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ジリリリリ
素っ気のないアラームに起こされ、いやいやベッドから起きあがる。
体内時計を調節するためにカーテンを開け、日差しを取り込む。
「……夢、じゃないよな」
部屋の隅に飾ってあるモノを見ながらつぶやく。
「学校、いかなきゃ」
「えっと、よし。今日は全員いるな」
担任が出席を採り終え教室から出ていく。
――あれから一週間。事件が起こる前と何も変わらずに暮らしていた。
ただ一つ。俺以外の人間の記憶から、高槻の存在が無くなったこと以外は。
次話、というか分岐? は十月の一日の二十時に投稿されます。