マタタビにゃ
「実は、今日は森でマタタビも採れたのだけれど・・・」
「「!!!!!!!?」」
「ハル君、それは本当ニャンですか?」
「お兄ちゃん、直ぐにそれを出しにゃさい!」
二人の食い付きが思ったよりも凄い。
「猫に木天蓼」という諺があるけれど、獣人にとっては其れ以上の意味を持つのかも知れない。
恐る恐るひと枝だけ出してみたが、直ぐに二人は、恍惚とした表情となっていく。まるで酔っぱらって、腰砕けになったかのようだ。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん・・・♥️」
トロンとした表情のマオは、うわ言のように同じ言葉を繰り返している。慣れていない強い刺激に、どうして良いのかが分からず、パニックになっているようだ。
ピスカの方はハルの匂いを体に擦りつけるのに必死で言葉が通じない。柔らかな身体の感触は気持ちよいのだが落ち着かない。時折、思い出したように匂いを嗅いだり、舐めたりして確認をしているようだ。
これは二人ともアカンやつだ。
もう、手が付けられない・・・・。
なんとか二人をベッドまで誘導していく。
そのうち疲れて眠るだろう?
もう諦めて、二人に好きにさせたまま、眠ってしまう事にする。