肉食系にゃ
たしか森の近い所だと、野鳥が何種類かいたよななあ。
「キジは風味が強いけれど、それが癖になって美味しいにゃよ。黒い鳥は固くて不味いからパスするにゃ。水の近くなら鴨も脂がのってて美味しいのにゃ!」
マオのアドバイスを聴きながら索敵をしてみる。ナノマシンでの索敵、捕獲がチートなので、そこまでは問題にならない。
「マオは血抜きとか内蔵の処理とかは出来るのかな?」
「お姉ちゃん程では無いけど出きるのにゃ。でも水辺じゃないと味が落ちるのにゃ。」
「分かったよ。とりあえず、マジックロープ!」
必要は無いのだけれど、呪文っぽく唱えてみる。
下草を編んでロープに精製。蛇のように這わせて自動追尾。取り敢えず死角から野鳥を六匹。魔法で操った縄で、足を縛って捕獲する。
「さすがはお兄ちゃんなのですにゃ!」
まさかの大漁にマオも大喜びだ。三匹づつ両手に持って、生きたまま家まで運ぶ事にする。
帰りに山葡萄の木を見つけたので、その実は亜空間へと入れていく。そのまま食べても良いし、ジュースにしても良い。亜空間内で寝かせてワインも作っておこうかな。発酵時間が思いのままなので、ヴィンテージワインも作りたい放題だ♪
「お兄ちゃん、やっぱり魔法って凄いんだにゃ。だからお貴族様になれるんにゃね。」
こちらの貴族様とやらがどんなのかはわからないけど、好い人達だと良いんだけどなあ?
家に着いたらさっそく下拵えだ。オーブン焼きの鳥は1匹で十分なので、残りの五匹は翼の腱を切って縄で繋いでおく。
マオが綺麗に捌いた鳥は、肉はオーブン焼きに、モツはおやつの串焼きになった。
マオだけではなく、あのお淑やかなピスカまでもが夢中になって食べていたので、やはりお肉は貴重で嬉しいものなのだろう。
残りの肉はローストチキンか、サムゲタンか、焼き鳥か、クリームシチューか、チーズ焼きか・・・また、捕りに行かないと。鳥だけに?
「ププッ!」
どうやらピスカのツボにはまったらしい。