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異世界ディヴェルティメント〜不幸少年のチート転生譚〜  作者: ろーたす
フォーリンエンジェル〜天使と悪魔の聖譚曲〜
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第九十四話 大魔城

「傲慢の大魔城の場所・・・ねえ。教えてもいいけどそこの魚人が気持ち悪いから外に出してくれないかしら」

「気持ち悪い言うな!!」


現在俺達は〝情報屋〟という場所を訪れていた。そこにいた黒縁眼鏡の女の人がいきなりそんなこと言うもんだからもう・・・。


「冗談よ、人間・・

「っ!?」

「そっちは魔神アスモデウスに魔神レヴィアタンね」

「ば、バレてる!?」


まじかよ。これやばいんじゃないか?


「安心しなよ。別に言いふらすつもりは無いし。それで、場所の情報だって?」

「あ、ああ、大魔城ってとこがどこにあんのか・・・」

「まさかあんたら、ルシフェルと戦うつもりじゃないでしょうね」

「そのまさかなんたが」

「はあ、つまり私はとんでもない奴らに情報を渡そうとしてるってわけか」


そう言うと情報屋が何かを唱えた。


「っ!?」


それと同時に俺の頭の中に様々な情報が流れ込んでくる。


「へえ、直接脳内に情報を流し込めるのね。料金は?」

「タダでいいわよ。なかなか面白そうなことになりそうだし」

「あらそう。それじゃ、行きましょジークフリード」

「お、おお・・・」


すげーな。この領土のどこに何があるのかとか、大魔城の場所とかが全部分かった。


「その、ありがとな」

「待ちなさい、人間」


アスモデウス達が出ていったので、俺も礼を言って外に出ようとした時、情報屋に呼び止められた。


「こんな場所に人間が来たのは初めてだから、興味が湧いたわ。何かあったらまた来なさい」

「おう、機会があればな」


ないと思うけど。







ーーーーーーーーーーーーーーーー







「恐ろしい女ね、あいつ。アタシの幻影魔法を見破るなんて」

「只者じゃないだろうね。ま、場所も分かったし、大魔城に行こうよ」

「そうだな」


頭の中に浮かぶ大魔城の場所。どうやらここから西に進み続ければ到着するようだ。


「さぁて、いよいよ場所も分かったことだし、決着をつけに行くか」

「はーい」

「めんどくさいわね・・・」


この先に待ち受けるのは、これまでで最強の敵だ。気合いを入れて行こう。









◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆








「ルシフェル様、遠征の準備、完了しました」

「そうか。いよいよこの時が来たのだな」


傲慢領、傲慢の大魔城堕天の間。

そこで魔神ルシフェル・・・いや、アビスカリバーは部下からの報告を聞いて立ち上がった。


何年も前から計画してきた天界滅ぼし。

丁度いいところでこの身体が手に入ったのは本当に運が良かったとアビスカリバーは思う。


先程精神を完全に乗っ取ることにも成功した。もう誰も自分を止められない。


「明日は忙しくなる・・・。ククク、アハハハハ────」


アビスカリバーが高らかにわらった次の瞬間、大魔城が激しく揺れた。


「・・・何事だ」

「た、大変です!!」


慌ただしく走ってきた魔物をアビスカリバーは睨みつける。魔物はヒィっと声を漏らしながらも事態を報告した。


「襲撃です!!相手は────」

「いや、もういい」

「えぐぁ────」


瞬時に事を理解したアビスカリバーは、報告に来た魔族を魔剣・・・自分自身で斬り殺した。そして不気味なほどに口元を歪める。


「魔神レヴィアタンに魔神アスモデウス・・・それに」


感じるのはケタ違いの魔力が三つ。そのうち二つは魔神のものだが、あと一つは・・・。


「面白い、まだ邪魔をしようというのだな。迎え撃て」

「ハッ!!」


アビスカリバーの命令を聞き、他の部下達が堕天の間から出ていった。残されたアビスカリバーは、ギロりと窓の外を睨む。


その直後に起こった大爆発。天使達との戦いのために集めた魔物達が、次々に吹き飛ばされていく。


そして煙の中から飛びだしたのは、黒髪の少年。軽く腕を振っただけで襲いかかった者は命を散らし、遠くにいても瞬時に距離を詰められて瞬殺される。


続いて現れたのは二人の少女。

桃色の髪をなびかせながら魔物の群れに突っ込んだ少女は、周囲に浮かぶ剣を操りながら魔物を圧倒している。


もう一人の小さな少女が放つ魔法は次々と魔物達を呑み込んで押し流していく。


決戦に備えて用意された魔物達は、まるで相手になっていなかった。


「どこまで私の邪魔をしてくれるつもりだ、ジークフリード」


どんなものよりも自分が上。

敗北などプライドが許さない。故に自分は傲慢の王なのだ。


「これ以上邪魔をするのならば、今度こそ皆殺しにしてくれる」


そう言いながらも、アビスカリバーの口元は歪んだままだった。









◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇







「邪魔だぁ!!!」


迫る魔物を殴る蹴る吹き飛ばす。

その作業を何回も行いながら俺は大魔城に向かって疾走した。


「ちっ、次から次へと・・・!」


それでもなかなか魔物達の数は減らない。これまじで無限ループじゃないか?


「ジークフリード、ここはアタシ達に任せて先に行きなさい!!」

「アスモデウス、お前・・・」

「いいからさっさと行けこのハゲ!!」

「ハゲてねーよ!!ったく、サンキューな!!」

「ルシフェルを頼んだよ、ジーク!」

「任せろ!!」


あの二人なら安心してこの場を任せられる。


「ふんっ!!」


そして俺は大魔城の入口にたどり着き、巨大な扉を殴って破壊した。中に入ればさらに魔物達のお出迎えだ。


邪魔すんのなら、徹底的に相手してやるよ。


「待ってろルシフェル」


今度こそアビスカリバーをぶっ潰してやる。

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