お風呂ですにゃ
それではいよいよお楽しみのお風呂タイムだ♪
外はもうすっかり暗いので、魔法で柔らかい灯りを作り出す。夜の露天風呂っぽい雰囲気が出ていて、それだけでも楽しくなってくる♪
庭先に風呂桶をそっと置く。
屋外で足が汚れるので、スノコも作って置いてみた。
泉の水は勿体ないので、川から採った水を放水。同時に加熱。まるで瞬間湯沸し器だ。すぐにお湯がいっぱいにたまる。
逸る気持ちを押さえて、慌てず、騒がず、落ち着いて、丁寧に、ゆっくりと服を脱いでいく。
ここは屋外なので丸見えなのだけれど、隣の家から見えるような距離ではないから、そこは気にしない事にする。何かあればユイさんが教えてくれるだろうし。
先ずはかけ湯だ。湯船に入る前にしっかりと汚れを落としておく。それから脚を高く上げ、慎重に桶を跨いでいく。お湯の感触と温度を感じながら、ゆっくりと身体を沈めて行く。
「はあああ~~~っ!!!!」
思わず声が漏れる。
これはほんとうに生き返る気分だ。
ピスカとマオがすぐ傍でじっとこちらを見ているのもぜんぜん気にならない。本当だよ?
「ハル君、私たちも入って良いですニャン?」
ピスカが恐る恐る、お伺いを立ててくる。
「お姉ちゃん、私たちもお貴族様になるのかにゃ?」
そんなわけはない。
「とちろん良いよ。昨日、背中を拭いてもらったお礼だから♪」
二人はニッコリ微笑むと、揃って服を脱ぎ出した。
ピスカはくまさんのバックプリントのパンツだ。
昨日はパツンパツンだったのでサイドは紐に替えてある。本当にお気に入りなんだね。
マオのパンツは青と白の水玉模様だ。此方にはない柄だろうから珍しかったのかな? 可愛らしくて似合っているよ。
じっくりと鑑賞する間もなく、二人ともあっという間に全てを脱いで行く。お風呂は逃げたりしないから、そんなに慌てなくても良いのにね。
「ナノマシンで脳内メモリに保存していますので、何時でも好きな時に見られますよ♪」
ユイさん、それは盗撮ですよ?
ピスカとマオはかけ湯を真似すると、ゆっくりと片脚を上げ、爪先だけでお湯の温度を確かめはじめる。
「ツンツン、ツンツン・・・」
手の届く距離で。
「ツンツン、ツンツン・・・」
桶を跨いだまま。
至近距離で色々とばっちりと見えてしまっているのだが、それはお互い様だ。マナー違反なので、何も言うまい。
マオが意を決したように湯船に片脚を突き立てる。
そしてもう一跨ぎ。
ゆっくりとお湯に浸かっていく。
「はにゃあああ~。気持ち良いですにゃあ~。川での行水とは違いますのにゃあ~~」