転生
高校1年、4月。
今日から、高校生だ。
俺は、自分の新たな人生の船出に心踊らされて、舞い上がってしかたなかった。
高校へ向かう登校途中、電車車内。
やはり、前評判は本当で、オシャレな女の子の先輩が、やたら目に付く。
俺は、高校初日から、見てくれと言わんばかりに、中2以来愛用しているマストアイテム、ジョージコックスのホワイトレザーのラバーソールを履いて登校した。
オシャレな女の子の先輩たちも、ラバーソールやドクターマーチンを履いている先輩が電車の中でやたら目に付く。
俺は、
「やっぱり、間違いなかった!」
と、この高校を選んでラッキーだと思った。
しかも、俺が中1の頃に、中3で、ヤンキー姉ちゃんだった、ロンスカ引きずって歩いてた先輩も、膝上のミニスカートになってて、でも、やはり靴は相変わらず、赤のデッキシューズをかんで履いてた。まっ、それも、人のポリシーである。
高校に到着して、教室を探し、俺は、2組だということで、2組の教室に入った。
自分の席を探したら、何と、真ん中のいちばん前で、教卓の前だった。
「マジか⁈」
と思い席に座った。
そして、朝のホームルーム。
担任が、挨拶をして、こう言い放った。
「高校は、義務教育じゃないので、来たくない人は来なくていいです!」
と。
俺は、言葉にしなかったが、
「アッ〜‼︎怒」
と思い癇に障って、
「上等じゃね〜か‼︎、来なくていいなら、面倒クセ〜から来ねぇよ‼︎」
と、この時に思った。
また、同時に、この担任を
「コイツ、敵だ‼︎」
と、自分の心の中の、敵意の照準を合わした。
それから、毎日、俺は、ホームルームの度に、教卓の前の席で、足を机の上に放り投げて、腕を組み、その担任にガンを飛ばし下から上に睨み付ける日が始まった。
それはそうと、クラスで出会いが色々あった。
まずは、一応ダチとまでは、いかないけど、気が合う奴が現れた。
出席簿順で、身体測定をする時に俺の前の奴だった。
そいつと、何気に話してて、話しが合うなと思った。
コウジという奴だった。
また、中学の頃からクラスは同じクラスになったことはなかったが、チヒロという女の子が高校では、一緒のクラスだった。チヒロも、イメチェンして、ボブにヘアースタイルを変えて、すっかりあか抜けてた。
コウジは、コウジの中学で、かなりヤンチャな奴で、また、クラスはちがうが、その仲間の朋也という奴と、一緒にいた。
で、コウジが、俺に、
「烈士、一緒に帰ろうぜ!」
と言ってくれて、また朋也もかなりヤンチャで、他の同学年の奴らには、ガンを飛ばしたりして、恐れられてたが、俺には、
「烈士とは、気が合いそうだぜ!、明日から一緒につるんで学校行こうぜ!」
と言ってくれて、中学の頃にはそんなこと、言われたことなかったので、俺は、嬉しくて
「OK、ヨロシクな‼︎」
と言って、内心嬉しくて仕方なかった。この朋也と、それ以来の、マブダチになるとは、この時は思いもしなかったが、だが、朋也は、気に入らなかったら、口より先に手が出るタイプで分かりやすかったし、また、いい加減なことを言う奴ではないのが、すぐに分かったので、意気投合した。
で、さっそく、朋也が、下校途中の電車の中で、
「烈士、帰ったら、俺の家に来いよ!」
と誘ってくれて、俺は、
「マジか!行っていいのか⁈」
と言ったら、
「当たりめぇだろ⁈ダチなんだから笑」
と言ってくれて、
「俺をダチと、言ってくれた⁈マジか⁈」
と、俺は心の中が震える様な気持ちでいっぱいだった。
高校生活の始まりは、そんな感じでスタートした。