第5話
昨日、俺は安井さんと付き合うことが出来た。
学校に着いてすぐに安井さんと話していると、
「うちのk」
「おい、お前ら付き合ってるのか?」
そう話を遮ってきたのは、おそらく安井さんのことが好きなクラスメイトだ。
正直俺はこいつが嫌いだ。
俺と安井さんが話しているのを遮ってくる。
安井さんがイライラしてるのが俺でも分かる。
でもこいつは気づかない。
恋ってそういうものだから。
でもやはり、鬱陶しい。
見れば分かるだろ両思いだって。
脳が勝手に現実逃避をしてるんだろうな。
俺が勝ち誇っていると、
「でも実際どうなの?」
クラスメイトの一人が言った。面倒くさい。
「想像に任せるわ」
俺はそう言って安井さんを教室から連れ出した。
少し離れた場所に行くと、
「何話そうとしてたん?」
安井さんに聞いた。あいつに話を遮られたからな。
「えっとね、うちのこと、未来ちゃんって呼んでほしいなーって」
俺を殺しにかかってる。
多分、体温が急上昇して死ぬ。
「いいよ」
でも呼べるもんなら呼びたい!
「やったー!じゃあうちはあおい君って呼んで言い?」
「もちろん」
未来ちゃんはやはり、俺を殺しにかかってる。
『キーンコーンカーンコーン…』
「やばい朝学活始まる!」
未来ちゃんが言う。え?やばっ!
「行こう!」
俺は未来ちゃんに手を差しだし、手を繋いで教室まで走った。
先生がまだ来てなくて良かった、と思ったのもつかの間、クラスメイトから質問責めにあった。
放課後、写真が送られてきた。
心からだ…え?
それは昨日、俺が未来ちゃんとの夜デートの帰り道、手を繋いでいた写真だった。
『お前安井さんと付き合ってたん?』
まじか、見られてたか、まあいいや。
『その日からな』
『まじか』
『関本さんとはどうなん?』
『死ね』
どうやら中々距離が縮まっていないようだ。
『でもどうなん?付き合って良いことあった?』
『付き合えたこと』
『そのあとやん』
マジレスかこいつ。珍しいな。
仕方ない真面目に答えるか。
『未来ちゃんって呼べる』
『えぐ』
『あと非リアざまあってなる』
どうしても友達相手だと真面目になれない。
『しばくぞ』
ふっ、非リアざまあ。
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