遠吠えガウ
「ウオオオオーン!!!」
ライカが満月に向かって遠吠えをしている。
興奮が抑え切れないようだ。
「ウオオオオーン!!!」
可愛いお尻を振りながら遠吠えをしている。
快感に酔っているようだ。
普段はそっけないが、ライカは間違いなく美少女だ。振り返って此方を見詰める眼差しは潤んでいて庇護欲をそそる。今夜は頑張って付き合うことにしよう。
あてられたリュカが、ライカに並ぶ。
「ハル君、私もお願いできないワオ?」
リュカは人妻ですよね?
「狼族はそんなの拘らないワオ!」
それは嘘ですよね?
「誰も見てないワオ?」
ライカが見ていますよ。
「満月の夜は何をしても許されるワオ!」
そんな訳は無いですね。
「ハル君のケチ!」
そういう問題ではありません。
月はまだ出ているのか?
今夜はまだまだ長そうだ・・・・
翌朝に遅い朝ごはんを食べ終えると、ライカが謝ってきた。
「ゴメンガウ。ハルには迷惑をかけたガウ。でももう落ち着いたから大丈夫ガウ。」
勿論、気にしてないから大丈夫だよ。
発情で困るようなら、また協力するから教えてね。
「それなら、また夜にお願いしたいガウ♪」
素直で表裏がない。ライカらしくて好きだ。
それではそろそろ町を目指すとしよう!
森を走り抜けると牧草地帯に入った。この辺りでは牛乳やチーズが手に入るが、手に入れるなら帰りだそうだ。換金も終わっていないし、鮮度の問題もあるから当然だ。
平地をひたすらに走り抜ける。森と違ってかなりのスピードが出るため、周りの景色がどんどん流れていく。ライカも運動している方が、欲求不満解消になるようだ。昼休憩を一度しただけで、夕暮れまで走りきった。
牧場の無いところに場所をとりキャンプをする。
「ご飯にしますか?お風呂にしますか?
それとも・・・・・・?」
「ご飯に決まっているガウ!」
発情期でもぶれないライカが大好きだ。
夜は約束通りにライカの相手をする。理性が残っているが情熱的だ。求められ、愛されて、幸福感でいっぱいになる。此方のライカも大好きだ。
「ウオオオオーン!!!」
満月を背に、ライカが吠える!
牧場の牛や羊が怯えていないか心配だ?