お持ち帰りされますピョン
チロルと手を繋いで階下へと降りる。
時間が早いので店にはまだ誰もいない。店の前で別れを告げると、可愛らしく手を振ってから軽やかに路を駆けていく。チロルは仕草がいちいち可愛らしい♪
幸せな気分のまま朝食を兼ねて市場を散策していく。良さげなオイスターバーを見付けてので入って見る。オイル煮、生牡蠣、蒸し牡蠣、焼き牡蠣・・・美味しくて、ついつい数が進む。日本酒が呑めないのが残念だ。
日中は時間をかけて、近くの塩田や漁村の様子も見て回った。試しに海水から塩の精製もしたので、今度、ライカ達にもお裾分けがてらに味を確認して貰おう。
夕方になったので今日の探索は切り上げる。汗を流して着替えも済ませてチロルのお店に向かう事にする。
「ハルさん、いらっしゃいですピョン♪」
可愛らしいチロルの満面の笑顔にイチコロになる。胸が幸せでいっぱいだ。
「今夜もハルさんのお部屋にお邪魔させて貰っても良いですピョン?」
チロルが給仕をしながら控えめにおねだりをしてくる。まったく可愛い子だなあ。
「チロルばかりズルいのピョン!シャロンもハルと子作りをしたいのピョン!」
シャロンはちょっとストレート過ぎるかな?
「それではハルさんに選んで貰うのですピョン!」
「わかったピョン。ハルはシャロンの大人おっぱいにメロメロだから問題ないのピョン♪」
「チロルでお願いします?」
「はい、もちろん!チロルも嬉しいですピョン♪」
シャロンが信じられないとばかりにあんぐり口を開けて固まっている。乙女としてその顔はどうなのだろうかと思うのだが今はそっとしておこう。
早上がりしてくれたチロルを連れて上の部屋へと向かう。そっと手を繋いでくれるのが愛らしい。
「ハルさんはお風呂上がりの良い匂いがしますのピョン。チロルも身体を綺麗に拭いて来ますのピョン。」
ずっと我慢をしていたのにこれ以上待たされるのはちょっと辛過ぎる。チロルは魔法の事も気付いている事だし良いだろう・・・。
「ゲート!」
必要の無い呪文を唱えて、村の家へと路を繋ぐ。おっかなびっくりしているチロルの手を引いて我が家へと渡る。
「チロルをお持ち帰りしてみました?」
「はい! チロルはハルさんにお持ち帰りされましたピョン!」
チロルの信頼がくすぐったい。
「わかったつもりでいましたが、ハルさんは想像以上に凄いのですピョン! 」
チロルが興味津々と家中の部屋を確認してる間に風呂場の湯船にお湯をはる。
「お風呂のお湯が入りましたよ?」
「ハイですピョン! チロルの為にありがとうございますピョン♪」
チロルはお風呂が初めてなのか、とても嬉しそうにしている。