プロローグ
一般受けしないかもしれないんでお試し期間
ここ十年で転生者が増加し、それぞれの世界かんでの均衡が崩れつつあった。
チート、最強、覚醒、ご都合主義等の裏では力の代償を払わされる民衆が数多く存在していた。
そんな民衆は、自分たちの現状を作った神々を信じられず、信仰度は年々下がっていった。
神々は、信仰のマイナス要素が自分達にまで影響してきたことに焦り、とあるモノを投入する。
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とある世界の一都市の酒場の一角において、二人の男が愚痴るように話している。
「知っているか?最近勇者がこの都市に来たらしい。新たな拠点として、ここアトレを選んだらしいんだよ」
「まじか!?
うちは大分王都から離れているし魔物も冒険者どもだけでこと足りてる。余計な争いは増やさないでほしいんだがな...」
つまみに頼るよりも、井戸端会議のような話の方がペースが早くなる。何って?酒の話さ。それに、港町だ。情報など風の噂として幾らでも入ってくる。話の種がなくなったためしはない。
今もノリと勢いの終盤状態だ。話した内容など次の日にはさっぱり忘れている。
いつものこと、そのはずだった。
「まあそこは、勇者様が聖人であることを祈るしかないな···いや、元々勇者は聖人か...
ああ、それと──もう一つ、風の噂で耳に入ってきたんだが、──❮国喰み❯が近くに来てるらしい··」
「はぁ?!マジかよ!最悪の一角じゃねぇか、こんなところにまで何しに来たってんだ!」
「反応が検知されたって話だけで容姿も、目的も、能力だってハッキリしていないやつなんだ考えるだけ無駄さ」
「あぁ、もう!勇者も、❮国喰み❯も一体何んなんだ!タイミングが重なるってぇことはなにか起こるっつうことなのか?おちおち眠れやしねぇよ...」
「──奴が通った跡には不幸しか残らない···付けられた二つ名が❮国喰み❯。数百年前、大国を滅ぼしたとかで異端認定されたんだよな」
「百年前って化け物じゃねぇか!おれら土地から離れられない漁師はどうすりゃいいんだ!?」
「..被害が最小限のうちに追い出すしかないだろう。探しにいくか?」
「───もう少し飲んでからでもいいか...」
「...あぁ」
結局この日は酔いも醒め、早めのお開きとなった。危機感だけが先行する。彼等に、どうこうする力もなかった。よくある噂話の一つであればどれほど良かったか。
その日、酒場の喧騒に紛れて一匹の疫病神が不幸を連れて街へと侵入していった。
これから宜しくお願いします、