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第百四十五話 魔神大戦

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


「そーれっと!!」

「ぎゃああああっ!!!」


王都西。

そこで憤怒の魔神アンリカルナは、巨大な槌を騎士達に振り下ろした。今ので一体何人死んだだろうか。


「く、くそっ、絶対に壁を突破させるな!!」


ここに集結した騎士団の数は合計10。

しかしどれだけ束になって立ち向かっても、アンリカルナが槌を振るうだけで数十もの騎士達が命を落とす。


「さーて、そろそろやな」


そして、アンリカルナが指を鳴らす。すると彼女の背後に数え切れない程の魔物が姿を現した。


「なっ・・・!?」

「あははっ、びっくりした?まあウチが召喚したわけじゃないねんけど、タイミング良く指鳴らしてみましたーみたいな?」

「舐めやがって・・・!」

「よーっし、じゃあ一発デカイのいくでー!!」


アンリカルナが槌に魔力を集める。そして呆然としている騎士達を飛び越え───


「よいしょぉぉ!!!」


槌を振るって壁を粉砕した。


「ほらぁ、死ぬ気で戦わないと、王都の中に魔物がなだれ込むで・・・?」

「う、うわあああ!!」


悪魔のようは笑みを浮かべるアンリカルナを見て、騎士達は叫びながら魔物達に突撃した。しかし魔物のレベルは全て100以上、ある者は爪で身体を切り裂かれ、ある者は噛み付かれて絶命していく。


「んじゃ、ウチは王都の中に居る人らを───」

「アンリカルナァァッ!!!」

「っ!!」


槌を担ぎ直し、王都に侵入しようとしたアンリカルナだが、突然何者かの魔法を受け、勢いよく吹っ飛んだ。


「・・・ははっ、久しぶりやなぁレヴィちゃん」

「せっかく気持ちよく寝てたのに・・・!」


現れたのは寝起きのレヴィ。

まだパジャマ姿の彼女を見て、アンリカルナは笑う。


「あっはっは!せめて着替えてきーや!」

「うっさい!」

「まあええわ。とりあえず楽しませてもらうで」

「今度こそ息の根を止めてあげる・・・!!」


そして、二人は同時に駆け出した。








◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆






「ひぎゃああああ!!!」

「はぁー、不味いですねー」


一方ここは王都北。

あちこちに死体が転がっているこの場所で、一人の少女が生き残った騎士達を喰らっていた。


少女の名はシーナ。暴食の罪を司る魔神である。


「ふふふふー、せっかくこんなに沢山魔法を使ってあげてるのにー」

「い、痛い!!痛い痛い痛い痛い痛い痛いぃぃぃぃ!!!!」


そんな彼女の前に倒れている騎士達は、全員頭を押さえながら絶叫している。


「次は脚を潰してみましょうかー。そうすればもっと美味しくなるかもしれませんねー」

「な、ならないっ!ならないからもうやめあぎゃあああああ!!!」


シーナが一人の男の脚を踏み潰す。そして顔にかかった血をぺろりと舐め、ため息を吐いた。


「うーん、全然変化なしですー。もう何しても無駄っぽいですねー。あとはこの子達に譲りますねー」

「え・・・」


突然シーナの周囲に恐ろしい数の魔物が出現する。それを見て騎士達は恐怖に顔を歪めた。


「ほらー、沢山餌が転がってますよー」

「ひっ、や、やめてくれぇぇぇぇ!!!!」


そして、魔物達は重症を負った騎士達に容赦なく喰らいついた。

あちこちから悲鳴が上がり、シーナは楽しそうに手を叩く。


「うんうん、残さず食べるんですよー」

「見つけたわよボサ髪女・・・!!」

「え───」


そんなシーナの前に、アスモデウスが降り立った。そしてシーナを睨みつけ、召喚した魔剣の切っ先を向ける。


「あら、あらららら。まさかアスモデウスですかー?」

「いい加減にしなさいよあんた。今すぐここから立ち去りなさい」

「それは無理ですー。逆に貴女が何処かに行ってくださいー」

「上等よこの寝不足女!!」


シーナが魔力を纏う。そんな彼女にアスモデウスは魔剣を振り下ろした。







◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆






「っ、居た・・・!」


ルシフェルは、翼を羽ばたかせて王都南に向かっている。そして壁を越えた時、膨大な魔力を纏う男を見つけて彼女は急降下した。


「ククッ、来たか」


男はルシフェルの姿を確認すると、持ち上げていた騎士の首を握り潰す。そして後ろに放り投げた。


「なんてことを───」


それを見たルシフェルは、少し離れた場所に着地して男を睨みつけた。


「───え」


そして気付く。

彼の背から自分と同じ漆黒の翼が生えてるいることに。


「あ、貴方は・・・」


その男の顔に見覚えがあることに。


「久しいな大天使ルシフェル・・・いや、今は堕天使ルシフェルか」

「ど、どうして貴方が・・・」

「ククッ、魔剣に身体を乗っ取られていたというのは事実らしいな」


そう言うと男は何処からともなく一本の剣を取り出し、それを振るった。


「っ・・・!!」


放たれた不可視の斬撃を、ルシフェルは直感で回避する。

避けなければおそらく胴体が真っ二つになっていただろう。


「どうして貴方がここにいるの、ウルス・・・!!」

「ククッ、今は魔神ウルスだッ!!」


ウルスと呼ばれた男が魔力を解き放つ。

それによって巻き起こった風が倒れる騎士達を吹き飛ばした。


「ふはははは!!ずっとこの時を待っていたぞ、この手で貴様を殺すこの時をなぁ!!」

「な、何を言ってるの!?」

「先に言っておこう、貴様に大天使殺害という罪を着せたのはこの俺だ」

「え────」


それを聞いてルシフェルは動きを止める。


「さあ、ルシフェルよ。貴様の力をこの俺に見せてみるがいい・・・!!」






◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆







「なっ・・・」


王都東。

そこにたどり着いたジークは、目の前の光景を見て絶句した。


数え切れない程の死体があちこちに転がっている。ジークはこみ上げてくる吐き気を抑え込みながら、なんとか歩き出した。


「ふむ、俺の相手はお前か」


そして、その男は現れた。

山積みになった死体の上に座り、見下ろしてくる男。


「おい、お前は誰だッ・・・!」


そんな彼を睨みながら、ジークはそう怒鳴る。


「俺はラグナ、一応魔神の一人だ」

「お前も大罪を司ってんのかよ」

「ああ、《怠惰》の罪をな」


めんどくさそうにラグナはそう言い、死体の山から飛び降りる。


「お前はジークフリードだな?はぁ、よりによって一番めんどうな相手が来るとは・・・」

「あ?」

「そこらに散らばっている人間のようになりたくなかったら、今すぐ俺の前から失せろ」


ラグナが魔力を纏う。

それはこれまでジークが相対してきた者の中でも別格の魔力。それを感じて、すぐにジークは敵が自分と同格か、それ以上の実力を持っていることを察した。


「おい、ラグナ・・・だったか?」

「二度も言わせるな、めんどくさい」

「俺からも言わせてもらうぜ。お前が死にたくないと願おうが、必ず叩き潰してやるよ」

「ほう、面白い」


凄まじい魔力と魔力がぶつかり合う。

やがて二人の姿は同時に消え、直後に大地に巨大なクレーターが出来上がった。

簡単な人物紹介


【アカリ・エチュード】

・年齢15歳

・身長158cm

・体重 れでぃにそういうこと聞いちゃだめ

・好きなもの、こと

静かな場所

・嫌いなもの、こと

密閉空間

・魔法

幻属性魔法

・初登場

第四十四話


ガルム、クラウンとパーティーを組んでいるかなり謎な少女。常にぼーっとしていているが、突然凄まじい発言をしたりして度々周囲を驚かせている。

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