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好きになさって下さいませ

港町の探索を進める。

取れる海産物、入ってくる輸入品、作られる料理、毎日新しい発見があって面白い。久しぶりにチロルのお店にも顔を出す。


「ハルさんにお願いがありますピョン!」

チロルがおねだりとは珍しい。シャロンに何か吹き込まれでもしたのかな?


「チロルの友達を助けて欲しいのですピョン!」

それは穏やかではない話だね。


「ハルの言っていた食べ物は、初期の船乗り病には効果が出ているようだウサ・・・」


つまりは既に手遅れということか?


そこは小高い丘に建った大きなお屋敷だった。海辺の見える明るい部屋には、ベッドに寝込んだ包帯の塊が居た。


メアリーは後期の船乗り病だ。船乗り病の船員達の助けになろうと長期航路の船に忍び込み、自分が病におかされたらしい。まだ子供の小さな身体は抵抗力が低く、なんとか戻っては来たものの、ここまで悪化させてしまったのだろう。見るからに惨く、もう食事療法では延命も覚束ない。


「ハルさんなら必ずメアリーを治せるピョン!」


大切な友達なのだろう。諦めることなんて考えていない。藁にもすがる気持ちで連れて来たのだろう。


「メアリーの身体を好きにさせて頂く事になりますよ?」


「まったく物好きな人ですね。こんな血豆や潰瘍だらけの醜い身体で宜しければ、どうぞ気の済むまで好きになさって下さいませ。」


期待も希望もない言葉がかえってくる。でも確かに言質は取りましたよ?


メアリーの顔の包帯を取る。清潔に保たれてはいるのだろうが、包帯は血塗れだ。あまりの惨状にチロルが息を飲んだが目は反らさない。メアリーは見られたくないはずだが気丈に耐えている。意思の強い娘達だ。


「ペロペロ、ペロリ」

メアリーの頬に舌を這わしていく。


「!!!! 汚いですよ! 私の病が伝るかもしれません!」

「ペロペロ、ペロン」


メアリーの静止を無視して舐め続ける。チロルはビックリして固まっている。ハルの不埒な行いにでは無い。ハルの舐めた後の肌が綺麗になって行くことに驚愕をしているのだ。指先をしゃぶり腕を舐める頃にはメアリーも身体の変化に気が付き、驚愕する事になった。


服の前をはだけさせると肋骨の浮いた身体は血豆だらけで、どれが乳首なのかもわからない。蒸しタオルで膿を拭き取りながら丁寧に舐めていく。白い肌と小さなピンクが無事にサルベージされていく。背中の床擦れ、爪先の化膿を治し、いよいよ最後の本命だ。


「そこは汚いからダメです!!!!」


勿論、無視だ。綺麗になるまで丁寧に念入りに心を込めて綺麗にする。メアリーはすっかり放心しているが、これで終わりではない。


「表面からのナノマシン投入だけでは治療効率が悪すぎます。身体の中からの治療をお勧めします。」


ユイさんの分析は、こちらの予想と一致している。


「メアリーにこれから太い注射をします。特別な薬を入れて中から治療をするのです。始めのうちは痛いかもしれませんが、我慢は出来ますか?」


「はい、勿論です。先ほどの恥ずかしさに比べればお注射の痛みくらい、メアリーは喜んで我慢します。躊躇せずにおもいきり打ってしまって下さいませ!」


言質は取りましたよ?


おもむろに服を脱ぐ。メアリー達が唖然としている間に準備の整った注射器を露にする。


メアリーの患部を拡げて確認する。先程念入りに治療しておいたので、最低限の準備は出来ているようだ。


「行きますよ?」


メアリーの身体が強ばる。抵抗する力も残っていないはずだが、もう少し時間をかけたほうが良いのだろうか?


「注射器に潤滑成分と媚薬成分を付加します。」

ユイさんのサポートが至れり尽くせりだ・・・


「グチャリ・・・・・」

「ああっ♡ あああっ♡ あああああっ♡」


注射の刺激にメアリーが声を上げて鳴き続ける。ひときわ高い声が響くと同時に最奥に投薬を行い、やっとのこと治療を終える。


「2、3日様子を見て下さいね。」


これでメアリーはもう大丈夫だろう。



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