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異世界ディヴェルティメント〜不幸少年のチート転生譚〜  作者: ろーたす
転生してもやっぱり俺は不幸でした
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第九話 不幸少年、迷宮に行く

ギルドに依頼達成を報告し、報酬の銅貨10枚(100枚で銀貨1枚と同価値)を受け取り、俺とシオンは家に戻った。


そして少し顔が赤いシオンと向き合って夕食を食べている。


「今日は災難だったなぁ」

「うぅ、まさかスライミーキングの体液が服を溶かすなんて思いませんでした」

「そりゃ俺もだ」


思い出されるのは、シオンの綺麗な──────駄目だ駄目だ、変なことを考えるでないジークフリード。


ぶんぶんと顔を振る俺をシオンが不思議そうに見つめる。


「あの、何を?」

「頭の中に住み着いているエローンという魔物を頭を降ることによって殺しているんだ」

「え、え?」


わけのわからない事を聞かされて目をぱちくりさせるシオン。

ふむ、落ち着いた。


「ま、まあ、とりあえず飯食っちまおう」

「・・・?」


首を傾げるシオンを見ながら俺はそう言った。

今日は早く寝よう。


・・・いつまでも健全な男でいたいからな。




◇ ◇ ◇




「迷宮?」

「そうだ。一緒に来ないか?」


翌日、俺とシオンがギルドを訪れると待ってましたとばかりにエステリーナが俺達の前に駆け寄ってきた。

そして、『迷宮探索』に行こうと言ってきたのだ。


「いや、その前に迷宮とは?」

「あ、すまない。説明もせずに・・・。迷宮というのは、世界中のあちこちで見つかっているダンジョンのことだ」

「そこに行くのか?」

「ああ。実は新しい迷宮が見つかったという話を聞いてな。是非ともそこに行ってみたいのだ」


なるほどなぁ。

・・・ん?


「なあ、その迷宮探索とやらは、ギルドの依頼なのか?」

「いや、違う。迷宮探索は別に誰が行ってもいいんだ。だがギルドの一員の場合、持ち帰った素材を渡して迷宮探索の報告をすれば報酬が出るからな」

「へえ、そりゃいいな」

「さらに今回行く迷宮は、まだ殆ど誰も訪れていない未知の迷宮。報酬の量も多いはずだ」


それは是非とも行ってみたい。

そう思ってシオンの方に顔を向けた。


「いいですよ」

「うし、じゃあ俺達も同行するってことで」

「ああ、それじゃあ準備が済んだら10時にここに集合してくれ」


そう言うとエステリーナはギルドの入口に向かって歩いていった。


「準備するかぁ」


どんな敵が待っているか分からんし、アイテムとかは多めに持っていっとこう。







そして10時、再びギルドに集まった俺達は迷宮に向けて出発した。


今回発見された迷宮は、『ノルティア古洞』と名付けられた洞窟らしい。

奥からは魔物の気配もするそうで、まだ殆ど誰も挑んでいない。


ちなみに迷宮には危険度が設定されているらしく、危険度が高い順にS.A.B.Cらしい。


ノルティア古洞はまだ発見されたばかりなので危険度は不明、俺達が調査することで危険度が分かっていくという。


「む、あれだな」


エステリーナが手に持った地図と向こうに見える穴を交互に見ながらそう言った。


「ふむ、あの穴を降りればいよいよ迷宮ノルティア古洞だ。注意は怠るなよ」

「分かってらぁ」


心配なのはシオンだ。

怪我しないように俺が守ってやらねば。


「・・・暗いですね」


穴に辿り着くと、シオンが下を覗き込みながらそう言った。

確かに暗い。しかーし、こんな時のために俺はランプを買って持ってきているのだ。


「いや、ジーク。これの方がいい」

「え・・・」


渡されたのは、小さな石。


「それは衝光石と言って、衝撃を与えるとかなり光るんだ。ランプを持ちながらだと戦いづらいだろう?それならポケットに入れていても大丈夫だし、紐に通して首からぶら下げれる」

「あ、うぃっす」


はは、ランプは置いていくとしよう。







「暗いなぁ」

「この石が無かったら何も見えなかったですね」


あれから穴の下に降りた俺達は衝光石をポケットに突っ込んでノルティア古洞を歩いている。


「む、階段だ」

「ほんとだ」


エステリーナが指差す方に顔を向けると、下に続く階段があった。


「これで第一層の調査は完了・・・と」


エステリーナが紙に何かを書き込む。


「何してんだ?」

「ここはまだ未知の場所だからな。こうして迷宮の構造やどんな魔物がいるかなどを書き込んでおくのだ」


へえ、なるほどなぁ。確かにその情報があれば俺達の後に来た人達も安心か。


「さて、下に降りるとしよう。そろそろ魔物が出てきてもおかしくない、気を引き締めておくように」

「おう」


そして、階段を降り始めた時、俺は足を滑らせて下に転げ落ちた。そんな俺を待っていたかのように魔物の群れが襲う。


「だっ、大丈夫か!?」

「ああ、大丈夫だ」


耐久力のおかげでノーダメージだし、このライオンみたいな魔物達に噛まれても痛くも痒くもない。


痛くも痒くもないけど、とりあえず俺の下半身の暗黒の領域▒▒▒▒▒を噛むのはやめようか。

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