Prologue 『始まり』
初めまして!髙田 鞠音と言います。
今日から連載始めようと思います。
今回はこれから始まる物語のプロローグになります。ぜひ読んで見てください!!
空が夕日で赤く染まりだした頃、1人の少女が学校の屋上へと足を運んだ。
少女の髪はボサボサ、着ているセーラー服はビショビショでぽたぽたと周りに雫が落ちている。少女は終始うつむきながら屋上のフェンスを掴んだ。
こうやって死のうとするのはもう何回目だろう。
フェンスを越えようとするが、自分のような自殺をする人達を防ぐために越えにくい仕様になっている。そのせいで何回やってもなかなか登ることができない。少女はもう体力の限界を感じ、フェンスにもたれかかってそのままストンと座った。
あーあ。今日も死ねないのか。死なないとまた明日から地獄のような苦しみがやってくる。
毎日、毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日
そう考えただけで体が小刻みに震えはじめた。
そうして少女はこんな言葉を口にする。
「死にたい。」と。
誰もいない屋上。1度言葉にしてしまった瞬間、今まで溜め込んでいた感情がつぎつぎと溢れだしてきた。
「死にたいよ!!なんで私だけがこんな目にあわなきゃいけないの!?私が何したって言うの!?何もしてないじゃない!!」
少女は大きな声でそう叫んだ。そしてその怒りははだんだん殺意へと変わっていく。
「クソクソクソクソッ!あいつら絶対恨んでやる……殺してやる……クラスの奴らも見て見ぬふりしやがって……!殺してやる……全員……殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる!!」
そして最後に夕焼けが赤く輝く空に向かってこう言い放った。
「あいつら全員殺してやる!!!!!」
その瞬間、少女の体から黒いモヤがサーっと滲み出てきた。
「なに、これ……。」
少女が呆然としていると、黒いモヤは自分の正面へ移動し、雲のような形になった。そしてそれはだんだん人の形になり、モヤが消えた瞬間1人の男が姿を現した。
「あなたの感情、いただきました。」
男はそういうとニヤッと不気味な笑みを浮かべると、また黒いモヤと一緒に消えてしまった。
今のは、夢だったのだろうか……。ふと時計を見るともう家へ帰らないといけない時間になっていた。
「ヤバっ!お母さんに怒られる!!」
そういうと彼女は急ぎ足で屋上を飛び出していった。
この出来事が日本の悪夢の始まりだと少女は夢にも思わなかった。
初投稿にお付き合いいただき、ありがとうございました!
不定期にはなりますが、コツコツ連載していくので、楽しみにしててください。最低でも月1回は更新しようかなと思います!!
次回から本編入ります!