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異世界ディヴェルティメント〜不幸少年のチート転生譚〜  作者: ろーたす
強欲を司りし男〜全てを奪う最後の大罪〜
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第百二十九話 何とかなる・・・はず

「ジークさん、おかえりなさい」

「ああ、ただいま」


特に意味の無かった迷宮探索を終え、俺とルシフェルが家に戻るとエプロンをつけたシオンが玄関に顔を出してくれた。

向こうからは食欲が刺激されるいい匂いが漂ってくる。どうやら昼食を作ってくれていたらしい。


あ、ちなみにルシフェルは家の前でお姫様抱っこモードからおんぶモードに変更してもらった。

仕方なくだぞ?べ、別に下心があったわけじゃないんだからね!


「どうでしたか?」

「現実を知ってきたぜ」


あと一週間、俺達は何をしてマンモンを待てばいいんだろうか。


「ふふ、とりあえずご飯を食べてから色々お話しましょうか」

「そうだな」


匂いを嗅いだら腹が減ってきた。俺は靴を脱いで歩きづらそうにフラフラするルシフェルの手を引き、リビングへと向かう。


「あれ、レヴィも帰ってきてたのか。てことはそっちも無駄足だったってことか?」

「あはは、最悪だよね」


リビングでは既にレヴィとシルフィ、エステリーナが椅子に腰掛けている。ちなみにエステリーナは毎回うちで飯を食っているわけではないぞ。


「ふむ、ということは三人共、一週間後までにステータスを取り戻すのは厳しいということか?」

「ああ、残念なことにな」


エステリーナの問いに返事をする。


「でも、俺はまだ魔力が残ってる。これがあればマンモンと同じかそれ以上の一撃を放てるはずだ」

「サタンを倒した時のような一撃か」


魔力を纏えばあんなにデカかったサタンの顔面を消し飛ばすことも出来たのだ。


「でも、それだとジークしか戦えないというわけか」


少し悔しそうな表情でエステリーナがそう言う。レヴィは魔法を使えず、ルシフェルは走ることさえままならない。

ならここでマンモンに太刀打ち出来るのは俺だけだ。


「ご主人様、無茶はしないでくださいね?」

「ああ」


皆が心配してくれるのがなんか嬉しい。

けど、無茶はする。下手したら死ぬ。それでも、どれだけ怪我しようとも皆は守らないとな。






◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇






「死ねジークフリード」

「なんだお前このまま踏み潰してやろうか」

「ぎゃああっ!やめろ、踏むな!!」


昼食を食べ終えた俺は、なんとなく外に出たのだが、なんか家の前に肌の色が青白い変態吸血鬼が寝転んでたから思わず踏んでしまった。


「何してんだよこんなとこで」

「レヴィ様を運び終えたから少し休憩していただけだ」

「なんで俺の家の前で休憩してんだよ!もっと他にも場所はあるだろうが!」

「ふん、貴様が魔力の無いレヴィ様に手を出したら瞬間に命を刈り取れるよう近くにいるだけだ」

「はっ、初対面で噛み付いてきて歯ぁ砕け散った変態がよく言うぜ」

「なんだと!?」


あーもう、ほんとめんどくさいやつだなこいつは。


「実はだな、魔界の方で事件が起こったのだ」

「あ?」


突然キュラーが何かを言い始める。


「事件って、お前が性別♀の魔物にセクハラしまくったってやつだよな?」

「何の話だッ!!」


どうやらそれは違うようだ。まあ、こいつレヴィ様Loveだからそれは無いか。


「魔神サタンが支配していた《憤怒》の領土にあるサタンの根城、憤怒の魔塔が何者かに攻められたらしくてな」

「ふむ」

「その時、サタンの部下だった魔物達が応戦したらしいのだが、一匹残らず殺されたそうだ」

「なんだと?」


それは確かに事件だな。


「それも、一人の女にな」

「まじかよ」


俺は今マンモンの仕業かと思った。けど女だと?


「まさかアスモデウスか?」


・・・いや、それは絶対に無いか。あいつはわざわざそんなことをするようなやつじゃない。


「その女の目的が何だったのかは知らんが、魔力が無い状態のレヴィ様が襲われることのないように、こうして警戒しているというわけだ」

「なるほどなぁ」


てか、それならアスモデウスの方が心配だな。その女とやらに攻撃されたら結構キツいと思うが。


「・・・その時は助けに入ってやるか」

「何がだ?」

「いや、こっちの話だ」


また色々と面倒なことになってきたなおい。

サタンの根城がどんな場所かは知らないけど、多分アビスカリバーの城に居たレベルの魔物達を全滅させる程の実力者がまだいるのか。


「まあ、その女の事は私に任せて貴様はマンモンとどう戦うかを考えておくんだな」

「なんだ、いつもみたいに続けて〝死ね〟って言わねーの?」

「当然死んで欲しいが、マンモンとの戦いの最中に貴様が死ねばレヴィ様が危ないからな」

「へっ、相変わらずレヴィ大好きなことで」

「あれー、二人共何してんの?」


そんな時、後ろの扉が開いて中からレヴィが出てきた。彼女を見たキュラーはものすごい速さで姿勢を正す。こいつ、さっきまで寝転んでたくせに。


「変態と会話してただけだ」

「誰が変態だこの変態が」

「うるせえ変態吸血鬼」

「なんだと変態ロリコン野郎が」

「それお前だよね!?」


自分で愛好会会長とか言ってたくせに何言ってんだこいつは。


「で、レヴィは何しに来たんだ?」

「暇だからジークに構ってもらおうと思って」

「なっ、レヴィ様、この男は危険です!!私がレヴィ様のお相手を!!」

「えー、ジークのほうがいいなぁ」

「ぐはぁぁぁぁ!!!」


キュラーが口から赤い液体を吐いて膝をつく。え、ちょっと待って、ガチ吐血じゃねーかおい。


「ぐ、ぐふ、負けてなるものか・・・」

「何がだよ」

「ほら、一緒に寝に行こ!」

「寝るのかよ!」

「貴様ぁ、レヴィ様から離れろ!!」

「俺から近付いたわけじゃねーだろうが!!」


ああ、なんだこりゃ。

このままで大丈夫なのか、ジークさんちょっと心配になってきた・・・。






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