買い出しするガウ
この街は港町と街道で繋がっている。
海で採れる魚介類や塩は勿論、船で渡って来る数々の品が大量にもちこまれ、ここから他の街道へ出ていく。太い街道や広大な穀倉地帯を抑えているから、港町も強気には出られない。賑わう筈だ。
リュカに市場を案内してもらう。買い食いしながら、買い出しだ♪先ずは必需品の塩、砂糖から。
・粗塩が50kgで¥2万
・てんさい糖が50kgで¥2,5万
ものが有る所で買えば値段はこんなものだ。量が多く感じるが、130世帯で割れば400グラムも無い。
「今回はハルのお陰で大助かりガウ!」
北の村で他所から来る行商に頼むと1/3の値段で山の幸を買い取られ、3倍の値段で食料を売って来るので10倍もの開きがでるそうだ。こんなに遠いのに、わざわざ自分達で来るわけだ。
次にライカは香辛料、干物、鉄製品、衣類などを買っていく。今回は懐に余裕があるので普段買わない物も大人買いだ。
自分用には亜空間があるので、牛乳、卵、バター、チーズ、生パスタ、オリーブなど目についた物も次々と買っていく。美味しいパン屋も見つけたから大人買いをしておこう♪
何時もよりたくさんだろう買い物を、手早く済ませたリュカとライカは凄い荷物になっている。
「この為にライカがいるガウ。うちの男どもでは頼りにならないガウ。」
厳しいお言葉だ。
「残念だけど、ハルとはここでお別れガウ!」
今日の内に出発をするそうだ。この街の宿は高いだけで、お金が勿体ないからだそうだ。
ライカとリュカを人気の無いところに連れていく。
「名残惜しいのは分かるけど、真っ昼間からは駄目ガウよ?」
「ハル君は本当にオオカミさんワオ! 私は人妻だから駄目ワオよ?」
貴女方には言われたく無いですよ?
餞別代わりに移動魔法を試してみる。
「出でよ、ゲート!」
必要の無い呪文を唱えて見る。
ワームホールを複数連結。時間軸と空間軸の座標を変換し調整していく。難しい計算はユイさんにお任せだ♪
ぽっかり開いた穴から首を出して覗くと、リュカの家の周りのようだ。
匂いに気がついた、父弟が玄関から出てくる。
どうやら上手くいったようだ。