ミニスカハンモックガウ
翌朝、簡単な朝食と挨拶を済ませてから出発をする。お土産にお肉たっぷりのサンドイッチを作ってくれたのが嬉しい。
やっぱり昼食以外はひたすらに走り続けになったのだが、今日は野宿になるらしい。明るい内に泊まる場所を確保する。
夕食は具材たっぷりのスープだ。野菜の旨味とベーコンの塩気が疲れた身体に染み渡る。
聞けば、いつも野宿は焚き火をたいて、マントにくるまって眠るだけらしい。それだと体が痛くなるよね。
周りはいい感じに木がたくさん立っているので、ハンモックを作って吊るす事にする。厄介な虫対策は妖精さんにお任せだ。
寝るときはマントにくるまるだけで、夜露、朝露を防げるのかな??取り敢えずタープも張っておく事にする。
ライカが向かいのハンモックで面白がって遊んでいる。ミニスカートだから、足は反対側に向けた方が良いんじゃないかな?
白い何かが揺れているのを見ている内に、ウトウトしてきた。 見張りにはユイ達がいるので安心して眠りにつく事にする。
久しぶり、というか、この世界に来てからは、はじめての一人寝だよね?
翌朝、簡単な朝食と片付けを済ませてから、すぐに出発をする。
「このペースなら、昼過ぎには峠道の入り口までたどり着けるガウ!」
もう少しで着きそうな所まで来たが、お昼の時間は厳守だった。ブラックなのか、ホワイトなのか、意見が別れるところだね。
峠道の入り口では、既に何組かが到着してたむろしていた。
「まだまだ早い時間だと思うけど、どうして先に進まないのですか?」
リュカが詳しく説明してくれた。
・西の山越えは道が険しい
・通れる道が限られている
・どこの峠道でも色々な村からの人や荷物が集中する
・それを狙って野党が出る事がある
・集まって一緒に移動した方が安全だ
・亜空間収納は秘密にするべき
・ダミーの背負子を用意する
ライカは欠伸をしていて、全く聞いていない。本当に脳筋だ。
簡単な出店を出している人もいた。暇なので覗いてみる事にする。リュカとライカは興味がないようだ。
「割高だし、山のこちら側の荷物は面白くないワオ。」
後からリュカが教えてくれた。事前に教えず経験をさせるのは、良い教育方針だと思う。
ガタガタ、ゴトゴト・・・・
暫くすると馬車の音が聞こえてきた。背負子とは違い、運べる荷物が多いので護衛も付いている。みんな、この商隊に便乗して峠を越えることになるのだろう。
リュカに目で確認すると、頷き返してくる。
皆が様子を伺っていたが、商隊は峠には入らず休憩に入った。出発は明日の朝になるようだ。
明日に備えて早めに身体を休める事にする。目立ち過ぎないよう気をつけて、少し離れた場所を確保して、食事と寝床を用意する。
寝床には小さなテントを張ってみた。ウレタンみたいなシートを作成したので下は固くない。三人で仲良く横になる。
リュカとライカが、クンクン匂いを確認してくるのが気になったが、二人の体温に包まれながら眠りについた。
山の麓までの想定
山越えのクロスカントリーで
時速6㎞、12時間、約70㎞