宮殿デートがぉ
スフィアが手を引きながら、宮殿の内部を散歩するように案内してくれた。デート気分でなんだか楽しい♪
幾つもの門を越え、幾つもの庭園を越え、幾つもの広間を越える。広大な宮殿の内部には獅子の像が待っていた。
「ここから先は力ある貴族しか入れないと云われているがぉ。私が生まれてから先、ここに入れた人はいない筈がぉ。」
だからこんなに重要な設備にもかかわらず、警備がそれほど厳重になっていないのか。
スフィアを置いて先へと進む。古代にここに配備されたのだろうナノマシンがプラズマを放つ。行く手を阻む結界となっているのだろうが、ユイさん経由で干渉を試みる。どうやら上手くすり抜けられるようだ。
「ここから先は独りで行きます。スフィアさんは先に帰っていてくださいね?」
スフィアが驚いているが説明は後回しだ。先へと進む事にする。
ここにあるのは古代のロストテクノロジー。その本体と云うよりは管理端末だ。ここを経由する事により、個人では難しい処理を可能とする大型システム群を利用する事ができるようになる。テラフォーミング用のシステム等は正しく使えば生活を豊かにするが、悪用すれば恐ろしい兵器にもなる。まさに使う人次第だ。
ユイさんの協力を仰ぎ、システムの管理者権限を掌握していく。同時並行して掌握したシステムの自己診断、自己修復も行っていく。戦争で破壊されたシステムも多いが、残ったものはいまだに生き続けている。まったく大したテクノロジーだ。
後はルーチンワークとして自動処理していくのでここでの仕事はもう終わりだ。スフィアの待っている家へ帰る事にする。
「ハル君はお貴族様だったのがぉ? でもハル君はハル君なんだがぉ♪」
スフィアの心遣いが有難い。
夜は寂しいだろうと、スフィアが添い寝をしてくれた。ベルガモットのいい匂いがする・・・。今日は何故だかすっぽんぽんだ。日に日に露出が多く、スキンシップが激しくなってきている。明日はどうなるのか楽しみだ?その豊かな胸に顔を埋め、明日の事を考えながら眠りにつく。夢の中でスフィアに可愛がって貰った気がするが、スフィアに何も言われなかったから多分気のせいなんだろう。