ」
「まじか」
「でも、ボクは力を手に入れた。そのおかげでセイレーンの中で最強だって言われるようになったんだぁ」
鳥に魚か・・・。まあ、この姿が一番可愛いと思うけど。
「ルシフェルは堕天使で、アスモデウスは?」
「あたし?あたしはサキュバスよ」
「サキュバス・・・」
「詳しくは説明してあげない」
「えぇ〜」
サキュバスってどんな種族だろう。
まあ、深くは聞かないでおくか・・・ってなことを話してたら、いつの間にか魔物達は全滅していた。
「ふう、結構奥まで来た筈だけど」
「シオンの魔力は近付いてきてるから、あと少しだと思うよ。でも、ちょっと妙だよね」
「ああ、なんで魔神達が出てこないんだろうな」
もう、俺達がここにやって来たことはバレているだろう。なのに何故アンリカルナやシーナ達は俺達を足止めしに来ないんだろうか。
「とにかく、先に進むしかないか────」
次の瞬間、凄まじい衝撃が全身を駆け巡った。
そしてその直後、俺は自分が壁にめり込んでいるに気付く。
「タイショウカクニン、センメツヲカイシシマス」
「はは、随分懐かしい相手のお出ましだな」
壁を砕き、振り返る。
そこにはかつて古代都市で戦った、柳という男が開発したというものにそっくりなマシンが居た。
「確か、ツァーリ・・・だったか」
「粒子分解魔導砲ハッシャ」
「いっ!?」
あっぶねえ!!
咄嗟にしゃがんで躱したが、今のをまともに受けてたら多分即死だった。
「粒子分解魔導砲ハッシャ」
「ちっ、何発撃つつもりだよ!!」
放たれた光線を躱し、ツァーリを蹴り上げる。
その衝撃でツァーリは粉々に砕け散った・・・が。
「ジーク、まだいるぞ!!」
エステリーナがそう叫ぶ。
いつの間にか、俺達は大量のマシンに包囲されていた。
「粒子分解魔導砲ハッシャ」
「粒子分解魔導砲ハッシャ」
「粒子分解魔導砲ハッシャ」
「粒子分解魔導砲ハッシャ」
「粒子分解魔導砲ハッシャ」
「粒子分解魔導砲ハッシャ」
「粒子分解魔導砲ハッシャ」
「待て待て待て!!ふざけんなこの野郎!!」
あらゆる方向から同時に機械の声が響く。
「《神気功弾》!!」
「はあッ!!」
しかし、二機がルシフェルの魔法とアスモデウスの魔剣に粉砕される。
「おらああッ!!」
ほんの一瞬の出来事である。
俺はツァーリを殴る、蹴る、殴る、蹴る・・・。
「ぐっ・・・!」
ラスト一機が放った光線が腕を掠める。
しかし俺は怯むことなくツァーリを粉砕した。
「はあぁー、あっぶねぇー・・・」
「ご主人様、大丈夫ですか!?」
「おう、大丈夫だ」
俺の腕を見てシルフィが心配そうな表情を浮かべる。血は出てるけど、そこまで大した怪我じゃない。
「しっかし、結構疲れるなこりゃ」
「ふん、貴様もその程度というわけだ」
「さっきから何もしてない変態には何も言われたくない」
「なんだとォ!!!」
「こら、喧嘩しないの」
「ちょっとキュラー、ジークに喧嘩売らないでよ」
ルシフェルに腕を引っ張られ、俺はキュラーから離れた。
一方キュラーはレヴィに腕を捻られて、顔が凄いことになっている。
「ぐっ、覚えておけよ、ジークフリード・・・」
「え、なんか言ったー?」
「貴様ァァァァ!!!」
まあ、うるさい変態は無視して・・・と。
「なあレヴィ」
「はい」
「この先に見える扉の向こうから、凄まじい魔力を感じるんだが」
「だね、あそこが終点かな」
俺の視線の先には、高さ3mぐらいの大きな扉がある。
恐らく、あの向こうには・・・。
「覚悟を決めるか」
俺は自分の頬を叩き、扉に向かって歩を進めた。




